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「動画サイトはマイナスの影響、音楽の違法ダウンロードは年間12億ファイル」という調査結果を日本レコード協会が公表


レコード製作者を代表する業界団体「日本レコード協会(Recording Industry Association of Japan)」が「動画サイトの利用実態調査検討委員会」による報告書を公表しました。

「動画サイトの利用実態調査検討委員会」報告書公表
~国民の70%が動画サイトを利用、音楽ファイル違法ダウンロード年間12億~


今回の調査目的は「動画サイトの利用状況の実態を把握し、動画サイトの利用環境が音楽のビジネスモデルにもたらす影響などについて今後の検討に資する分析を行う」というもの。


動画サイトは国民の約7割が利用しており、すでに社会インフラといえるメディアに成長していますが、その半数は動画サイトからのファイルのダウンロードを経験しています。


動画サイトの利用については若年層が中心ですが、動画サイトの利用頻度・視聴時間が増加するにつれて音楽ソフトや有料配信など、音楽への消費が高くなる傾向が見られるとされています。


利用している動画サイトはYouTube、ニコニコ動画、Gyao!が3強。


動画サイトの視聴時間のうち、約6割を商業音楽が占めています。


動画サイト利用者の7割以上がファイルをダウンロードできることを認知。


認知しているうち、7割が実際にダウンロードを経験。10代の利用経験が一番高くなっています。


ダウンロードする理由は「いつでも好きな時に視聴したい」「手元に保存しておきたい」が多くを占める中、「CDや音楽DVDの価格が高い」などの理由も挙げられています。


動画サイトからダウンロードされる邦楽は年間平均1人あたり63.4ファイル。商業的な音楽ファイルの合計は116.8ファイルとなっています。


違法ダウンロードと想定されるファイルは50~80%を占めると推計。


これらのデータから推計される違法ダウンロードと想定される商業的な音楽ファイルは年間12億とされ、今後も増加傾向にあると予想されています。


動画共有サイトの影響。動画サイトの利用・視聴を通じて、音楽へ接触する機会などは増えており、音楽への接触に対して特に能動的な利用者には音楽への支出の増加傾向があるものの、全体として、支出の減少傾向が見られるという購買行動への変化がもたらされています。


音楽を「なるべくお金をかけない方法で入手」している層については、とりわけ支出が減少しているという結果に。


動画サイトによって音楽に対して積極的なユーザーの関心や興味が拡大する一方、消極的なユーザーにとって、動画サイトは「利用するだけで満足してしまう」という状況が生まれていると考えられています。


これらの要素を総合すると、「全体としてプラスとマイナスを相殺してみると、動画サイトは音楽CD/DVDの購入、レンタル、有料配信への支出にはマイナスの影響を与えている事が推測された」ということに。


また、今後について、報告書では以下のように締めくくられており、動画サイトを排斥するのではなく、存在することを前提としたサービスや商品のあり方を模索することを訴えています。

動画サイトの浸透はもはや不可逆的な現象である。今後さらに、音楽のビジネスモデルに影響を与え ているであろう他の要因についても調査・検討を行いながら、音楽業界やインターネット業界をはじめとする関係者が、消費者に対して従来とは異なる新たな付加価値を提供できるサービスや商品の在り方を模索していくことが、音楽のクリエイティビティを最大化させ、それを消費者に還元していくための 生態系を維持・進化させていくステップにつながるであろう。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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