レビュー

無料であらゆるファイル再生可能&コーデック不要なプレイヤー「VLC」


Windows・Linux・Mac OS X、加えてiOSやAndroid、OS/2、Solaris、FreeBSDなどのBSD系、QNX、Syllableなどでも動作し、MPEG-2/H.264/DivX/MPEG-4/WebM/WMVなどの各種ムービーファイルの再生が可能、さらにDVD・CD・VCD・Blu-Rayも再生でき、ウェブカメラなどのストリーミングも再生可能、マルチコア対応やGPU再生支援によるHDや10bitsムービーの軽い再生も可能、しかも完全に無料で利用でき、スパイウェアや広告の類は一切なし、ユーザーを追跡するような仕組みも一切ないのが、オープンソースでクロスプラットフォームなマルチメディアプレイヤー「VLC」です。あらゆるメニューが日本語化されているので安心して利用できます。

1996年から連綿と開発と改良が続けられており、このたびついにコードネーム「Twoflower」としてバージョンが「2.0」のメジャーバージョンアップ、ただでさえ強力な機能がてんこ盛りだったものが、さらに強化されています(2.0の機能強化一覧はこのページの一番下にまとめてすべて記載済み)。


主要な各OS版のダウンロードリンクは以下のようになります。

・Windows
http://www.videolan.org/vlc/download-windows.html

・Mac OS X
http://www.videolan.org/vlc/download-macosx.html

・iOS
http://www.videolan.org/vlc/download-ios.html

・Android
http://www.videolan.org/vlc/download-android.html

◆ダウンロードとインストール
インストールしなくてもZIPファイルを解凍するだけで起動できるのですが、ここではWindows7でインストーラーを使ってインストールします。

まず上記ページにアクセスして「Installer package」をクリック


ダウンロードしたインストーラーをクリックして起動


「OK」をクリック


「次へ」をクリック


「次へ」をクリック


「次へ」をクリック


なお、関連づけはこのときに下部へスクロールすれば変更可能です


「インストール」をクリック


「完了」をクリック


◆使い方

初回起動時のみこのようなウィンドウが表示されるので「保存して継続」をクリック


あとはこのウィンドウに再生したいファイルをドラッグ&ドロップで放り込めばOKです


◆やたら強力な再生機能

「メディア」メニューの中身はこのようになっており、特に「ファイルを開く(詳細設定)」はかなり強力


このようにして再生したいファイルをここから指定することで順番にリスト化して再生できます


「詳細設定オプションの表示」からはキャッシュや開始時間、さらには外部オーディオファイルとの同期再生も可能


「ディスク」からはBlu-rayを含む各種ディスクの再生やタイトル・チャプター・オーディオトラックや字幕の指定が可能


「ネットワーク」からは各種ストリーミングやYouTubeなどの再生ができます


「キャプチャーデバイス」はデスクトップのキャプチャやキャプチャボードなどからのムービーキャプチャ、さらにはテレビの受信などもできます


割と便利なのがブックマーク機能。「再生」から「カスタムブックマーク」を選び、「管理」をクリック。


「作成」をクリックすると、そのムービーの今開いている場所をブックマークでき、「カスタムブックマーク」に追加されます。やたら長いムービーのお気に入りシーンのみをブックマークしていけば素早く再生すべき箇所にずばばっと飛んでいけるようになるわけです。「ここぞ!」というシーンだけをブックマークにどんどん放り込んでいけるわけですね。


再生速度の変更は「再生」から「速度」を選べば可能で、ウサギのアイコンと亀のアイコンでビジュアル的にもわかりやすい。


一風変わっているのがこの「オーディオ」から「視覚化」から選べる各種ビジュアライザ。


こんな感じで音声を視覚化できます。


◆見ているムービーのワンシーンを画像ファイル化

再生中に画像ファイルにしたいシーンで一時停止して「ビデオ」から「スナップショットを撮る」を選ぶだけでOK、「マイ ピクチャ」フォルダの中にPNG画像形式で自動的に保存されます。


「ツール」から「設定」を選び、「ビデオ」から「ビデオスナップショット」のエリアにある「参照」をクリックすることで画像ファイルの保存先を選ぶことが可能です


保存される形式や名前を変更するには「すべて」にチェックを入れてから「ビデオ」を選べば、ファイル形式や連番などを指定できます。


◆より高画質・高音質で再生する

「ツール」から「エフェクトとフィルター」をクリック


グラフィックイコライザーによって好きな音質に変更できます。これは「ヘッドフォン」向けの設定を「プリセット」から選んだところ。


ダイナミックレンジの圧縮も可能なので、映画っぽい効果も可能


スペーシャライザーを使えばより特殊な音質に変更できます


「ビデオエフェクト」タブからはありとあらゆる画像調整が可能で、画質をよりクリアかつシャープ、そして鮮明にすることができます。CPUに余裕がある人はここをいじくれば、高画質化が可能です。


◆音ズレと字幕ズレの修正

「ツール」から「エフェクトとフィルター」をクリックし、「同期化」タブを選べばオーディオトラックや字幕のタイミングをずらすことが可能です。


◆より細かい設定

「ツール」から「インターフェースのカスタマイズ」を選ぶと、ツールバーに表示するボタンを好きなように組み合わせることが可能になります


さらに「ツール」から「設定」を選べばこのようにして各種設定や関連づけの変更が可能


「オーディオ」からは各ファイル間での音の大きさを均一化することができ、複数のばらばらなファイルを再生するときに有効です


◆GPU再生支援をオンにする

「ツール」から「設定」を選び、「入力とコーデック」から「GPUアクセラレーションを使用」を選べばムービー再生時にGPUのパワーを使うことによって、よりCPU負荷を下げて再生することが可能になります。


◆開いているファイルを違う形式へ変換する

「メディア」から「変換/保存」をクリック


「変換/保存」をクリック


「参照」をクリックして保存する場所とファイル名を入力し、プロファイルから変換したい形式を選び、「開始」をクリックすれば変換が始まります。かなり簡単です。


なお、以下が2.0になって強化された機能の一覧となっており、160人のボランティアによって7000以上のコミットを受けて何百ものバグをたたきつぶしていった成果となります。

◆ムービー
・ビデオアウトプットのコアとモジュールを書き直し、GPUを使って再生中の画面の上に副画面(サブ再生画面、サブピクチャー)をブレンドすることが可能に。
・シェーダーが10bitsを含んだカラースペースの変換においてOpenGLをサポート
・Windows7、Android、iOS、OS/2向けのムービー出力機能を新しくした
・新しいデバンギング、グレイン、デノイズ、アンチフリッカリングの各種フィルター
・デインターレースのフィルターを新しくし、インバーステレシネアルゴリズムを内包

◆オーディオ
・ハイクオリティなオーディオ再生のために新しいリサンプルを採用
・新しいダイナミックレンジコンプレッサーとカラオケフィルターを採用
・より高速に処理するためにオーディオのコア部分を単純化
・iOS、Android、OS/2向けのオーディオ出力機能を新しくした

◆対応フォーマット・ファイル形式
・H.264、MPEG-4/Xvid、WebMの再生時のデコードをマルチスレッド対応
・10bitsコーデックに対応し、WMVイメージやその他のコーデックにも対応
・JPEG、PNG、XCF、BMPなどの画像再生サポートを書き直し
・RalVideoなどのReal形式ファイルのサポートに重要な変更を加えた
・ハードウェアデコード機能としてCrystalHDカードとAndroid OpenMAXをサポート

◆対応する入力形式とデバイス
・Blu-rayディスクの再生を実験的にサポート
-メニュー機能(この記事執筆時点では有効化されていないがまもなく有効化されて使用可能になる予定)
-AACSとBD+のDRMライブラリに関する暗号化キーは法的な理由によってまだ含まれていない
・SDIキャプチャーカードとQTKitデバイスをサポート
・HLSやDASHのような新しいアダプティブ・ストリーミング・プロトコルをサポート

◆Macユーザー向け機能
・完全に新しいシングルウインドウによるインターフェースを採用
-LionグレーとQTXブラックの2種類のカラーを採用
-Lion向けに拡張機能をサポート
・QTCaptureとQTSoundモジュールを通してすべてのQTKitデバイスをサポート
・X 10.5とPPCユーザーのサポートを継続(1080pとProResをDual-G5で実行!)

◆アニメファン向け機能
・MKV demuxerを大幅に改善
・セグメントリンクと順序づけられたチャプターファイルのサポート
・MKVでFLAC、RV、Hi10pを正確にサポート
・キューファイル内でのシークを書き直し
・さまざまな種類のASS字幕ファイル対応を改善

◆プロフェッショナルユーザー向け
・ProRes 422と4444、AVC/Intraをサポート
・10bitsのJpeg-2000とDNxHD/VC-3をサポート
・EBU字幕(stl)とEIA-608をサポート
・Linuxへの入力でSDIとHD-SDIカードをサポート
・以前よりも高速なDirac/VC-2エンコーダーを新規採用

◆開発者向け
・libVLC、libVLCcoreおよびlibcompatのライセンスをGPLからLGPLv2.1+に変更
・新しいlibVLCの例が登場:メディアプレイヤー、photobooth、mediainfoクローン
・VLCインスタンスをコントロールするウェブインターフェースについてJSONによるリクエストが新しく可能に。
・メディアプレイヤー部分をコントロールするためにMPRIS2インターフェースを実装
・VLCのウェブプラグインを書き直すことによって、すべてのブラウザへの統合と安定性を改善

正直、かなり強化されているのに加えて、動作が圧倒的に軽快になっており、1996年から16年目にしてついに「2.0」になっただけのことはあります。

※記事中で再生されている動画は以下のものです。
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in レビュー,   ソフトウェア, Posted by darkhorse

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