「TPP」とは一体何か?国家戦略室の資料を読めば問題点がわかる

By laverrue

「TPPという言葉をよく聞くが実はよく分かっていない」「TPPがなにやら新聞・テレビ・ネットのあちこちで話題なので追っかけているが、そもそもどういうものかという基礎の部分を実は知らない」という人のために、TPPとは何か?という基礎的な部分から、メディアで報じられていない「TPPの裏」、そして「TPPの真の問題点と解決の道筋」までを順に解説していきます。

◆そもそも「TPP」はどのようにしてできあがってきたのか?

By Gobierno de Chile

TPPについては日本政府の「国家戦略室」が公式サイト上にて、割と良くまとまった資料を実は10月末に公開しています。

国家戦略室 - 政策 - 包括的経済連携
http://www.npu.go.jp/policy/policy08/index.html


公式サイト上記ページ内のPDFファイル「包括的経済連携の現状について(平成23年10月)」内の7ページ目に、実にわかりやすいTPPができるまでの図が書いてあります。


年月日順で並べると以下のような順です。

2006年:シンガポール・ニュージーランド・チリ・ブルネイの4カ国による環太平洋戦略的経済連携協定、通称「P4協定」発効

2010年3月:さらにアメリカ・オーストラリア・ペルー・ベトナムの4カ国を加えた全8カ国で「環太平洋パートナーシップ(Trans‐Pacific Partnership)協定」の交渉開始(これが「TPP」のこと)

2010年10月4日~9日:TPP第3回会合からマレーシアも新規参加、全9カ国に。

つまり、「P4協定」が拡大して「TPP協定交渉」になった、ということです。

日本はこのTPP協定交渉に参加したわけではないので、様々な外交ルートや種々の協議の場を通じて情報収集を行っているのが現状であり、10月末時点で以下のようなことがぼんやりと分かっているに過ぎません。


重要なのは以下の3点。

・新しくTPP協定交渉に参加するには全9カ国の同意が必要
「新規交渉参加について、正式な手続き規定がある訳ではないが、情報収集によれば、参加には、現在交渉に参加している9カ国の同意が必要」とのこと。ところが実際には以下の文を読めば分かりますが、ある一カ国が「うん」と言うかどうかにかかっています。

・新しくTPP協定交渉に参加するには早期の意思表示が必要
「新規交渉参加についての公式の期限はないが、TPP原加盟国として参加するためには、各国の国内手続きにかかる時間を考慮し、早期の意思表示が必要」となっていますが、実際には「米国は、行政府が、米議会との緊密な意思疎通の一環として、2007年に失効した「貿易促進権限」(TPA)法上の手続を失効した後も実態上踏襲し、通商交渉を開始する少なくとも90日前までに、議会に通知していると承知している」とあり、アメリカが「うん」と言うかどうかが最大のポイントになっています。「うん」と言うまで90日間もかかるので、もし今すぐTPP協定交渉参加を決定しても、3ヶ月後の2012年2月からしか交渉のテーブルには付けないわけです。

・発効手続規定の内容は不明
「TPP協定は現在交渉中であり、現時点では発効手続規定の内容は不明。(通常、手続要件を議論するのは交渉の最終段階であり、交渉国間でもまだ決まっていないものと考えられる。)」としており、この一文からも「実は何がどうなっているのかよく分からない」というのが政府の実情であり、強い諜報機関や情報機関を持っていないというデメリットが露骨に出ています。

さらに「早く参加しないと間に合わないよ」という空気をアメリカは加速させており、有象無象の圧力を日本政府にかけていますが、そもそもTPP協定交渉に参加を表明しても、「交渉が一切できない」可能性も出ています。

2011年11月2日 07時03分:東京新聞:TPPルール 主張困難 米「参加承認に半年」:経済(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011110290070328.html

 環太平洋連携協定(TPP)交渉について、米通商代表部(USTR)の高官が、日本の参加を認めるには米政府・議会の非公式な事前協議が必要で、参加決定に時間がかかるため「受け入れが困難になりつつある」との認識を示していたことが、日本政府の内部文書で分かった。正式協議を合わせると米議会の参加承認を得るのには半年間程度が必要な見込みで、早期参加表明しても来夏にまとまる予定のルール策定作業に実質的に加われない可能性も出てきた。

 日本に有利な条件を得るため早い参加が必要、というTPP推進派の主張の前提条件が崩れかねない状況だ。


このTPPになぜ早期参加して交渉しなければならないかという理由が「TPPの特徴」として以下の図の右側にまとめられています。


貿易自由化、つまり「関税をかけない」対象範囲と、関税をかけなくするまで何年待つかという期間を見ると、TPPの場合は恐るべき事に「P4協定等を踏まえ交渉中と考えられるが、どの程度の即時撤廃が必要かは現段階では不明。いずれにせよ、原則10年以内の関税の撤廃が必要と考えられる」となっており、TPPの前身であるP4協定では全品目の8割が「即時撤廃」となっています。

しかし、国内の産業を保護するためにも「例外」というものが普通は認められるはずなのですが、TPPでは「交渉参加にあたって、自由化例外品目を提示しての参加は認められない」「P4協定等を踏まえ交渉中と考えられるが、どの程度の例外が認められるかは、現段階では不明」となっており、要するに「交渉に参加する」と表明しただけで基本的に「関税をかける権利が無くなる」わけです。日本政府は「一切例外が認められないはずはないだろう、常識的に考えて……」というように甘く考えているわけですが、そもそも例外が認められるかどうかと言う情報すらなく、情報をゲットするには参加表明するしかなく、参加表明すると自動的に関税の例外は認められないようになるという、まさに「孔明の罠」状態。行くも地獄、戻るも地獄の状態になっているわけです。

「待て待て、戻るも地獄はおかしいだろう、参加しなくてもデメリットはないはず」と考えがちですが、以下の図は世界の主な広域経済連携、つまり加盟国の間で関税を無くすなどの措置を行って貿易を活発に行っている国々をわかりやすくまとめたものです。


それぞれの線の色の意味は以下のようになっています。

赤線:自由貿易協定(FTA)など(協定参加国間で関税の削減・撤廃等、貿易を自由化)
青線:関税同盟(参加国間で貿易を自由化することに加え、第三国に対する関税を共通化)
緑線:欧州連合(関税同盟に加え、資本・人等の移動の自由、経済政策の調整、通貨統合、共通外交政策等も進めている)
赤破線:TPP

赤線は関税のみを問題にしており、青線はさらに赤線から発展させて関税率を共通化させ、緑線のEUは青線からもさらに過激に発展させまくって通貨統合や外交政策共通化まで行き着いています。国土が広くて巨大なロシアや中国は基本的に強いため、貿易を自由化しない方が得であり、孤立戦略をとることが可能です。一方、日本は経済大国として数えると上位に位置するものの、孤立戦略を維持できるほど強いわけでもなく、かといってどこかと手を組もうにも「どうしよう」という状態です。

つまり、これらの各陣営はそれぞれ「世界戦略」の視点から自国の生き残りを賭けて戦っており、「TPP」はその陣営の一つである、というわけですが、このTPPは「オレには政治のことは関係ない、知るか」と言えるようなものではなく、実際に私たちの生活に影響するものです。「リーマン・ショック」も最初は「海の向こうのショックがどうしたって?」という感じだったはずですが、日本も無関係ではないということがあとでわかりました。今回の「TPP」も同じようなもので、次はもう少しミクロな視点でこの「TPP」を見てみます。

◆「TPP」はあらゆる日本人の生活に影響を与える

By Gobierno de Chile

さらに日本政府の「国家戦略室」公式サイトにあるPDFファイル「TPP協定交渉の分野別状況(平成23年10月)」の表紙を見ると、このTPPというものがどれぐらい幅広いものを対象としているのかが理解でき、既存マスメディアの主張しているようなお米や農作物といった「農林水産」や自動車などの「工業製品」だけでなく、日本のありとあらゆる産業について影響するものであるということがよくわかります。

内閣官房、内閣府、公正取引委員会、金融庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省というように、関連する省庁だけですごい数と幅広さ。


「本資料は,我が国関係省庁がTPP協定交渉国との協議等を通じて収集した情報をもとに,協力・調整して作成したものである」と書かれており、分野としては全部で21の分野にまとめることが可能です。


以下がその21分野。

1.物品市場アクセス
2.原産地規則
3.貿易円滑化
4.SPS(衛生植物検疫)
5.TBT(貿易の技術的障害)
6.貿易救済(セーフガード等)
7.政府調達
8.知的財産
9.競争政策
10.越境サービス貿易
11.商用関係者の移動
12.金融サービス
13.電気通信サービス
14.電子商取引
15.投資
16.環境
17.労働
18.制度的事項
19.紛争解決
20.協力
21.分野横断的事項


あまりにも幅広く包括的な内容となっているため、さすがにこの資料を制作した段階で既に危機感は少なくとも官僚レベルではちゃんとあるらしく、以下に示すようにして「TPP協定交渉参加を検討する際に我が国として考慮すべき点」ということで、日本のメリットとなる「我が国が確保したい主なルールの内容」と、日本のデメリットとなる「我が国にとり慎重な検討を要する可能性がある主な点」の2つに分けてまとめられています。


デメリットとして「従来我が国が締結してきたEPAにおいて,常に「除外」または「再協議」の対応をしてきた農林水産品(コメ,小麦,砂糖,乳製品,牛肉,豚肉,水産品等)を含む940品目について,関税撤廃を求められる」「米豪・米韓FTAのように医薬品分野に関する規定が置かれる可能性はある」と書かれており、このままTPPを鵜呑みにするのは非常にまずい、ということ自体はさすがにわかっているようです。

また、先ほども書いたように「どのような交渉が行われているかを知るために参加すると自動的に関税の例外ができなくなる」ため、このTPPの前身である「P4協定」や、これまでのアメリカが他国と結んできた協定の中身をまとめ、「TPPの中身はたぶんこんな感じだろう」という推測も立てています。


「TPP協定交渉をすることで日本にどのようなメリットとデメリットがあるのか」という点については割とカッチリと正しく認識しているようで、以下に示すようにかなり的確です。

例えばコレは「原産地」の表示に関する規制について。


TPPのデメリットとして「我が国特有の品目別規則と異なり,農林水産品で輸入原材料を用いた場合も原産品と認めるルールとなる場合,TPP参加国以外の国からの輸入原材料を使用した産品が輸入される可能性がある」「原産性の証明制度については,我が国が採用していない完全自己証明制度(全ての輸出者等が原産地証明を行うことを認める制度)などが採用される場合には,企業を始め全ての輸出者等が自主的に原産性の確認を行う体制づくりが必要となるとともに,本来ならば原産資格を有しない産品が,協定に基づく有利な条件で輸入されることを防ぐ観点から,適切な運用の確保を検討することが必要」と書かれています。

要するに、「どこが原産国か不明な食品が出てくる」「原産地がどこかを企業が自分で証明するので、証明するチカラのない小規模なところはつぶれる」というわけです。強者はますます栄え、弱者は滅びるべしという考えが極端なカタチでTPPには現れており、それはこの先の例全てに当てはまります。

次は食品の安全を確保したり,動物や植物が病気にかからないようにするための措置である「SPS(衛生植物検疫)」に関するもの。


TPPのメリットが日本にとってはまったく無く、デメリットとしては「地域主義」が採用されるという点。地域主義とは何かというと、「病害虫発生国であっても,清浄地域(病害虫の発生していない地域)において生産されたものであればその輸入を認める概念」のこと。例えば宮崎の畜産に大打撃を与えた「口蹄疫」の場合、隣接する別の地区はまだ発生していないからOK!ということになりかねないわけです。「個別案件毎に科学的根拠に基づいて慎重に検討することが難しくなる」とも書かれており、科学的根拠無しに「別地域だからOK!大丈夫!」というメチャクチャな判断で日本に輸入されることもありえる、というわけです。

さらに「個別品目の輸入解禁や輸入条件の変更について,従来よりTPP交渉参加国より要請されてきた案件が,交渉参加のための条件とされ,あるいはTPP協定に付随する約束を求められる場合には,我が国が適切と考える検疫上の保護水準が確保できるよう,慎重な検討が必要となる」となっています。要するに、日本の食品保護の基準を下げさせられる、というわけです。なぜなら、今の日本のレベルの検疫・検査を行うとお金がかかるから。検疫・検査を適当にできるのであればその分安くなり、関税もなくなるので、よりいい加減かつ適当にして大量に安く生産しているところが勝つ!という図式です。質を維持する日本の方式では勝てないルールになるわけです。

ここまで見ただけでもかなりえげつないということがわかるのですが、著作権に関する「知的財産」もまたとんでもないことになっています。


以下が日本にとってデメリット大の5つの中身。

特許:発明の公表から特許出願するまでに認められる猶予期間を12ヶ月にする。
商標:視覚によって認識できない標章(例えば音)を商標登録できるようにする。
著作権:我が国制度よりも長い期間,著作権を保護する。
刑事手続:著作権侵害につき職権で刑事手続をとることを可能にする。
地理的表示:商標制度を用いた出願・登録型による地理的表示を保護する。


すべて消費者のことを無視しているわけですが、特に分かりやすいのは「著作権」で、要するにミッキーマウスの著作権保護期間が切れそうになったらディズニーが必死になって延長させており、このままだとそのうち「著作権を永遠に認める」ようになるのではないかというアレです。また、「刑事手続」というのは「ダウンロード違法化」について、著作権者が訴える意志がなくても警察が勝手に逮捕しに行けるようになるというもので、冤罪が山ほど発生するだけでなく、さらにヤバい展開が予想されており、以下の記事が非常に詳しいです。

TPPで日本の著作権は米国化するのか~保護期間延長、非親告罪化、法定損害賠償 -INTERNET Watch
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/special/fukui/20111031_487650.html

 「非親告罪化」は刑事の問題だが、著作権侵害には損害賠償といった民事の責任もある。関連する要望が、「法定損害賠償の導入」(要求12.4項)だ。本格的に導入された場合の短期的なインパクトでは、おそらくこれが大きい。

 「法定損害賠償」とは何か。通常の損害賠償は、著作権侵害で権利者などがこうむった実損害分しか賠償を求められない。通常たいした金額にはならず、しばしば弁護士費用にも足りない。日本の著作権は厳しいという一般の印象もあるようだが、現実にはこの賠償金相場などが原因で、大半の著作権侵害は訴訟に至らず終わっている。権利者の立場からすれば「泣き寝入り」だ。(実際には「実損害」という原則を補うルールもあるのだが、それを含めてこの現状である。)

 「法定損害賠償」とは、実損害の有無の証明がなくても、裁判所が(ペナルティ的な要素を含んだ)賠償金額を決められる制度で、米国なら故意の侵害の場合「1作品」あたり750ドルから15万ドル。実に1000万円強である。

 米国で知財訴訟が多く、賠償金額が日本と比較してはね上がる原因のひとつがこれだ。万一米国型の「法定損害賠償」が導入されれば、善かれ悪しかれ日本でも知財訴訟が激増する可能性はあろう。

これだけにとどまらず、「遺伝資源,伝統的知識及び民間伝承(フォークロア)に保護を与えることを可能とする旨の条項が含まれているが,こうした規定が求められる場合には,慎重な検討が必要となる」とも書かれており、確実にめちゃくちゃになります。

◆「TPP」の今後の予定はどうなっているのか?

TPPについて、これからどういう予定が組まれているかという点についてはPDFファイル「TPP協定交渉の概括的現状(平成23年10月)」に書かれています。


既に交渉日程は第9回までが終わっており、2012年にあと最低5回がある程度。9回+5回で14回なので、既に半分以上どころか3分の2程度は決まっており、さらに日本が次の11月12日(土)~13日(日)のAPEC首脳会議で「TPP協定交渉に参加したいよ!」と表明したとしても、既に書いたようにアメリカが「うん」と言うまで6ヶ月かかるわけなので、日本が交渉の場に現れる頃にはもう9割方は交渉終了済み、あるいはもう終わっていると考えた方がいいのではないか?ということです。

改めて交渉すべき分野を並べてみると、今まで何の準備もしていない日本が今すぐ参加できたとしても、これだけの分野すべてで日本の有利になるように交渉できる可能性はあるのでしょうか?


◆「TPP」における「交渉」とは何をすることなのか?

また、過去のアメリカを含めた各国の交渉がどのような様子であったのかという点についても記載がありますが、これを見る限り「今のうちに参加しないと!」どころか、「参加するにはあまりにも遅すぎる」ということがはっきりとわかります。もうかなりの段階まで進んでいると考えた方が良さそうで、今から参加しても正直、それこそ常識的に考えて、無理です。


下記がこれまでの交渉内容をあちこちから資料を探して引っ張ってきたものを国家戦略室がまとめたもので、「オファー」と「リクエスト」を交互に繰り返しながら調整して交渉していくというものになっており、交渉としてはかなりハイレベルであろう事が分かります。


◆日本が「TPP」に参加する具体的理由は「ない」

By Gobierno de Chile

なお、なぜ日本がTPPに参加しようとしているかという理由については、PDFファイル「包括的経済連携に関する基本方針(日本語版)」に一応、以下のように書いてあります。

さらに、アジア太平洋地域においていまだEPA交渉に入っていない主要国・地域との二国間EPAを、国内の環境整備を図りながら、積極的に推進する。FTAAPに向けた道筋の中で唯一交渉が開始している環太平洋パートナーシップ(TPP)協定については、その情報収集を進めながら対応していく必要があり、国内の環境整備を早急に進めるとともに、関係国との協議を開始する。

どこをどう読んでも理由になっていないのですが、最後の「経済連携交渉と国内対策の一体的実施」にそれらしい理由が書いてあります。

主要国・地域との間での高いレベルの経済連携強化に向けて、「国を開く」という観点から、農業分野、人の移動分野及び規制制度改革分野において、適切な国内改革を先行的に推進する。

「国を開く」と書いているので「開国」と間違いそうですが、日本は鎖国していません。

(1) 農業
高いレベルの経済連携の推進と我が国の食料自給率の向上や国内農業・農村の振興とを両立させ、持続可能な力強い農業を育てるための対策を講じるため、内閣総理大臣を議長とし、国家戦略担当大臣及び農林水産大臣を副議長とする「農業構造改革推進本部(仮称)」を設置し、平成23年6月めどに基本方針を決定する。さらに、同本部において、競争力強化などに向けた必要かつ適切な抜本的国内対策並びにその対策に要する財政措置及びその財源を検討し、中長期的な視点を踏まえた行動計画を平成23年10月めどに策定し、早急に実施に移す。
その際、国内生産維持のために消費者負担を前提として採用されている関税措置等の国境措置の在り方を見直し、適切と判断される場合には、安定的な財源を確保し、段階的に財政措置に変更することにより、より透明性が高い納税者負担制度に移行することを検討する。

国内生産維持のために消費者負担を前提として採用されている関税措置等の国境措置の在り方を見直し」というあたりがおそらくTPPと関連ありなのではないかと。

(2)人の移動
看護師・介護福祉士等の海外からの人の移動に関する課題にどう取り組むかについては、「新成長戦略」に掲げる「雇用・人材戦略」の推進を基本としつつ、国内の人口構造の将来の動向や、国民の雇用への影響、海外からの要請、さらには我が国経済発展及び社会の安定の確保も踏まえながら検討する。そのための検討グループを国家戦略担当大臣の下に設置し、平成23年6月までに基本的な方針を策定する。

国内の人口構造の将来の動向や、国民の雇用への影響、海外からの要請、さらには我が国経済発展及び社会の安定の確保も踏まえながら検討」ということで、露骨に「海外からの要請」と書かれており、TPPは黒船よりも危険きわまりないにもかかわらず、勘違いしています。

(3)規制制度改革
国を開き、海外の優れた経営資源を取り込むことにより国内の成長力を高めていくと同時に、経済連携の積極的展開を可能にするとの視点に立ち、非関税障壁を撤廃する観点から、行政刷新会議の下で平成23年3月までに具体的方針を決定する。
(以上)

国を開き、海外の優れた経営資源を取り込むことにより国内の成長力を高めていく」ことと「非関税障壁を撤廃」というようにして、今のTPPの状況を見る限り、結論がよく読むと明らかに矛盾しています。海外の経営資源を取り込んで国内の成長力を高めることと、非関税障壁を撤廃することには実はあまり関係が無く、さらにTPPはもっと関係がありません。

一体、TPPとは何なのか、上記の説明だけでは釈然としないはずです。そこで、さらに次の記事では「TPPの裏」で本当は何が起きているのか、その正体を見ていくことにします。

・続き
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in コラム, Posted by KeitoYamazaki