起業したゲーム会社を7年倒産させなかった社長たちのノウハウとは?


「ゲーム会社を起業したい」という人はたくさんいますが、起業した後に会社を倒産させずにやっていくという点が難関です。そんな人たちのために、ゲーム業界で起業して活躍している4人の社長が、創業時のノウハウを生生しく語りつくしました。

起業したゲーム会社を7年間倒産させない方法

株式会社DropWave 本城嘉太郎(以下、本城):
Drop Waveの本城と申します。今日は「起業したゲーム会社を7年間倒産させない方法」ということで、ゲーム会社の経営のことをお話させていただきたいと思います。私と3人の社長さんをゲストにお迎えしつつ、皆さんの実体験から赤裸々に語っていただきます。本講演の趣旨としては、これからゲーム会社を起業したいがどうしたらいいかわからない人や、起業したがうまくいかないと思ってらっしゃる方に、僕らごときですけど、何か参考になることがあればいいなと思っています。


本城:
で、ちょっと皆さんの属性を把握しておきたいんですど、これから起業したいと思ってらっしゃる方どれくらいらっしゃいます?とか言って挙げさせるみたいな……(笑)。上司がいるところではマズいと思うんですけど(笑)。ちらほらというところですね。個人でフリーでやってらっしゃる方は?意外と少ない。では、起業してしまいましたという方?おお、松山社長!サイバーコネクトツーさんだけでした。では、これから起業したいと思っているけど手が挙げられないという方が9割くらいという判断で進めさせてもらいます(笑)。

本城:
目次です。今回は起業したい方が多いんじゃないかということで、主に黎明期、起業する前から起業して1年くらいに的を絞ってお話していきたいと思っています。


本城:
それでは講演者紹介からさせていただきます。

株式会社ヘキサドライブ・松下正和(以下、松下):
みなさんこんにちは!皆さん、もうかってまっか(笑)?こういう時大阪では「ぼちぼちでんな」と答えるのが常なんですけど、我々も6年目でボチボチやってます。東京と大阪でヘキサドライブという、比較的プログラマーの多い会社の代表をやっています。家庭用コンシューマーの開発を中心に最近ソーシャルのほうにも手を出し始めました。関西を盛り上げたいなということもあってGIPWestという組織も作って交流会なんかも開いています。今日は色々お話させていただきたいのでよろしくお願いします。


株式会社ホットティ―・保手濱彰人(以下、保手濱):
みなさんこんにちは。ホットティ―の保手濱と申します。私は今日いらっしゃっている社長さんの中では異色でして、学生時代に起業しました。もともとゲーム会社を作りたくて会社を作ったわけではなく、僕は非常に目立ちたがり屋なので、最終的に「世界一で一番すげー」と言われるようになりたかったので「じゃぁ、ベンチャーだ」ということで大学を中退して会社を作りました。ただ、会社を登記したものの仕事経験がなくて何をやっていいか全くわからなかったので、とりあえず、学生だし受験勉強を教えようというノリで塾を始めたという感じです。そこでいろいろ挫折とかあったんですけど、なんだかんだ塾をまじめにやって地域でそれなりのブランドをいて店舗も増えてきたというところで、どうしてもこのビジネスだけじゃ世界一にはなれないなと、塾だけでは儲からんなということで、じゃITだと非常に安直な感じでゲーム会社を始めました。2009年あたりからスマホが来るなというところで、スマホのアプリの開発に業態転換をして今はスマホゲーム一本に絞って、私が任天堂という企業を尊敬していますので、スマホのゲームで世界一になって任天堂を超えるような企業を作りたいなと思っています!


株式会社NAC・対馬健司(以下、対馬):
株式会社NACの対馬と申します。よろしくお願いします。うちの会社は全員グラフィックデザイナーの会社でして、ゲーム開発の中のデザイン部門を中心にやっている会社です。私は28歳まで異業種のサラリーマンだったんですけど、この業界に入っていろいろ苦労して35歳の時に起業しています。そこら辺のところを中心に皆さんのお役に立てる話ができればと思っています。


本城:
では最後にDrop wave本城の紹介をさせていただきます。私は神戸出身で、コンシューマーゲームのプログラマーをしていたんですが、どうしてもオンラインゲームが作りたくて2005年に起業しました。最初はコンシューマーの開発をやっていたんですけど、当初からオンラインゲームのサーバーの研究やデータベースの構築などを始めていました。すると、ちょうどここ2~3年でブラウザ・ソーシャルゲームのブームがきて、我々が持っている技術と市場が非常にマッチした状況になってきまして、オンライン・ソーシャルゲームの自社運営・開発と事業を広げまして、今従業員80名くらいで受託開発とオンライン・ソーシャルゲームの運営を半々くらいでやっている会社に成長しております。


◆1、起業すると決めてまずしたことは?


松下:
起業するに当たって仕事、お金、仲間、3つの計画がいるなと思いました。その中で特に一緒にやる仲間が一番大切で、仲間によって何ができるかが決まってくるんです。仲間を説得するために初めに仕事と場所を確保する必要があると思って、「こういう場所でこういう仕事ができるから転職しても立ち上げがスム―ズに行くよ」ということで、仲間を説得しました。

保手濱:
同じく仲間が必要だということで、当時大学生だったので大学に起業のサークルを作りました。当初は起業のサークルに入ってそこの人を誘おうと考えたけどなかったんですね。じゃあ、自分で作ろうということで大学構内で「起業サークルで世界一になろう」みたいなチラシ配りをして、ひたすら宗教の勧誘と間違われながら頑張って頭を下げ続けた時期がありました。


対馬:
僕は28歳でこの業界に入って特に何の根拠もないんですけど、35歳で独立しようと思っていました。やっていたのは人脈づくりですね。かといって計画的にやったわけではなくて、僕はわりと人づきあいが好きですので、結果的に35歳になったときに役に立ったのが人脈だったなと。今回のセッションでの出会いもそうですし、お金だけのつながりではない人脈を広げることが、今後の会社のためにも自分のためにもなると思っています。

本城:
ちなみに、今回4人のラインナップは僕と松下さんがプログラム系、対馬さんがデザイン系、保手濱さんが学生ベンチャー系ということで、あえて少しバラしている感じです。

僕が起業すると決めてからやったことは、とりあえず貯金を始めました。当時、残業代が出る会社にいましたのでフル残業して、ボーナスも貯めて、毎日お弁当を持って行ったり生活資金をギリギリまで切りつめて、1年半で300万くらい貯めました。同時にそれまで買っていたプログラムの参考書を経営と経理と営業の本に切り替えまして、ひたすら乱読しました。

松下:
結構まじめなテイストで始まる感じですね?

本城:
もっとくだけたほうが、いいですか?そういや、さっきめっちゃ対馬さん顔赤かったんですけど、お昼に飲んできたって……。講演前に飲む人初めて見ました。

対馬:
僕、1年間で300日くらい飲んでます。

◆2、仲間(創業メンバー)をどうやって集めた?


松下:
前の会社の同僚5人で始めました。自分の理想を持って「こういう会社を作りたいんで一緒にやりませんか?」と。一部上場企業だったので、そこを辞めて理想に乗ってくれた仲間にはものすごく感謝しています。そのメンバーが今でも残ってくれているというのは嬉しいことですね。創業1年後には早めに新卒募集を行いました。

保手濱:
僕はメンバーを集めるためにサークルを作ったんですが、こんな訳のわからない学生が作った訳のわからないサークルでしたので、全然人も集まってなかったんです。そんな中、ドリームゲートという起業支援団のコンテストで優勝することができまして、その時の優勝者はホリエモンのカバン持ちをさせるという企画があったんですね。そこにガイアの夜明けというTV番組の取材が入りまして、サークルの名前が一時的に売れていっぱい人が集まりました。でも、仕事経験がなかったのでせっかく集まった優秀な仲間が離れてしまったのは非常にもったいないことだったと思っています。僕は松下さんの話を聞くと非常にうらやましいと思う部分があって、やはり創業時に出るエネルギーっていうのがあると思っていて、そこで集まった仲間を逃がすのは非常にもったいないので、創業メンバーは絶対に離さないで一緒にやっていくのがいいと思います。


対馬:
うちの場合は当時在籍していた開発スタッフがほぼすべてなんですけど、弊社は離職率が非常に低くて今もそれらのスタッフが在籍しているんです。ほんとにみんなまじめに働いてくれて感謝の毎日で、これからも会社を成長させて喜びを分かち合いたいと思っています。

本城:
僕は退職時に同じタイミングで退職するスタッフに声をかけました。もともといた会社に迷惑をかけたくないというのが非常に強かったので、起業することも退職の日まで一切明かしててこなかった。創業メンバーの2人は今でも役員としてバリバリやってもらってます。あとは新卒採用をしていきたいというのがありました。サイバーエージェントの藤田社長の「渋谷で働く社長の告白」という本の中の「1年目から新卒採用して全員辞めたけど、2年目のスタッフは全員定着して企業のコアになっている」という話を読んだので、僕の会社も2年目から新卒採用を始めました。ありがたいことに今そのメンバーが半分くらい残ってましてコアメンバーとして頑張ってくれています。

◆3、キレイな会社の辞め方は?


松下:
なるべく早く、出来れば半年前に言うことですね。僕も半年前に言いました。1か月~2か月前に言うというのでも、世の中的にはOKなのかもしれませんが、それではプロジェクトの進行的には追い付かないですよね。会社を辞めても付き合いがある可能性は十分あるので、仲良くやれるような関係性を作ってから辞めるのは最低限の礼儀かなと思います。

保手濱:
僕の場合は全く参考にならないかもしれませんが、大学の辞め方です。大学は辞めても大学側や友達は何も言わないので、いかに親類に納得してもらうかだと思います。テクニックとしては徐々に諦めさせていくというのが重要かなと。僕の場合は非常に戦略的に休学と留年を重ねまして、1年から2年に上がる時に留年、2年から3年で留年、2回目の留年でお婆ちゃんが泣きました。その後に会社を作って、親類に諦めのムードが漂ってきたところで休学をして大学を辞めました。退学届を出した時に事務局に非常にそっけない対応をされたのが寂しい思い出です。

対馬:
会社作ってから辞めたんですよね?

保手濱:
留年して会社を作って辞めるという順番が重要かなと(笑)

対馬:
僕もやっぱり「なるべく早く言う」ということですね。お題と話外れるんですけど、28歳で業界に入る前に勤めていた会社の上司に「絶対後悔するぞ」と言われて、逆に「頑張るぞ」と思いました。

本城:
この業界はプロジェクト中に抜けると非常に問題が大きいので終わるまではきっちりつとめること。あとはお客さんを持っていかないこと。業界狭いですので。


松下:
余談なんですけど、前の会社の上司に「あかんかったら戻ってこい、そのかわり、大きくなって戻ってこい」と言われまして、大きいこと言うなと。

対馬:
ウチも戻ってくるスタッフが多くて、嬉しいですね。

本城:
僕は辞める時、部長さんに「今後ともお世話になると思うんでよろしくお願いします」と頭下げられてびっくりしました。

保手濱:
僕は大学に何も言われませんでした(笑)

◆4、創業時の資本政策(株・起業資金)は?


松下:
資本金1千万を個人で借りて1年くらいで返しました。大事なのは1千万を貸してくれる繋がりを作っていたことかなと。人とのつながりは力そのものです。株はお金を出されたからって他の人に株を持たれてもやりにくいと思うんで、基本的には僕が全部持っています。

保手濱:
僕は親族から500万借りました。そのお金を会社に出資して始めました。当時、塾というビジネスだったので、家賃15万くらいのところを借りて、僕と副社長の役員報酬が15万ずつ40万くらいの固定費で500万あれば1年持つというのがありました。創業メンバーのモチベーションを高めていくために株を分けることもあると思うんですが、結構、辞めちゃうことも多いんですね。その時に外部の人間が持つと面倒くさいので、自分も含めて会社を離れる時は株を会社に戻すということを契約しておくといいと思います。

対馬:
僕は350万から資本スタートしたんですけど、設立時から2000万の入金予定の仕事がありまして、それがあったので割とスムーズにスタートできました。資本金はあくまで資本金で、より重要なのは継続するビジネスの仕組み作りかなと思います。

本城:
貯金300万を全て使い、「俺達も入れたい」と言った創業メンバーにも各5%ずつくらい入れてもらいました。当時90%以上を同族で持っていると役員報酬が損金不算になるということで、90%以下になるように設定したのもあります。株は創業時に取引さんとかに株を渡すのは絶対に辞めたほうがいいと思います。それをやってその会社からの仕事を断れないで、延々と下請になっている会社があります。

日本政策金融公庫という銀行があって創業支援融資という制度があるんですが、資本金の200%くらいまでいきなり個人補償で貸してくれます。ようは300万貯めたら、ぺラ一枚10行くらい書けばいきなり300万貸してくれるんですね。しっかり作っていけば600万まで貸してくれますので、起業時に資本金を積むということはオススメです。僕の場合、何も考えずに資金が200万の時に会社を作ったので200万しか借りれなかったんで勿体ないことしたなと後悔しています。

◆5、最初のオフィスはどうした?


松下:
知り合いの会社に間借りしました。ただ、家賃とか光熱費は払いました。1年半から2年で手狭になってきたので新しいところに移りました。

保手濱:
僕はホリエモンとかサイバーエージェントの藤田さんとかにミーハ―に影響を受けて始めたんで、「ビットバレーだろ!」ということで渋谷のラブホテル街にボロいオフィスを借りました。「畳何畳から始めて大きくなった」みたいなのがかっこいいなと思ったので、出来る限りボロいオフィスを選ぼうとしました。ただ環境が劣悪すぎて、だいぶホコリがはげしくて半年するとぜんそくになってしまい、泣く泣く引き払いました。

対馬:
五反田の安い地下のオフィスを借りまして、2年目の更新時に今のオフィスに移りました。最初の安いオフィスで成長して仲間と喜びを分かち合うのはひとつ楽しみかなと思ってます。

本城:
夜行バスで毎週末東京に来て物件を探したんですけど、最初の取引先が新宿御苑でして、東京のことがわからなかったんで言われるがままに新宿御苑にしようと。7万くらいの6畳一間でいいやと思っていたんですが、取引先がバブリーな人で「ここいいじゃん!」と進められて25階建ての高層マンションを見に行ったんですね。20階に上がって景色みたらすごい感動してその場で決めました。ただ、想定予算の倍くらいでして、敷金がすごく高くて創業資金の三分の一くらいもっていかれました(笑)。自宅はギリまで切り詰めようということで、新宿南口の怪しいサラ金ビルの5階にある「お水外人大歓迎」と書いてある不動産屋で「この辺りで一番安いところを借りたい」と言ったら南阿佐ヶ谷に1万9千の3畳が出てきて、そこに荷物を放り込んでマンションに寝泊まりしながら仕事してました。ちなみに、マンションにはベランダがあったんですが、関西から友達を連れてきて「一緒にやろう」と誘う時に、そこで夜景を見ながらワインを飲んで「一発当てようぜ」と言うとほぼ100%落ちるという効果がありまして、あそこにしてはよかったなと。

◆6、税理士、労務士、弁護士はどうした?


松下:
自分達でネットで探したりして、話を聞いてフィーリングがあった方にお願いしました。今でもやってもらってます。

保手濱:
独学でやったので苦労しました。特に税務面はいろんなテクニックがあるようなので、特に利益が出るような時はきちっと税務士をつけた方がいいと思います。

対馬:
税理士と労務士をネットで探しました。たまたま良い方で今季7期目までお世話になってます。僕の場合税理士→社労士→弁護士という流れでしたね。税理士はどうしてもお金の話なので、始めから勢いでつけたほうがいいのかなと。人が増えてくると社労士の出番、仕事が増えてくると契約書不備みたいなものも増えてくるので弁護士に見てもらいました。


本城:
ドリームゲートに無料で税理士とミーティングさせてもらえる制度があったのでそこに相談しました。起業時の税理士は、会社を登記の際に入れたケータイ番号に直で営業電話がかかってきて、「月1万」というのでじゃあやってくださいと決めました。その方は3年くらいお願いしました。その後、会社が大きくなってきたのでちゃんとした税理士つけたいなと思っていたところ、コンサルティングの人が「是非知り合いを紹介します」と言うので会ってみたら、「大丈夫で?」という雰囲気だったんですね。髪ボサボサで服よれよれで。で、その方に切り替えて3期終わって税務調査が入ったら、もう無茶苦茶でして追徴で500万くらい食らったんです。自分の直感は正しいんだと思いました。結局、知り合いの社長さんから地元の税理士事務所を紹介してもらって一から見直してもらったんですが、税理士はコンサルタントではなく、実際成功している人から紹介してもらうのが一番です。

◆7、最初のお客はどうやって見つけてきた?


松下:
知り合い経由でお仕事をいただいたんですが、やっぱ全く知らない人から仕事をいただけるなんてことはよっぽどじゃないとありえないので、会社にいるうちに色々な方と知り合いになっておくというのが重要です。そこからは実績だと思うので、ひとつひとつ積みあげて信頼を得て行くのが大切です。

保手濱:
僕の場合、ビジネスが何故か塾だったので始めに非常に苦労した記憶があります。新しく出来た謎の学習塾に親が自分の子供入れるかって言うと入れないんですね。ひたすら駅前でチラシ配りをして頭を下げまくるという非常に大変だった時期がありまして、「俺、起業して最年少で上場して世界一になるハズなのに何で……」という人生で一番泥臭い時期がありました。でも、そのつらい経験のおかげで、どんなことがあっても大丈夫と思えるのは大きいと思います。

対馬:
最初はメールと電話で300社くらいに営業をかけました。そのうち仕事につながったのは2%くらい。今はお客様が他のお客様を紹介してくれるという循環になったので大分楽になったんですけど、最初は必死でしたね。

本城:
フリーのプログラマー時代にお世話になっていた人に知り合いの会社を紹介してもらって、WEBのプログラム開発を受けました。その仕事があって起業しました。最初はいろんなプロデューサーが集まる懇親会に参加して名刺を配りまくってひたすら営業しました。そしたら、ある大手ゲーム会社からフラッシュゲームの発注をいただいて、フラッシュはやったことがなかったんですけど、「できます」と。2日徹夜して作ったら「お前らすごいな」と言ってもらい、次は「20個を100万で発注していいか」と?普通であれば絶対断るんですけど、「やります」と言って2週間くらい全員徹夜して作りました。しんどかったですが、取引先に誰でも知っている会社名を書けたことで、次のお客さんをつかまえる時にラクになりました。

◆8、TOP(社長)として気をつけていることは?


松下:
スタッフが気持ちよく働ける環境を作りたいというのがありまして、それを実現するように日々努力しているんですが、なかなか理想は難しいところもあるんですが、トップとしては諦めずに理想を言い続けること、旗を振り続けることがすごく大切なのかなと。

保手濱:
スライドに自分が書いていることがすごく恥ずかしいんですけど(笑)。中二病というか。でも、僕は自分が尊敬されてスゴイって思われていることで人についてきてもらっているという部分があると思ってます。あの人に聞いたら正しいこと言うよね、筋が通っているよねというところで信頼されているのかなと。Twitterとかのプロフィールでも「天才」とか書いてるんですけど、これはネットだと偉そうだけど会ってみると優しいというギャップでいい人ポイントが高まるっていうブランディングをしております。

対馬:
それ今言っちゃったら台無し(笑)

保手濱:
「正直な人」みたいなポジションも狙っていますので(笑)


対馬:
ゲーム業界に入ってくる人ってその仕事がやりたくて入ってくる人だと思いますので、夢を描いて入ってくる人にいかに気持ちよく仕事をしてもらえるかということですね。クリエイターって、いくら高いお金を払ったとしてもやりたいことができていないとストレスが溜まってきてしまいますので、そういう職場作りには気を配ってます。

本城:
率先垂範ということなんですが、前職で強烈な経験がありました。前職は正社員が2割くらいしかない職場で、ひとつの開発室に正社員は僕だけでした。当時、飲食禁止というルールがあったんですが、ある日、どうしてもお腹が減っておにぎりを食べちゃったんですね。次の日来てみたら、みんな飯食ってるんですよ。それを見てびっくりして、こんなに見られてたんだと。いかに上司が背中を見られているかその時学びました。なので、会社を作ってからは誰よりも早く来て誰よりも遅くまで残って仕事をすることを心がけています。あとはベンチャーに入ってきた人というのは、会社の未来に不安を持ったりしてる人もいるんじゃないかということで、毎月1回、経営方針説明会というのをやって、社員全員の前で喋る機会を作っています。

松下:
朝イチで来てるのは僕もそうなんですけど、最近はなるべく早めに帰るようにしています。僕にとって会社はすごく居心地が良くて会社に居たくなっちゃうんですけど、僕が残ってるとみんな帰りづらいという空気を感じなくもないので。

本城:
それはありますね。会社の黎明期は社長が働くしかない感じなんで、安定してきたら早く帰ったほうが部下も帰りやすいかなと。

◆9、資金繰りで苦労したことは?


松下:
僕はプログラマーだったので営業経験もなく仕事を取るってことがよくわかってなかった。それでも、3年目まではあまり営業しなくても仕事が結構回ったんですね。でも、4年目に仕事がなくて会社的にも厳しい状況になりました。周りの先輩の社長さんからは「普段から回っておくのがいざと言う時の仕事に繋がるんやで」という話をされまして、営業の大切さを思い知りました。

本城:
保手濱さん、巻き気味でお願いします。

保手濱:
分かりました。巻きで僕の消費者金融の話だけしたいと思います。一番大変だった時は、禁断の果実に手を出したことがありまして、全く真似しないでいただきたいんですけど、200万くらいは借りられますね。4社くらい50万づつくらい。で、消費者金融が集まったビルに行くんですが、当時、武富士ダンサーズが売れていたので武富士に最初に入ったというのが非常に印象的でした。なので、マスプロモーションは重要だなというのがあります。


対馬:
キャッシュフローが一番大事なのかなと。PL(損益計算書)で黒字が出てても、突然キャッシュが無くなるということがあり得ますので、日々のキャッシュフロー管理が大事ですね。ウチも2年目くらいにキャッシュが余った時期がありまして、そこで安心してたらリーマンショックがきて半年くらい仕事が無くなって、そういう予期せぬことが起こりますので、キャッシュフローの予測は細かく見ていく必要があると思います。

本城:
アドバイスするとしたらですね、会社って報酬が入ってくるのが、1か月、2か月後だったりするんですね。その間も給料を払わないといけないのでお金を借りることになるんですけど、僕の場合、仕事を発注してくれても「翌月末入金じゃないと受けません」とはっきり言ってました。翌翌月末だというところも、そういう交渉をすれば断られることはほとんどないので、翌月末入金させることがポイントかなと思います。

本城:
最後にオススメしたい本、超巻きでお願いします。あ、僕から行きますね。

成功者の告白」という本です。神田昌典という、一部の起業家から絶大な支持を受けている方が、自分の体験談を小説テイストで書いてる本なんですが、これが会社が大きくなる過程でいろんなトラブルに巻き込まれるんですけど、起業する前に心の準備をしておきましょうという意味でオススメです。

松下:
僕も起業時に本を読んだのですが、本よりも先輩社長さんの生きた言葉の方が刺さったので、逆に社長をつかまえて聞くというのが一番固いと思います。


保手濱:
一番下の「追われ者」という本です。これはクレイフィッシュというITバブルの時に有名になった上場企業の話なんですが、20代でベンチャー作って上場して、その後某大手企業の戦略で追い詰められて社長を追い出されて買収されてしまうという非常に明と暗がはっきり描かれた本で、当時の社長さんの心情が体感できますので、「こんな大変な人がいるんだったら俺まだ大丈夫だ」と精神安定にも繋がります。


対馬:
一番下の「社長の教科書」という本です。私、頭が良くないので難しい本を読んじゃうと眠くなっちゃうんですが、これはわかりやすく簡単に書いてありますのでオススメです。

・関連記事
「一つでも多くの作品を残して死にたいです」サイバーコネクトツーと松山社長のすべてがわかるインタビュー完全版 - GIGAZINE

アニメ作りは少しでもいいものを届けたいという気持ちと経営とのせめぎ合い、社長3人が語る「アニメ制作会社代表放談」 - GIGAZINE

「まったく新しい人類の進化に立ち会うんだという感覚」に、GREEの田中社長がソーシャルゲームの先に見るもの - GIGAZINE

紙と電話を一切無くして社員満足度全国No.1の会社にする方法をEC studio社長にインタビューしてみました - GIGAZINE

in 取材,   ゲーム, Posted by logc_nt