犬が人間の肺がんの「ニオイ」をかぎ分けられることが明らかに


以前、愛犬に足の親指を食いちぎられたおかげで一命を取り留めた男性の事件を掲載しましたが、犬が人間の病気をその鋭い嗅覚で検知することはままあるようで、今回ドイツで行われた最新の研究によると、訓練された犬は、肺がんの有無をかぎわけることができるという結果が報告されています。

Study shows dogs can sniff out lung cancer

ヨーロッパにおいて研究を行ったEuropean Lung Foundationによると、肺がんは男女問わずかかりやすく、ガンの中では2番目に発症率が高くなっています。そして年間34万人が、肺がんによって命を落としているとも言われています。

肺がん患者の生存率を上げるには、とにかく早期発見が第一。しかし、肺がんの初期症状はせき、たんをはじめとしてがん特有と言えるものは少ないため、がんが進行してから発見されることがほとんど。早期発見については、ほとんど偶然に頼るほかありませんでした。

肺がんの発症を示す物質の存在を確かめるために、ドイツのSchillerhoehe病院の研究者は、肺がん患者や慢性閉塞性肺疾患の患者、そして健康体の人など合計220人の呼気のサンプルを集め、テストしました。

訓練された犬が呼気のサンプルをかぎ分ける能力は素晴らしく、肺がんを患っている可能性のある100人の呼気サンプルの内71個を指摘したため、検出率は71%と高い数値を示しています。そして肺がんにかかっていない健康体の人のサンプル400個の中からは、372個を指摘し、93%とさらに高い検出率をたたき出しました。これらの結果から、かなり高い確率で肺がんの有無をかぎ分けていることが分かりました。

しかし、犬が特定の物質に反応しているかどうかまではいまだ明らかになっていません。ともあれ、研究者たちはこの結果を受けて、「やはり肺がんには、それを識別可能にする目印とも言うべき物質が存在する」という見方を示しています。

この研究をEuropean Respiratory Journal誌上で発表した著者のThorsten Wallesさんは「肺がん患者の呼気は、健康体の人間の呼気とは異なる化学物質を含んでおり、犬の鋭い嗅覚を用いることで肺がんの早期発見が可能になるでしょう」と語っています。Wallesさんはややジョーク混じりに「犬からかぎとった物質の名前を聞き出せないことが本当に残念だ」ともコメントしていますが、研究に対する姿勢は至って真剣で、肺がんの早期発見を可能にするための研究はさらに進められることになりそうです。

検査のために病院内に犬を連れて行くのは現実的ではありませんが、犬がかぎとっている化学物質の正体が明らかになれば、文字通り肺がんをかぎ取ることのできる嗅覚を備えた装置を開発することも可能であるとみられています。

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in サイエンス,  生き物, Posted by darkhorse_log