メモ

プラスチック製クリスマスツリーを捨てると中国の利益になる

by tamburix

ダイヤモンド1578個やルビー、ホワイトゴールドを使った世界一豪華なクリスマスツリーの飾りであれば、使い終わった後も大事に扱われますが、多くのクリスマスツリーは1年に1度しか出さないので押入の肥やしと化していて、あまりいい扱いは受けていません。もしダメになっても、買い直せば終わりです。

そんなクリスマスツリーから出る「ゴミ」は、最終的には中国で新たな利益を生んでいます。

電飾がきらびやかなクリスマスツリー

by peminumkopi

しかし、役割を終えると扱いはこんなもの。

by mrlerone

大きなゴミの山と化してしまいました

by GavinBell

天然木を使ったツリーは燃やしてしまえば終わりますが、プラスチック製ツリーだと芯の針金やプラスチック、ツリーを飾っていた電飾は電線や電球など、細かいゴミが出ます。このゴミの行き着く先の一つが、広東省広州市から車で1時間ほど走ったところにあるShijiao。「Yong Chang Processing」というスクラップ工場では、1日に6600ポンド(約3トン)の電飾ゴミを処理しています。

The Chinese Town That Turns Your Old Christmas Tree Lights Into Slippers - Adam Minter - International - The Atlantic

絡まり合ったクリスマスの残骸


ゴミといっても燃やしたり埋めたりするのではなく、ここではリサイクルが行われています。こちらがリサイクル処理の様子。


まるで打ち上げられた海藻のようなボリューム


これを短くカットしてシュレッダーに放り込んでいきます


詳しい点は企業秘密だそうですが、ここに水と泥状の物質を入れ、混合物を作ります。


その混合物を水を流したふるい台に置いて、中身を選別していきます。


電線に使われていた銅や電球ソケットの真鍮、プラスチック、ガラスが選別されます


大量に出てきたのは銅と真鍮、このシンプルなシステムでだいたい純度95%で選別が可能。また、ここで使った汚染水はろ過装置を通って再びこのリサイクルシステムで使われています。


工場長であるレイモンド・リーさんによると、Yong Changでは220万ポンド(約1000トン)をリサイクルしており、最低でも周辺にある9つの工場では同じぐらいの量を輸入しては処理しているそうです。

わざわざ中国でやらなくても、こうやって電線を切断するような処理だけならアメリカでもできるのですが、中国にはゴムやプラスチックの絶縁体を欲しがるメーカーが山ほどいる点、アメリカのリサイクル業者はこういったゴミは埋め立てるか電力会社に売ることを定められている点が障害となっているようです。


アメリカ国内で同じようなリサイクル業者を営んでいるランディ・グッドマンさんによるとアメリカでは国内に絶縁体市場が欠けている上に、銅と真鍮の細切れを扱うような市場もなく、さらには環境問題のために電線専門の精錬所が10年前を最後に閉鎖されてしまっているそうです。今、アメリカではこうした銅と真鍮の混合物を使ってのものづくりは行われていないので、需要のある中国やインドへと送られている、というわけです。

この小さな資源流出に対して、アメリカでは「資源はリサイクルして国内で再利用します」とツリーを無料回収している会社や団体もあるのですが、ほとんどは1ポンド(約500g)あたり60セント(約50円)で中国へと売られてしまっています。このサイクルは、アメリカ人が「電飾がダメになった」「もういいや」などと、クリスマスツリーを早いサイクルで買い換えることをやめれば止められるものなのですが……。

ちなみに、5~6年しかもたず処理の難しいプラスチック製ツリーよりも環境に優しい天然木のツリーにしようという動きはちゃんとあるようです。

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in メモ, Posted by logc_nt

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