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運動時、私たちの脳に何が起きてどのように幸福感をもたらしているのか?

By mark sebastian

適度な運動は鬱病やもの忘れ、アルツハイマー、パーキンソン病などさまざまな病気の防止として役立つということはよく知られているところですが、実際のところ、睡眠と同様にその仕組みについてちゃんと理解している人は少ないはず。TwitterやFacebookに時間を分散して投稿してくれるサービスBufferの共同設立者であるLeo WidrichさんはBufferのブログにてこの仕組みを分かりやすく説明し、運動を習慣化する実践的なポイントまで公開しています。

What happens to our brains when we exercise and how it makes us happier | The Buffer blog: productivity, life hacks, writing, user experience, customer happiness and business.

◆運動の最中、何が幸福感の引き金となるか?

LeoさんはBufferの設立者であるJoelさんの6 things I do to be consistently happyにインスパイアされ、私たちの幸福という感情と運動の間にある関係を明らかにしようと思ったとのこと。

By hernan.seoane

身体的に言えば、運動は私たちの体の筋肉やスタミナを作るので、運動を定期的に行うと階段を上るといった日々の活動が非常に楽になります。しかし、感情や脳といったことになると、その関係はあまり明らかになっていません。「運動を行うとエンドルフィンが分泌され、それが脳に幸福感をもたらす」ということは知っていても、実際にそれがどのように働くかを知っている人は多くないはずです。ということで、その仕組みを解説すると、運動を開始した瞬間、まず脳はストレスを認識し、心臓への負担が増加してゆくにつれて、脳はあなたが敵と戦っているか、あるいは敵から逃げていると思います。そして、あなた自身と脳を守るためにBDNFというタンパク質を分泌する、とのこと。BDNFは記憶を行う神経細胞を守り、修繕し、リセットスイッチとしての役割を果たします。このような仕組みが運動後に頭をすっきりさせ、気持ちを楽にするというわけです。そしてBDNFが分泌されると同時に、ストレスと闘うもう一つの化学物質、エンドルフィンが脳に分泌されます。科学者のMcGovernさんによればエンドルフィンとは「運動の不快感を最小化し、痛みをブロックするどころか、多幸感とも結びついている」というもの。

つまり、運動している時、脳では多くの事が起こっていて、実際のところ、座ったり意識を集中させているよりももっと活動しています。しかし、一方でBDNFやエンドルフィンにはモルヒネやヘドインと同じく常習性があるという、恐ろしい面もあります。両者の違いと言えば、前者は私たちの体にいい、というただそれだけだそうです。

◆運動がもたらす幸福感を最大限にするには、やり過ぎず、最中は集中すること

運動を行うことによって脳内物質が幸福感をもたらす、ということは以上の通りですが、それではその幸福感を引き延ばすにはどうすればいいのでしょうか。この点はペンシルベニア州立大学の研究によれば、運動を行った日に生産的かつ幸福になるために、どれだけの量の運動をしたかということや、定期的に運動しているか、それともその日限りの運動か、ということはあまり重要では無いようです。「実験当日を除いた実験前の1ヶ月の間運動をしてもらった人は、座っているばかりの人よりも記憶力テストでいい結果を出しましたが、当日運動していた人よりは結果が劣った」とのこと。

By mars_discovery_district

ニューヨークタイムズのベストセラー作家Gretchen Reynoldsさんは「The first 20 minutes(初めの20分)」という本を出しましたが、その中で健康に最もよく幸福感を味わえる運動のカギとは、プロのアスリートになることではない、と書いています。反対に、毎日の生活の中で最高の生産性と幸福を得るために必要なのは、ほんの少しの運動でいいそうです。「もし座ってばかりいる人がいるとしたら、運動の最初の20分が健康のためにいいだろう。寿命を延ばし、病気のリスクを減らす、といったことの多くは運動の初めの20分がもたらすのである」ということで、リラックスし、健康を阻害しないような運動するためには、毎日20分間の運動に集中すればいいわけです。またイギリス、ブリストル大学の研究では「運動後、落ち着きがなくなることを除いて、人々の一日の気分は改善される」ということがわかっています。

◆運動を習慣化する方法

運動のメリットを大いに理解しても実際に習慣化させるのは簡単なことではありません。それには習慣化させることは多くの集中を必要としますが、ニューヨークタイムズのベストセラー作家Charles Duhiggさんは「The Power of Habit: Why We Do What We Do in Life and Business(習慣の力:ビジネスや人生において私たちが何をし、なぜ行うのか)」という本の中で、運動は幸運の道を敷くだけでなく、人生のその他の部分も成長させる、と語っています。運動はすべての習慣の根本原理なのです。

By s_falkow

また、Bufferの設立者であるJoelさんの最近の投稿でも、毎日の運動がもたらすパワーについて書いています。彼は自ら定めたルールを厳密に守り、朝起きると何よりもまず始めに運動を行っているのですが、記事によれば、「午前9時半までにBufferの仕事であるコーディング作業を1時間で終わらせて、ジムに行き、すばらしいセッションを受け、30分間Eメールを行った。これだけやってもまだ午前9時半、成功した、すばらしい気分だ」とのこと。

LeoさんはJoelさんと彼の運動習慣化について話を行いました。ということで、日々の運動を楽しみ、自分を元気づけ、習慣化を成功させるために重要な3つのポイントは以下から。

・ベッドに入る前に運動着をアラーム時計や携帯電話のすぐそばに置いておく
・運動を終える度に自分の行った運動の記録を取る
・小さな運動から始める

Joelさんの書いているThe exercise habitにはさらにいいアイデアが書いてあるので、これから運動を習慣化しようとする人が見ると、多くのヒントを得られるかもしれない、とのことです。

◆ただ運動を始めるだけで、あなたは最高の幸福感を得ることができる

By shoothead

BDNFの増加はあなたの脳内で気分増強剤としての役割を果たします。ドラッグの依存性とよく似ているという研究もあり、運動を始めると、多幸感は最高値に達します。McGovernさんによれば「エンドルフィンの分泌には相加効果があり、何度も同じ多幸感を味わおうと思ったら、さらなる運動が必要になる」とのこと。つまり、もしあなたがこれまで運動をしたことがなければ、あるいは長い間していなければ、今運動を始めることによって最高の多幸感を得ることができるというわけなのです。

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in メモ, Posted by logq_fa