取材

徳島~和歌山間を渋滞に左右されない南海フェリーで往復してみた


神戸淡路鳴門自動車道は明石海峡大橋、大鳴門橋という2つの橋によって本州と淡路島、四国とを結ぶ高速道路で、本州と四国とを結ぶメインルートの1つ。神戸と徳島の間は高速バスで2時間強、運賃も3000円ちょっとと安く、生活圏と言えるレベルになっています。しかし、便利さゆえに交通が集中しがちで、大型連休ともなると10km以上の渋滞も珍しくありません。

10月6日から8日がマチ★アソビ vol.9のクライマックスランにあたるわけですが、ヘトヘトになって帰るときに渋滞に巻き込まれるのは堪えるので何か策はないか……ということで目をつけたのが徳島と和歌山を結んでいる南海フェリー。「高速道路1000円乗り放題」で多くの航路が休止・廃止に追い込まれた中でなんとか生き残った航路ですが、その傷は深く、いまだに客足が戻らず経営状態は厳しい状態にあるとのこと。渋滞回避ルートとして活用が可能なものなのか、実際に往復利用してみました。

◆徳島港→和歌山港

徳島港フェリーターミナルの場所はココ、市内の東端です。

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自動車でのアクセスは、新町川沿いに東進してくるか、県道38号線経由で東側から来るかになります。いずれの場合でも曲がるべき交差点は同じですが信号がないため、ちょうどフェリーターミナルに向かう方向の反対側に立っているエネオスのガソリンスタンドが目印となります。


海側へと曲がると、「フェリーのりば」という大きな看板が見えてきます。ここを左折。


ココが徳島港フェリーターミナル。中央の建物がフェリー乗り場で、きっぷ販売所もこの中にあります。


自動車の場合は、先ほどの左折したところから道なりに進むと「自動車きっぷうりば」の矢印が出てきます。


矢印に沿って進むことで、ドライブスルーできっぷを購入することができます。ちなみに、自転車やバイクの人もこのドライブスルーで切符を購入できます。


詳しい運賃表はコチラで、車体長1mごとに運賃が変わります。自動車航送運賃には運転者1名分の旅客運賃が含まれていますが、同乗者がいる場合は別途旅客運賃が必要になります。


今回の場合、乗用車で車体長は5m未満。運転者1名で同乗者はナシだったので、運賃は9300円。


徒歩の人向けのきっぷ売場はこちらの建物内にあります。


旅客運賃は大人2000円、小児1000円。自転車は600円、原付は1200円、自動二輪は750cc未満が1800円、750cc以上が2400円。


10月1日から2013年3月31日までは自転車無料キャンペーンなので、自転車の人は旅客運賃のみで乗ることができます。


ちなみに、このキャラクターは南海フェリーのオリジナルキャラクター、高野きらら阿波野まい


ポスターやパンフレットなど、あちこちに使用されています。ちなみにここに掲示されているポスターは徳島港→和歌山港のフェリーと、和歌山港駅→なんば駅・高野山駅・関西空港駅の切符がセットで2000円になる割引乗車券「好きっぷ2000」のもの。大阪や和歌山から徳島に向けては南海電鉄各駅から徳島港までがセットになった「とくしま好きっぷ2000」が発売されています。


建物2階の乗船口にも……


キャラクターが待ち構えていました。


ちなみに今回は自動車利用でしたが、徒歩の場合は徳島駅との間を市バスが結んでいます。


バスの接続はこんな感じ。


出港まで時間があったので、建物内にあった「海の道」という軽食コーナーで夕食を取ることにしました。


徳島らしく、徳島ラーメン生卵入り(600円)を注文。ここのラーメンはふく利が監修しているもの。


茶色のスープは醤油豚骨系の味付けで、見た目ほどに味が濃いわけではありません。


と、食べている間に出港30分前になりました。そろそろ自動車の積み込みが始まります。


誘導されるままにフェリーの中へ。ゴールデンウィークなどはかなり混雑するようですが、この日はかなり空いていました。


前面が半分空いた状態ですが、もちろん出港時には閉じられます。


航行中は車両甲板には降りられないので、客室へ移動。


後部甲板のイス席の間を通って船内へ。


扉の左右にひっそりとキャラクターがたたずんでいます。


こんなところにも。


やがて、出港。船の後方にぼんやりと眉山の明かりが見えています。


さすがに夜にデッキにいると冷えます。フェリーは紀伊水道を横断していきますが、外洋ではないので、よほどの悪天候でもない限りひどい揺れにはならないはず。


船内に籠ること2時間、和歌山港に到着しました。


一瞬カーナビも場所を見失ってしまいましたが、フェリーを出て道なりに走っていくと正面が和歌山港フェリーターミナル。見えている信号は「フェリー前」交差点で、左折すると市内方面、右折すると水軒や和歌浦方面に向かいます。ほとんどの人は左折することになります。和歌山港から大阪市内への移動は高速道路使用で1時間半ほど。


◆和歌山港→徳島港

戻りは翌朝の便に乗ることを決定。阪和道の和歌山ICを降りて、和歌山港を目指します。


港まではほぼ一本道、迷うことはありません。まずは切符売り場で切符を購入します。


この和歌山港フェリーターミナルの建物内に切符売り場があります。


フェリーターミナルからはずーっと長い通路が乗り場まで続いています。


一般旅客向けの自動券売機。


自動車の場合はこの「車両キップ購入申込書」への記入が必要です。ナンバープレートや車長が必要なので、車検証を持って行くとスムーズに進みます。


往路を割引ナシで購入していた場合、その時の乗船券控を提示すると復路割引として1割引になります。往復扱いになるのは14日間。


切符を購入して、乗船用の待機場所に移動。右奥側、オレンジ色の光が見えているのが先ほどのフェリーターミナルで、南海の和歌山港駅も同じ位置にあります。この連絡通路は和歌山港駅からフェリーまでつながっているというわけ。


フェリーもすでに準備は整っています。


ということで、またも積み込み。この航路には2隻のフェリーがいて、今回は偶然にも同じ「つるぎ」に乗り込むことになりました。スロープ周りの形状が徳島から乗ったときとは異なりますが、これは和歌山と徳島で乗船位置が前後逆なため。


じわじわと空が白み始めました……


繋留が解かれて、出港です。


あっという間に明るくなってきて、振り返るとフェリーターミナルまで見えるようになっていました。


まだ月が高い位置にあります。


船内の客席はじゅうたん敷きのスペースと、ソファスペースに分かれています。見たところ、じゅうたん敷きスペースで寝ている人の方が多めでした。


そんなスペースのそばにもキャラクターが。


船内でも自転車無料キャンペーンをアピール


船から北の方を見ると淡路島が見えています。これはちょうど大鳴門橋あたり。


船尾方向からの日差しが強烈です。


2時間で徳島港に到着。


実際に乗ってみて感じたのは、休息が取れるのは悪くないということ。運転手が1人の場合、だいたい2時間走るごとに休憩を取らないとつらく、イベント帰りなどで体力を消耗しきった状態での運転は特に危険です。しかし、フェリーであれば、運転手が寝ている間も船は進んでくれるので、リフレッシュした状態で少し進んだ場所から移動可能。兵庫県や大阪北部からだと神戸淡路鳴門道が利用しやすいため和歌山を経由するメリットはありませんが、大阪南部や大阪より東の人であれば、神戸淡路鳴門道へのアクセスと、和歌山へのアクセスは大きく変わらないので、候補の1つに入れるのもアリかも。

また、車は利用しないという人でも、徳島発着の高速バスはわりと座席が埋まるのが早いため、時間に余裕があるのであればフェリー利用もアリかもしれません。割引切符を使えば関西空港やなんば~徳島間が2000円なので、高速バスよりも安くなります。

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in 取材,   乗り物, Posted by logc_nt

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