取材

12mの巨大救急車「スーパーアンビュランス」や無人走行放水車「ドラゴン」など、東京消防庁ハイパーレスキューが所有する特殊車両を撮影してみた


東京消防庁の特別高度救助隊、通称「ハイパーレスキュー」が所有する大型の救急車「スーパーアンビュランス」やラジオコントロールカーのように操作できる無人走行放水車「ドラゴン」、NBC災害に対応するための「特殊災害対策車」などが「危機管理産業展(RISCON TOKYO)2012」で展示されていたので、実物の間近に迫って写真を撮影してきました。

東京ビッグサイトの屋外駐車場に並ぶ展示車両。


◆特殊救急車(スーパーアンビュランス)

事件や事故で多数のけが人が発生した際に使用される大型の救急車「スーパーアンビュランス」の外観は以下の通り。


全長は約12.2メートル、高さ約3.7メートルで、重量は約20.78トン。なお、この車両の価格は内装込みで約7000万円とのことです。


横を歩いている成人男性の2倍以上の高さがあります。


停車時には左右の「拡幅室」を開くことで最大床面積40㎡を確保でき、8つのベッドが使用可能。


「拡幅室」の下には脚が備えられているので揺れや転倒を防げます。


床下はこんな感じ。


出入りは後方の扉から。


扉の開閉は室内にあるスイッチで行うそうです。


ストレッチャーや車いすも走行できるように作られた階段。


内部は以下の通り。


固定式のベッド。


傷病者を搬送するために使用する車輪付きのベッド。


備え付けのシンク。


酸素吸入用のボンベをつなぐ装置と思われる計器類。


戸棚。


「緊急包帯」「三角巾」などと書かれたラベルが貼られています。


なお、「スーパーアンビュランス」と呼ばれる大型救急車は国内には3台しか存在しないそうで、秋葉原通り魔事件や地下鉄サリン事件の際に出動したとのことです。

◆無人走行放水車(ドラゴン)

化学工場や石油コンビナートなどのタンクから出火した際など、人が近づけないような状況下で消火活動を行うために開発された無人走行車。


前方に備えたノズルから毎分約4800リットルの放水が行えます。


全長約3メートル、高さ約1.9メートルで、重量は約2.5トン。


斜め後ろから見るとこんな感じ。


無限軌道を備え、不整地での走行が可能。


無線操縦に使用するコントローラーはこんな感じ。


コントローラーは肩から下げて使用します。


実際に「ドラゴン」を無線で操縦し、旋回やバックなどをさせている様子は以下のムービーでチェックしてみてください。

ハイパーレスキューの自動走行放水車「ドラゴン」が動く様子 - YouTube


◆資材輸送車

無人走行放水車(ドラゴン)の装備やNBC災害用、林野火災用など、状況時応じて必要なコンテナを積んで現場に運ぶための輸送車。


全長約8.6メートル、全高3.1メートルで、重量は約14.6トン。


一見すると普通の輸送車のようですが、荷台のコンテナを載せ替える事で様々な状況に素早く対応できるという訳。


斜め後ろから見るとこんな感じ。


コンテナの底部には車輪がついており、荷台から素早く下すことができます。


◆障害物除去車(セイバー)

火災や事故で発生した瓦礫などの障害物を除去するための車両で「ドラゴン」などが走るための道をつくるために設計されています。なお、人が乗って動かす他にも無線で100メートル程離れた場所から操作することも可能です。


全長は約3.4メートル、全高約1.9メートルで、重量は約2トン。


斜め後ろから見るとこうなっています。


正面。


運転席はこんな感じ。


◆特殊災害対策車(SUPER HAZ-MAT)

核、生物、化学物質などが関係する事故、災害に対応するための車両。放射線、有毒ガスなどの分析を行うための装置や防護服を搭載しているそうです。


全長約7.3メートル、全高約3.3メートルで、重量は約8.75トン。


車両の上部には「SUPER HAZ-MAT」の文字。


「化学機動中隊 2-1」と書かれた荷室。


後ろから見るとこうなっています。


荷室を開けたところ。


車内には防護服が吊り下げられています。


なお、東京消防庁が使用している車両の詳細は公式ページでも見ることができるので、興味のある人はチェックしてみてください。

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in 取材,   乗り物, Posted by darkhorse_log

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