サイエンス

スマホやノートPCのバッテリーが長持ちする「トランジスタの理論限界を突破」、消費電力が10分の1以下へ

By james4765

ノートPCやスマートフォンのバッテリー持続時間を大幅に伸ばせるかもしれない新型トランジスタが開発されました。このトランジスタは従来に比べて消費電力が10分の1以下、回路面積も4分の1になるとのことで、特にスマートフォンのパワーアップが期待できそうです。

トランジスターの理論限界を突破 次世代省エネデバイス実現へ
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20120613-2/index.html



(PDFファイル)トランジスターの理論限界を突破 次世代省エネデバイス実現へ (情報科学研究科 教授 福井孝志)(PDF)



科学技術振興機構(JST)さきがけ専任研究者の冨岡克広さん、北海道大学大学院情報科学研究科の福井孝志教授らが、従来のトランジスタの理論限界を大きく下回る新型トランジスタの開発に成功しました。

「トランジスタ」とは電子の流れを電圧で制御してオンオフするスイッチ素子のことで、パソコンのLSIやマイクロプロセッサの半導体集積回路の基礎部分で使われています。これまではこのトランジスタを小さくして集積度合いを高めることで、半導体集積回路の高性能化、低消費電力化、低コスト化を実現してきました。しかし、スイッチに使われない電流が漏れるリーク電流や、トランジスタのサブスレッショルド係数に理論限界(60mV/桁)があるため、低消費電力化は限界を迎えており、回路内の消費電力は増えてきていました。


今回、冨岡さんや福井教授らのチームでは、電流のリークを抑えることに成功。また、サブスレッショルド係数21mV/桁という理論限界を超える値を達成しました。

この技術の実現によって、現在の集積回路に比べると、全体の消費電力は10分の1以下に低減することができるようになるとのこと。パソコンやスマートフォンなどのバッテリーは回路の消費電力が減ることで持続時間が伸び、家電製品は待機電力を大幅に減らすことができるというわけです。

By hongiiv

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in モバイル,   サイエンス, Posted by logc_nt

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