サイエンス

睡眠が不十分だと将来、介護施設行きになる確率が増加する

By Gabriela Camerotti

睡眠は健康状態に大きく影響を及ぼしますが、不十分な睡眠は老後にナーシング・ホーム(心身の障害のため介護・看護を必要とする人が援助を求める施設)に入るリスクを増加させることが新たな研究で明らかになりました。

Poor Sleepers More Likely to End Up in Nursing Homes | MyHealthNewsDaily.com
http://www.myhealthnewsdaily.com/2865-sleep-disturbance-nursing-homes.html

これまでの研究は、睡眠障害を高齢者の能力不全や日常生活動作の障害や流動性などと関連づけていましたが、この研究では因果関係はまだ明らかになっていないものの、高齢者の睡眠が不十分なこととナーシング・ホームに入ることとの間に関連があることを発見しました。研究者たちは、高齢者の睡眠障害を治療することは彼らの身体能力を改善し、施設に入るリスクを減らすと確証しています。

By DerrickT

ジョンズ・ホプキンズ・ブルームバーグ公衆衛生大学院のAdam Spiraさんとその同僚は、まず平均年齢83歳のナーシング・ホームに住んでいない1600人以上の女性の情報を分析しました。被験者は手首にアクティグラフ(少なくとも3日間、着用者の体の動きを測定し、着用者が寝ているか起きているかを知ることができるというデバイス)を着用したところ、彼女たちは一夜あたり平均7時間近くベッドで過ごし、最初に深く寝入った後に合計で約1時間はベッドの中で起きていた(覚醒状態にあった)という結果が出ました。そして5年後、女性たちがナーシング・ホームや介護施設に入っているかどうかを追跡したところ、夜間に目覚めている時間が長かった女性(約2時間の覚醒)は、目覚めている時間の短かった女性(約30分の覚醒)よりも、ナーシング・ホームで暮らしている傾向が高かったとのこと。

By aerodesign.pl

この関連を説明するにはいくつかの方法があると研究者たちは言っています。アルツハイマーなどが原疾患となり、睡眠時間を断片的にしたり、ナーシング・ホームに入居する必要性を引き起こしていると言うこともできるし、また高齢者が眠らない時、高齢者の世話をする人がストレスを増加させてしまい、ナーシング・ホームに高齢者が入るという結果を招くのだと言うこともできます。しかし最終的には、不十分な睡眠は身体機能の低下と関連し、体の炎症を起こしやすくさせるということです。

By blue.sky photography

なお、睡眠障害が施設に入ることとどのように関係あるのかを理解するためには更なる研究が必要だとのこと。

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log

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