空想世界を現実に持ち込んだような世界の奇妙な風景10景

世界には現実の風景とは思えないような奇妙な景観を持つ場所が、いくつも存在しています。かつてGIGAZINEでもボリビアの塩の湖「ウユニ湖」や火星のようなクーバーペディの記事を掲載しましたが、今回はそんな「世界の奇妙な風景」のトップ10です。

Top 10 Unusual Landscapes | Top 10 Lists | TopTenz.net

10位：チョコレートヒルズ（フィリピン）

チョコレートヒルズは、フィリピンのボホール島に存在する丘陵群。30m～50m程度の円錐形の山が1268個も密集し、あたかもチョコレートが並べられているように見えることからその名がつきました。4月～6月は乾季のため、山の緑が枯れて山肌が現れ、まさしくチョコレート色の丘を見ることができるそうです。

9位：モエラキ・ボルダー（ニュージーランド）

ニュージーランド南東部に位置するモエラキ海岸では、まるで人工物のような丸い岩「モエラキ・ボルダー」を見ることができます。ボルダーは化石などを核に海底で形成され、方解石などの鉱石が周囲に付着、徐々に大きさを増し、6000万年という途方もない時間をかけて1m以上の岩となったと考えられるそうです。

8位：地獄の門（トルクメニスタン）

トルクメニスタンのカクラム砂漠にある村「ダルヴァザ」周辺の地下には、豊富な天然ガスが埋蔵されており、1971年に地質学者がボーリング調査を行いました。調査では天然ガスが充満した洞窟が発見されましたが、調査中に落盤事故が起こり、巨大な穴が開いてしまいました。有毒ガスの放出を防ぐため火を着けることになりましたが、可燃性ガスが延々と噴出し続けるため、発生から40年が経つ現在でも穴は常に燃え続けています。

7位：ザ・ピナクルズ（オーストラリア）

ザ・ピナクルズは、西オーストラリア州のナンバン国立公園に存在する石灰岩の柱群。この一帯はかつて海だった場所で、貝殻などが蓄積され、石灰岩の地層を形成していました。やがてそこが陸地に変わり、樹木が根を張り、部分的に水に浸食され、石灰岩質の地層はデコボコの形状となりました。その後、樹木が枯れ、デコボコになった石灰岩が露出して形成されたのがザ・ピナクルズです。

6位：石林（中国）

石林は、中国の雲南省昆明に位置するイ族の自治県です。典型的なカルスト地形で、総面積350キロ平方メートルにわたって石が文字通り林のように林立しています。

5位：ギョレメ国立公園（トルコ）

ギョレメ国立公園は、トルコのカッパドキア地方にある国立公園で、奇岩群と古代ローマ時代の地下都市を見ることができます。上の写真の岩は、火山活動と風雨の浸食により自然に出来上がったもので、こうした奇岩が連なって奇妙な景観を形成しています。。古代ローマ時代のキリスト教徒は、迫害を逃れ、岩をくりぬいて地下に教会や修道院を作りました。

4位：Rio Tinto（スペイン）

Rio Tintoはスペイン語で「赤い川」の意味。アンダルシア州のシエラモレナ山脈から流れる川です。川の周囲では古来から金、銀、銅などの採掘が行われています。川水の赤い色は、鉄が水に融解したことによるもので、川の水はpH2の強い酸性となっています。

3位：Dallol（エチオピア）

エチオピアのダロル火山は、火口が海抜マイナス45mの位置にある火山です。1926年の噴火以来、火山の環境と海面の環境が混じり合い、まるで異世界のような光景を呈しています。

2位：アンテロープ・キャニオン（アメリカ）

アンテロープ・キャニオンは、アリゾナ州ページ近郊にある渓谷。鉄砲水と風雨により砂岩が浸食され、幾層にも分かれる複雑な地層を形成しています。特にモンスーンの時期に降る雨水が渓谷を流れ、通路を浸食し、岩に水の流れが刻み込まれたような滑らかな岩肌が形成されます。

1位：ソコトラ島（イエメン）

ソコトラ島はインド洋上、紅海の入り口に浮かぶイエメンの島。苛酷な気象条件の下で動植物が独自の進化を遂げ、「インド洋のガラパゴス」とも呼ばれています。

独特な形状の「竜血樹」。樹皮から採れる赤い樹脂は「竜血」と呼ばれ、古代から重要な輸出品として生産されていました。

幹が巨大な徳利状になり、貯水の機能を果たす植物。

こうした奇観が島の観光資源となり、島は観光地として栄えていますが、地球温暖化や開発によって島の生態系は大きなダメージを受け、動植物数百種が絶滅を危惧される状況に陥っています。