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NECの新商材は衛星、はやぶさのノウハウが詰まった人工衛星「NEXTAR」


NECは小惑星探査機「はやぶさ」の開発で得た知見を生かし、その基礎技術を標準化することで、従来よりもはるかに安価で軽量な衛星の生産を可能にしたそうです。これを世界中の衛星を必要とする企業に販売することで、探査衛星を新たな商材にしようと目論んでいるとのこと。

今回のCEATEC JAPAN 2011では、そんなNECの新たな商材である標準衛星バスシステム「NEXTAR」の模型が展示されていました。

標準衛星バスシステム NEXTAR: バスシステム | NEC

これが「NEXTAR」の一形態「高分解能光学観測ミッション」用人工衛星の模型。


NEXTARは、標準モデルをベースとして、オプション機器や必要なソフトウェアパッケージ、ボードなどを追加して、幅広いミッションに対応する汎用的な小型衛星です。この四角い部分が、基本となる標準のバスモジュール。


ミッションによってはソーラーパネルが可動である必要があるため、バスモジュールには可動式ソーラーパネルにもオプションで対応できるように設計されています。


これは望遠鏡部分。この「高分解能光学観測ミッション」用の形態は、50cm未満の分解能で地表を観測することができます。


このほか、地図作成、災害監視、農作物管理など、用途に応じてオプションを変え、様々な分野に応用することが可能です。


同じ用途の従来の人工衛星に比べると、価格で約2分の1、重量も2分の1から4分の1まで抑えられているそうです。さらにこのパッケージが多く実用化されれば、さらに価格を抑えることも可能だろうとのこと。


すでにNEXTARは実運用に移る段階で、NEXTARを使用した地球観測衛星「ASNARO」が、2012年12月以降に打ち上げの予定です。これまで人工衛星は、国からの発注を受けた企業が目的に合わせてオーダーメイドで作るのが普通でしたが、NEXTARはこれを産業化することを目的としており、例えばアジアやアフリカなどの人工衛星を持たない新興国に対し、小型で安価な衛星を売っていくことが考えられるとのこと。


はやぶさ関連の展示に合わせて、NECのインタラクティブ・デジタルサイネージ「MultiTouchWall(仮称)」も展示されていました。


「MultiTouchWall」は8面のパネルが組み合わさったタッチ式の巨大なデジタルサイネージ。2点タッチまでを認識し、写真や映像を直感的に動かしたり、拡大・縮小を行う事ができます。


指一本で画像に触れると、その画像を動かすことができます。


2本でつまむように触れると、画像の拡大・縮小が行えます。


この「MultiTouchWall」は、すでに日本マイクロソフト社の品川新社屋に来客会議室フロアに導入されているそうです。

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in 取材,   サイエンス, Posted by darkhorse_log

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