消費電力93%減・書き込み速度11倍になるSSD+ReRAMのハイブリッドSSD技術が登場

By IntelFreePress

抵抗変化型メモリ(ReRAM)とフラッシュメモリを組み合わせることで性能や寿命を飛躍的に高めたハイブリッドSSDアーキテクチャが、中央大学理工学部の竹内健教授によって開発されました。消費電力が93%削減されるため、このハイブリッドSSDをスマートフォンに搭載すれば大幅にバッテリー稼働時間を延ばすことが可能になります。また、データセンターではSSD交換頻度が減らせるのでコスト削減も期待できます。

なお、トップ画像はあくまでイメージであり、これが実物というわけではありません。

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VLSIシンポジウムで発表するSSDを日経Tech-Onに報道して頂きました「性能11倍、電力93%減、寿命7倍のハイブリッドSSD技術を中央大学の竹内教授らが開発」 - 竹内研究室の日記

リリースによると、竹内教授はReRAMとフラッシュメモリを3次元に組み合わせたハイブリッド構造のSSDアーキテクチャを開発したとのこと。合わせて、SSDに書き込むデータのサイズや書き換える頻度などの特徴を把握した上で、書き込むメモリの領域を最適に制御するシステムも開発。これによって、メモリの断片化が抑制され、SSDの性能を全体的に高めることができます。この研究結果はVLSIシンポジウム2012で発表が行われました。

現在、SSDには大容量のNANDフラッシュメモリが用いられていますが、NANDフラッシュメモリは書き換えに1ミリ秒かかります。一方、ReRAMは書き換え速度が50ナノ秒と高速なのが特徴です。そのため今回の研究では、256GBのNANDフラッシュメモリに対して8GビットほどのReRAMをキャッシュ兼ストレージとして用いるハイブリッド構造SSDを提案。小さなデータの書き換えをReRAMが担当することでSSD自体の性能を高めたほか、低消費電力化と寿命の大幅改善も実現しました。メモリ制御システムとあわせて、エミュレータ上で動作させた結果、SSDの書き込み性能は11倍、消費電力は93%減少、書き換え寿命は6.9倍に伸びたことが確認できました。

コレがReRAM


ハイブリッドSSDはこのような構造になります


ちなみに、このハイブリッドSSDでは上記のようにNANDフラッシュメモリへの書き込みをReRAMが分担しているため、ReRAMが酷使されることになるわけですが、書き込み回数で見るとNANDフラッシュメモリの30倍程度だったことがわかりました。NANDフラッシュメモリの書き換え回数が3000回であれば、ReRAMは約10万回の書き換えが行われることになりますが、これは従来ReRAMの要求値と考えられていた水準よりもかなり低いもの。竹内教授は、ReRAMをこういった用途で利用していくのであれば、信頼性や高速性の改善よりも、微細化を進めて大容量化・低コスト化を実現した方がよいと指摘しています。

通常のSSD(左)とハイブリッドSSD(右)とのデータ断片化の結果。緑色が有効データ領域で、通常のSSDだとフラッシュメモリ全領域に断片化していますが、ハイブリッドSSDでは頻繁に書き換えのあるデータや小さなデータはReRAMに記憶されるので断片化が抑制されます。


データセンターのようにSSD交換が必要となってくるところでは、寿命が7倍に伸びれば単純にコストは1/7になるわけなので、現状ではコスト高なReRAMを利用しても十分に元は取れるとのこと。

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