わずか0.5秒の間に超高速で処理される証券取引を映像化したムービー


0.03秒だけ早く市場情報を得ることによって巨額の利益をゴールドマンサックスなどが得ており、超高速で演算処理できる高性能コンピューターによる「フラッシュオーダー」と呼ばれる手法が非難されて規制が検討されたことがありましたが、2013年5月7日(火)にニューヨークで開催された「The WIRED Business Conference」でNANEXの創設者でありCEOのエリック・ハンセイダー氏のプレゼンテーション中に0.5秒の間に高速で行われる証券取引を映像化した「Nanex ~ Order Routing Animation ~ 02-May-2013 ~ JNJ」というムービーが登場しました。たった0.5秒の間に行われる証券取引の量はすさまじく、証券取引所の真の姿を理解できます。

Nanex CEO Eric Hunsader: Flash Trading Detective - FORA.tv
http://fora.tv/2013/05/07/Nanex_CEO_Eric_Hunsader_Flash_Trading_Detective_Work

0.5秒間に高速で処理される証券取引の映像は以下のムービーから確認できます。

Nanex ~ Order Routing Animation ~ 02-May-2013 ~ JNJ - YouTube


この映像は、2013年5月2日に行われたジョンソン・エンド・ジョンソンの取引の様子を映像化したもの。


画面の一番下に表示されているのが東部アメリカ時間で、画像では取引開始時間の午前9時37分56秒125ミリ秒となっています。


時間の上にある白いラベルのボックスには最高入札を表示しており、午前9時37分56秒125ミリ秒の最高入札は53。


赤や緑色などのラベルの円形に並んでいるボックスは、アメリカ国内にある各証券取引所です。


各証券取引所が入札すると、シューティングゲームの弾のようなものが打ち出され、他の取引所に届けられます。


取引開始直後から各証券取引所が一斉に入札スタート。


各取引所は入札しまくりです。


取引開始から0.02秒で最高入札は500に到達しました。


最高入札が500に到達しても一向に収まる気配を見せない入札。


取引がスタートして0.147秒後、ついに最高入札は2000を突破。


2000を突破しても入札は止まることなく、発射されています。


取引開始から0.209秒後、最高入札が2284になった瞬間……


入札の数がガクッと落ちました。


その後入札に大きな動きはなく、各取引所は2、3回ずつ入札してはストップするという状況が続きます。


これ以上戦争のような入札の応酬はなくムービーは終了。ムービー全編の長さは6分近くありますが、これだけの量のデータのやりとりが実際には0.5秒で行われており、最初の数ミリ秒ですべてが決まってしまうわけで、もはや超高速演算を可能にするIT技術なしの取引はあり得ないと言っても過言ではないレベルです。

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in 動画, Posted by darkhorse_log

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