「匿名」でネットを利用するための3つの基礎知識

by seq

日本のインターネットは匿名性が高いと言われていますが、それはあくまで自分の実名を出すかどうかという論点に基づいたこと。接続したサーバやIPアドレスをたどることで、個人の特定はある程度可能になっています。

そこまで大きな話でなくても、家族で共有しているPCの接続履歴を親や兄弟に見られたくない時など、ネットに自分自身の行動履歴を残したくない場面は意外に身近なところにあります。そんな時に知っていたら便利な、自分の痕跡を残さずにネットを利用するための基礎知識を挙げていきます。

Gadgetbox - How to create a fake identity and stay anonymous online

1：ブラウザのプライベートモードを利用

Google ChromeやFirefoxなどといったブラウザでは、閲覧履歴やダウンロード履歴を一切記録しない「プライベートモード」を利用できます。広く使われているブラウザでは、ショートカットキーでモードの切り替えができます。GoogleChromeとOperaはCtrl+Shift+N、FirefoxとInternet ExplorerではCtrl+Shift+Pで切り替えができます。

2：ProxyサーバとVPN

by aswirlymatrix

プライベートモードを利用していても、DNS（Domain Name System）キャッシュやCookieなどはコンピューター上に記録されます。一切自分の行動履歴をウェブ上に残したくない場合、Proxyサーバを経由させることで、まったく別の人のアクセスであるかのように見せることができます。もともとProxyサーバを経由してインターネットに接続している場合は、ブラウザから利用できる匿名プロキシサイトを使うことで、本来のアクセス場所を偽装することが可能です。

VPN（Virtual Private Network）は、仮想プライベートネットワークを用いて、インターネットからVPNサービスを提供しているサーバやシステムなどにアクセスすることで、外出先や自宅からでも、オフィスの専用回線などと同じような環境でインターネットから利用できるネットワークサービスを指します。

社外から社内の環境に接続する際、従来であればファイヤーウォールのポートを開放するなどの作業が必要でした。VPNを使うことで、最短距離で外部から社内と同じような環境で接続することが可能となります。一番簡単な方法としては、VPNを提供している会社のサービスを利用すること。PCにはクライアントソフトを入れておくことになります。こうすることで、インターネット網を使って、VPN接続でサービス提供元の環境に接続することができます。

3：使い捨てメールアドレス

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by chidorian

継続利用するつもりのないサービスに登録したり、信頼性にやや欠ける相手に連絡しなくてはならない時、使い捨てのメールアドレスは役立ちます。以前掲載したなど、使い捨てメールアドレスを提供するサービスはいろいろと存在します。多くのソフトは海外全文表示可能で、添付ファイルにも対応した15分間限定のメールアドレス「クイックメール」のように日本語に対応しているものもあります。

ここ最近は上記のような専用サービスではなく、ウェブメールの機能として複アカウントを作ることができます。Gmailのエイリアス機能を使うと、本アカウントにぶら下がる形で複アカウントを作ることができます。この機能を活用して、継続利用はしないと思われるネット通販のサイトに複アカウントを登録し、そのアドレス宛に来たメールを本アカウントで受信するといったことが可能です。

◆匿名利用は諸刃の剣

by afu007

ここまでの対策を行ってきてもなお、すべての情報を匿名のままインターネットを利用するのは意外に難しいもの。住所や氏名などを入力せずにネットショッピングを行う方法というのも、考えてみるとなかなか難しいと感じるのではないでしょうか。

上記の方法を見て気づいた人もいるかもしれませんが、こういった方法は犯罪や詐欺などにも利用されるものと同じです。しかし、「知識は力なり」という言葉もあるように、こういった知識を悪用するのも、よい方向に使うのもその人次第。悪用可能な内容だからといって敬遠していては、いざという時自分の身を守ることもできません。自ら積極的に使うことはなくても、知っておくことに意味があるのです。