ソフトバンクがPayPalと戦略的提携、「日本の決済を変える」新会社を設立へ


本日ソフトバンクが新規事業戦略発表会を開催し、PayPalと戦略的提携を行い、50%ずつの合弁会社「PayPal Japan(PayPalジャパン)」を設立することを発表しました。これによって、オンライン決済とオフライン決済のNo.1を目指し、日本の決済を変えていくとのこと。

ソフトバンクとPayPalが合弁会社を設立~グローバルモバイル決済ソリューション「PayPal Here」を発表 中小規模事業者における、クレジットカードやデビットカード、PayPalによる決済を実現~ | ソフトバンク株式会社

記者説明会 | ソフトバンク株式会社

会見にはソフトバンクの孫正義代表取締役社長のほか、eBay Inc.のジョン・ドナホー社長兼CEO、PayPalのデイヴィッド・マーカス代表、ソフトバンクモバイルの喜多埜裕明取締役常務が出席しました。

発表において孫社長はこのPayPal Japan設立が日本の決済市場を変えるための会社であると説明しました。


孫正義:
ソフトバンクとPayPalの戦略的提携、新しいジョイントベンチャーについて発表させていただきます。今日の発表はソフトバンクとPayPalの50-50の合弁会社「PayPal Japan」を作るという発表です。


これは、日本の決済市場を変えるという目的のために作られる会社です。インターネットでの買い物はeコマースでの支払、あるいはコンテンツ、音楽やゲーム購入においてもオンライン上で決済されます。一方、これまでオフラインの世界では一般のお店での支払をするというのは、ネット業界とは直接関わっていませんでした。しかし、時代は大きく変わろうとしています。オンラインとオフラインが融合して、双方がお客を誘導しあい、支払も一体化される世界がやって来ます。この支払の市場において、いずれのNo.1も取りたいと思っています。


イーベイはアメリカやヨーロッパで広く展開し、ネットオークションやeコマース世界のNo.1として実績がありますが、支払い方法としてPayPalを使うということから決済手段としてPayPalが今や世界No.1となっています。ソフトバンクグループとイーベイグループのPayPalとの提携によって、最強の連合が誕生したという風に思っております。


ご存じかと思うが、PayPalはオンライン決済において1.1億アカウントを持っており、現在も急成長しております。PayPalはこの分野の世界のNo.1で、すでに190の国と地域、25の通貨に対応しています。


オンライン決済は、従来であればお客さんがYahoo!ショッピングで買い物をしたり、Amazon.co.jpで買い物をしたりすると、それぞれ異なったアカウントを作らなければならないということがありました。


ネットゲーム、音楽、いろいろなものがありますが、欧米では既にPayPalのアカウントを1つ持っていればあらゆる場所の支払いができるというように、便利になっています。何回もクレジットカードの情報を入れなくても済むということができあがっています。これを日本においても、支払の一括口座のような形で、PayPal Japanに口座を開けば、あらゆるものへの支払ができるという形になり、お客様の利便性が飛躍的に向上します。


日本のオンライン決済のデファクトスタンダードができあがります。これに加えて、PayPal Japanの口座を開くと、オンラインの世界だけではなく、一般のコーヒーショップ、レストラン、ブティックでも、決済ができるという形になります。


今まで日本はクレジットカードにおいて、後進国でした。韓国、アメリカ、イギリスなどはすでに60%近くの支払がカードで行われているが、日本はまだ12%しか使われていません。多くの人がカードは持っているが現金で支払っています。


なぜかというと、現金しか受け付けないお店が全体の3/4で、クレジットカードを受け付けているお店が1/4だからです。クレジットカードを利用できるお店が少ないので、ポケットに現金を入れておかなければいけない。


クレジットカードを使える店がなぜ少ないのかというと、いくつか理由がありますが、まずは導入コストが10万円ぐらいします。カードリーダーが高すぎるということです。また、回収期間も15~30日かかります。さらに決済手数料もかかる三重苦があって、中小のお店においては非常にハードルが高すぎるということになっていたわけです。これを、限りなく安くしましょうということです。


具体的なコストは後ほど説明しますが、スマートフォンがこれを一気に変えてしまうということです。


スマートフォンがクレジットカードを店舗に導入する入口となることで一気にコストが下がります。スマートフォンさえ持っていれば、「PayPal Here」というアダプタをヘッドフォンジャックに挿すだけで、これがクレジットカードリーダーになるということです。導入コストは非常に安く、回収期間も即時になる、決済手数料も今までよりも安くなるということで、今まで中小のお店では現金しか受け付けなかったものが、気軽にクレジットカードやPayPalアカウントから支払うことができるようになります。カードを持っている人はカードリーダーを使えるし、カードを持っていない人でも使えるようになります。持っていない人がどうやって使うのかはのちほど。


ソフトバンクはスマートフォンで圧倒的No.1ポジションにあり、営業能力があります。店舗へカードリーダーを配る能力、お店を開拓する能力は、ソフトバンクグループが責任を持ってやります。店員さんや店長さんに使い方の説明までする。ついでにスマフォを売るということも当然あると思います。


ソフトバンクの法人営業部隊がこのクレジットカード端末、そして三角形のアダプタを配って、10万件、100万件とどんどんと増やしていきたいと思っています。もしお店にうちの法人営業部隊が来なくても、ソフトバンクショップに来れば、自分でこのアタッチメントを購入できる。すると、自分のお店が即クレジットカード対応になる。


消費者メリットは何かというと、速い、安心、便利ということ。オフライン世界でも速い、安心、便利が実現できるようになる。


店舗側メリットとしては来店客の増加、客単価の向上です。「現金を持っていないから、もう1品頼みたいけれどやめておこう」と考えていた人に、そのもう1品が売れるということです。


日本の中小小売店舗の活性化をしたいということです。


ソフトバンクとPayPalを足すことで、消費者のライフスタイルを変える、小売店のビジネスモデルを変える。オンライン決済No.1、オフライン決済No.1へ。


さらにeウォレット、電子お財布アプリを増やしていきます。ソフトバンク、Yahoo!、PayPal、我々のグループの力を結集して電子財布アプリを増やします。そうすると、個人の家計簿も電子的に管理できるようになるし、電子ポイントなどその他のモノも使えるようになる。「O2O」、オンラインtoオフライン、これが新しい業界のキーワードです。B2CやC2Cという言葉がありますが、オンラインの世界からオフラインの世界に、ということです。


今まではオンラインで情報を見てそのままオンラインで購入、オンラインで情報を見てあとでオフラインで買うというケースはあっても、オフラインの世界の人からはありがたがられていないという現状がありました。これからはオンラインで発見し、実際の店舗で購入し、決済まで行う。そういう世界がやって来るというわけです。


アメリカはO2Oの世界なので、全体の5割がO2Oです。しかし、日本はまだ2割ぐらい。これがアメリカのように5割の世界になっていくと思います。


ソフトバンクグループにはYahoo!やUstream、ITmediaなど900社があり、この大半が日本ですが、これらの会社の集客能力、ユーザー数は1億ユーザーを越えていて、日本最大のネットユーザーを持っています。そこでお店にO2Oを導入し、技術として、ビジネスモデルとして、PayPalが合体することで、PayPal Japanはジョイントベンチャーとして生まれ変わります。日本では開拓がこれからというO2Oの世界ですが、圧倒的No.1を取りたいと思っています。


これからは若者が現金を持たなくても買い物ができる、1つの口座で安心して自由に支払ができる新しいライフスタイルの提案をしていきます。


ジョン・ドナホー:
イーベイ2万7000人の従業員を代表して御礼を申し上げます。最初に今日はPayPalにとって記念すべき日です。PayPalの歴史初のジョイントベンチャーを行った理由は、1つが日本をさらに重要な市場であると再確認したこと。グローバルペイメント会社として、日本でも1番を取らなければなりません。もう1つは、我々の中で日本でソフトバンク以上のベストパートナーがいないということです。パートナーシップを結べることを嬉しく思います。


我々が世界の決済をどう見ているのかをご紹介します。イーベイでは190の国と地域にPayPalと共にeコマース、ネット事業を運営しています。この中で、革新的な変化がお客様の中で起こっています。我々は今、まさに転換点にいます。

このあと変革があるであろう店舗での支払、決済は数年のうちにさらに変化し、それが20年続くと考えています。この中で4つのトレンドがあると思います。それはモバイル、ローカル、ソーシャル、デジタルです。


孫さんがお話ししたことですが、スマートフォン、モバイルデバイスが非常に重要な位置を占めています。非常に大きな衝撃を市場に与え、オンラインとオフラインの境界をなくそうとしています。たとえば検索で、実際に買う前にどういった商品が必要か再度確認したり、ネットを通じてどこのお店で買えるか調べたり。だんだんとeコマースとリテールの中で「e」が落ちて、コマースという全体で表せるようになってきました。


お客さんはシームレスなショッピングを望んでいて、簡単、簡便に済ませたいと考えていることは明白です。事業者はお客さんの行動を受け入れられるようにしなければならず、技術の革新を受け入れなければなりません。小規模な店舗でも、ネットに力を注がなくてはお客さんを呼び込めないことが分かってきました。ネットで集客が取れる。ここが小売店にとっての大きな転換点になったと言えます。

イーベイでは、世界の中で大規模、小規模のそういったお店のお手伝いをしていきたいと考えています。PayPalは190の地域、25の通貨に対応、1180億ドルの取り扱いがあり、PayPalには1億1000万のアクティブアカウントがあります。そのうち半分以上はアメリカ以外で、本当の意味で世界のネットワークと言えると思います。


今後、PayPalをNo.1にするためにソフトバンクの流通力も借り、デジタルの決済システムをオンライン、オフライン、両方で提供していきたいと考えています。


デイヴィッド・マーカス:
商取引は変革していくでしょう。ドナホーからも発言がありましたが、PayPalはデジタル決済なのですべてのチャネルで利用できます。


今日、接続の中で中心的な役割を果たしており、クレジットカード情報を照会することなく利用ができます。メールアドレスがある人、電話がある人が使うことができ、色々な決済方式での利用が可能です。


PayPalでもモバイルは非常に重要な戦略で、取扱高が伸びてきています。ここ4年で50倍、昨年は70億ドル(約5600億円)でした。この速度はまだ加速していくと思うし、日本でも加速すると思います。オフライン世界への進出も大きな波となっています。


日本における134兆円もの市場は魅力的です。小規模事業者数が500万ありますが、そのうちクレジットカードを受け入れているのはごくわずか。受け付けられないからといって、販売機会を失うことはして欲しくないのです。状況を変えたいと思っていて、そのための革新的な商品を私達が提供したいと思っています。

これが「PayPal Here」です。シンプルなデバイスで、私たちがデザインしました。これを取り付ければスマートフォンでクレジットカードを扱えます。カード読み取りは簡単です。これは小規模事業者のために完全なソリューションで、PayPalでの決済受付も可能です。


コーヒーショップの事例。お客さんがコーヒーを買いたいとします。


お店側はスマートフォンにPayPal Hereをセット。登録していた商品を選択して、その代金を表示します。


お客さんはクレジットカードをデバイスに通して、代金を確認。OKならサインをしてボタンを押すだけ。代金はお店のPayPalアカウントに即入金されます。


日本の中小事業者は雇用の70%を創出しています。そういう企業が販売機会を失うことがないようにする、それがPayPal Hereです。多くの決済手段が扱えるようになります。クレジットカード、現金、メールでの請求書発行、PayPal決済も可能です。


PayPal Hereを使えばこれまでのような支払がなくなります。自動チェックイン機能を使えば、財布もスマートフォンも出さずに決済できます。なじみのお店であれば顔パスが可能ということです。


これまでは中小業者にとってクレジットカード決済というのは月額使用料などお金のかかるものでした。しかも入金があるのは多くて月1回か2回。そんな状況では、わざわざクレジットカード対応にする意味がありません。中小事業者にとっては、すぐに資金を回収できることが大事です。PayPal Hereなら、カードを読み取ったらその代金が即座にアカウントに振り込まれます。手数料は5%で、初期費用や月額費用は一切ありません。モバイルアプリも無料で、カードリーダーは想定1200円前後となっています。決済料の5%の手数料を支払うだけで、何百万という中小事業者がクレジットカードを扱えるようになります。


PayPalは業界最高のセキュリティを誇ります。合弁会社は決済市場を大きく変革することになり、日本の支払、決済の在り方も大きく変わっていくでしょう。まずは一部の事業者に提供を開始し、数週間でショップ販売を行います。事業者はPayPal Hereへhttp://www.paypal.jp/hereから登録可能で、デバイスは数週間後に届けられます。PayPal Hereによって、中小事業者のオンライン、オフライン、モバイルでのシームレスな決済が可能になります。


喜多埜裕明:
私からは提携概要をまとめたものをご紹介します。「PayPal Japan」、正式名称はこれから正式決定です。出資比率はソフトバンクとPayPalで50%ずつ、両社10億円ずつ20億円を出資します。


私はもともとYahoo!にいましたので、その経験を新会社に持っていきたいと思います。今後、お店の人、消費者の人に便利で良かったと思ってもらえるものを提供していく、そうすると自然と会社も盛り上がっていくだろうと考えています。日本の決済市場をこのジョイントベンチャーで変えていくということを全力でやっていこうと思っています。


◆質疑応答
日経新聞:
PayPalの日本での収益は?また、日本はおサイフケータイなど決済市場がちょっと変わった形で進んだ面もあり、NFCをめぐった動きもあるが、PayPal Hereとの競合についての見解は?

孫:
どのぐらいの金額とかいうのはこれからやってみないとわからない部分はあるが、5年10年先においてはお財布を持ち歩くのはかっこ悪いという時代が来るのではないかと。新しいライフスタイルの中で、我々が業界標準のポジションになるのではないか。

明日からテスト添付が始まり、7月から本格的店舗導入が始まる。おサイフケータイは少額で使用されることが多く、お金を入金するのが面倒だったりする。端末を乗り換えると残金を移したりしないとけいない。現実には大して使われていないというのが実態ではないかと思う。PayPal Hereの世界ではクレジットカード機能がそのまま使えるので、何万円でも何十万円でも使える。もちろん100円でも200円でも使え、支払の幅が広がる。クレジットカードだけではなく、オンライン上に持っているPayPalアカウントからの支払もできるし現金でも受け付けられるので、店舗にとっては、最低でもクレジットカードリーダーが10万円、POS管理となると何十万、何百万かかっていたものが、スマフォを使うことで1回1200円でリーダーを買うだけでPOSレジが手に入り、顧客管理もできる。お客さんは顔パスでコーヒーが飲め、服が買えるようになる。従来の、ガラパゴス的に発生したおサイフケータイは一時的なビジネスモデルだったと、5年後10年後には言われるのではないか。

日刊工業新聞:
1点目、合弁会社の設立日は?

喜多埜:
いま協議中で、正式に何日とは決まっていません。

日刊工業新聞:
7月に本格展開とあったが、そのあたりには設立?

喜多埜:
そのあたりを目処に考えています。

日刊工業新聞:
ソフトバンクの儲け方について。決済手数料5%が合弁会社の売上となって、それをレベニューシェアするということ?

孫:
両方の親会社はあくまでも合弁会社を成功させるということに全力を挙げる。合弁会社が収益を上げて、将来、日本の市場で上場すると、Yahoo!JAPANのような存在ですね、利益を吸い上げるのではなく、あくまでも日本の支払手段の圧倒的No.1になって、そこが利益を上げて上場するという形になると考えています。

日刊工業新聞:
合弁会社の収益源は手数料とアダプタ販売?

孫:
アダプタ販売で儲けようというつもりはまったくない。アダプタは中にICチップが入っていて暗号化したりその他優れた機能が入っているので、それなりのコストがかかっている。あくまで5%の決済手数料の収入があり、そこからクレジットカード会社に手数料を支払った差額がビジネスモデル。

日刊工業新聞:
3点目、孫さんの説明で関連アプリを出すと言うことだったが、たとえば?

孫:
PayPalの電子財布が用意されていて、中に今持っているVISAカードやマスターカードが電子的に入っていて、ポイントカードなど、お客さんの持っているものが入る。そのアプリで食費にいくらかかったかなど、自分の家計簿のようなモノも管理できるようになっていくということです。そういった便利なアプリが続々と出てくる。

日経新聞:
PayPalに2点、喜多埜さんに2点。1点目、提携に至ったきっかけ。いつから話をしたのか、PayPalからのラブコールなのか、ソフトバンクからなのか?2点目、JCBカードは当面使えないとあるが、いつごろから使えるか目処があれば。3点目は喜多埜さんに。決済トラブルがあったときの保証、保険、救済策はあるか?4点目、トランザクションが確実に流れていくのか、勘定系ということになるので、どのように担保していくのか。

孫:
1点目は私から。ちょうど2ヶ月半ほど前に私がイーベイさんを訪問して、そのときは雑談的なもので「機会があれば一緒に色々やりたいね」ぐらいの話だった。もともとイーベイとソフトバンクは日本市場で過去に競合して戦いをして、中国でもアリババとイーベイとで戦いをして、両者の歴史は競合相手だった。敵をよく知ることで好敵手として尊敬するようになることはあることで、イーベイが優れた会社だということで、機会があれば一緒に業務提携したいねという話をした。過去、イーベイが日本に参入するとき、当時のCEOと僕が合弁会社でやらないかという話をしていてギリギリまで可能性をさぐったが、結局は別々にやることになった。中国でも同じようなケースを経た。そもそもイーベイがアメリカで上場する前、ソフトバンクから出資したいという話をしたこともあって、3回機会があって、3回とも提携はならなかった。今回、4度目の正直で話をしていたら、実は今準備中のものがあるから一緒にやろうかと話が盛り上がり、この2ヶ月で一気にこぎつけたということです。

マーカス:
追加でコメントです。交渉をして初めてわかったが、両社とも同じような思考を持っている。PayPal Hereを日本に導入する目的は、日本が世界最大の経済大国の1つだからだが、クレジットカード利用率が低い。そこに孫社長が訪問してきて、それで日本で展開することをまとめた。JCBカードだが、現在、鋭意取り扱いに向けて取り組んでいます。具体的な日付はお知らせできないが、実現します。

喜多埜:
その点について補足です。私はYahoo!にいたときJCBとの提携発表をした。今回もこの発表をさせていただいて、JCBとご一緒できないかということは、私からもお話をさせていただこうと思っています。トラブル時の保証について、現在もPayPalは世界、日本でオンライン活動をしているが、オフラインはこれからのビジネスになる。Yahoo!オークションがそうであったように、状況を見ながら日本向けプログラムも必要があれば考えていこうと思っている。基本は世界でPayPalが行っている仕組みをそのまま取り込んで、日本で必要なものがあれば相談しながら決めていきたいと思っている。

トランザクションの確実性は、PayPalは非常にしっかりした会社なので大丈夫だと思う。先行事例があるので、Yahoo!JAPANがYahoo!Inc.のサービスを見習ってやって来たように、起こる問題があるとすると、先行の部分で先にわかるというメリットもあると思う。確実にトランザクションが通るように、私としてはやっていきたい。

孫:
PayPalのような機能に似たようなものを作ることはいろんな会社ができると思うが、10兆円もの取引金額をすでに流しているのがPayPal。1億人の口座を持ち、取引金額として年間10兆円も取引している。そこはセキュリティや暗号化、店舗のクレジットチェックなど、お金が絡むモノなので、重要な部分となる。PayPalには実績の積み上げがある。トラブルを既に経験し、プロテクトするノウハウが蓄積されているというところが決定的違いなのではないかと思う。

野村証券
3点、この話はたまたま始まったとのことだが、ソフトバンクグループというとYahoo!JAPANがアスクルに出資していたりして、コマースへの取り組みを強化しているということか。PayPal Here事業を開始するということだが、合弁会社にはその他のPayPalの事業はどうかかわってくるのか。3点目、お店側でスマートフォンを所有することが前提だが、店員やオーナーの個人用を転用するのか、ソフトバンクが配布するのか?

孫:
アスクルとの業務提携もあったが、ソフトバンクグループとしては、行う事業では全てNO.1を目指すという思想。eコマースでもAmazonや楽天をはるかにしのぐ規模と内容のものにするという強い決意を持っている。アスクルとYahoo!JAPANの提携は、両方足せばすでに楽天さんと同等、あるいはそれ以上という規模になるので、一気にeコマースの世界でもno.1に躍り出るようにしたい。トータル戦略から見て、決済手段を持ち、コマースもNo.1、O2OでもNo.1を構築。グループ戦略上は欠かせないものになると考えている。eコマース、o2oの世界のトータル戦略の重要な一環である。ただのジョイントベンチャーではなく、合弁会社は我々にとって欠かすことのできない戦略的位置づけ。なので、グループを代表して発表に望んでいる。イーベイとしても欠かせないものなので、本社CEOが同席している。

PayPalはHereだけではなくオンラインのPayPal Japanがすべて統合した形、PayPal Japanがすべて合弁会社に切り替わる。O2Oだけではなく、すべてがジョイントベンチャーに切り替わる。

スマートフォンについて、小さいお店の話もあったが、大きなお店でもレジに並ぶのに待たなければいけない。一方、店頭には店員が何百人もいて接客している。テレビ売場、冷蔵庫売場などでは、そこで価格の交渉をしたりするが、その場で店員が持っているスマホにPayPal Hereがささっていれば、その場で決済できる。並ばなくてもよくなる。レストランでもレジに並ばず、店員がテーブルに来たらそこで決済が終わる。待たなくても良くなる。中小店舗中心に説明をしたが、大型店でも広がっていくのではないか。そういう意味で、スマートフォンは誰でも持っているという状態になるので、アダプタをそれぞれ個人で持っていればその端末が業務端末になるだろうし、店側が業務端末として配ることもあるだろう。

以上で発表会は終了。この決済システムはスタンダードになり得るのでしょうか……?

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