NHKがネット経由でムービー編集できる「フレキシブル制作システム」のソースコードを無料公開開始


NHK技研がウェブ上のどこからでも、編集作業用パソコン一台で高度な番組編集・制作ができるシステムを開発し、なんとそのソースコードを無料で公開開始しました。

今回公開されたのは「フレキシブル制作システム(ウェブ編集システム)」「分散ファイルシステム」「挿入削除機能付きファイルシステム」「高速ファイル転送システム」「素材作成用MXFライブラリ」で、単純にソースコードが置いてあるだけでなく、コンパイル方法・Apacheの設定・各種コマンドの解説などのドキュメントも提供されており、いわゆるクラウドとして動作させることが可能です。

詳細とダウンロードは以下から。
◆ファイルベースシステムが快適に、大きく進化!
~ ウェブブラウザを用いて快適な編集環境を提供~
(平成23年5月24日)

http://www.nhk.or.jp/pr/marukaji/m-giju305.html

フレキシブル制作システム ソースプログラム公開
http://www.nhk.or.jp/strl/flexible/

これがシステム全体の構成図。Firefoxなどのウェブブラウザ上にノンリニア編集の画面を表示し、操作がおこなわれるたびに画面を更新し、操作の結果を編集記述として出力するという仕組み。グリッド・コンピューティングの標準的ライブラリであるGlobus Toolkitを用いて分散処理されており、素材ファイルはすべてMXF(Material Exchange Format) を用いてファイル化されて保存され、これらのファイルは複数のファイルサーバを1つの仮想的なファイルサーバとして扱うことのできる分散ファイルシステムによって管理されています。


これはフレキシブル制作システムのプロトコルスタック図。NHKが独自開発したのは「FMFTP(高速ファイル転送システム)」「分散ファイルシステム用インターフェース」「Extended OneHop」となっています。分散ファイルシステム内の映像カットの転送は「FMFTP」を用いておこなわれ、映像処理をおこなうときは、映像処理サービスを中継しながら転送し、1フレームごとに映像処理する仕組み。分散ファイルシステムを構成する各ファイルサーバは、編集インターフェースの要求に応じて、番組素材のムービーファイルや編集中のムービーファイルを編集インターフェースに映像フレーム単位で送信することができ、これによってこの分散ファイルシステムに保存されている素材ファイルや編集しているタイムライン上のムービーファイルを、編集インターフェースの動画再生ウィンドウでプレビューすることができるとのこと。


そしてこれがシステム構成図。編集用ウェブサーバプログラムはPythonで書かれておりApache2上で動作、プロジェクトデータベースはMySQLを用いています。ほかにもいろいろとかなりすごいことに。


なお、NHK技研によると「貴重な受信料で研究開発した成果を、学術成果としてのみ放置しないで、実用化への道を探る一つの方法としてシステムのソースコードを公開することにしました。 これにより放送機器や映像関連分野における研究開発に貢献するとともに、同分野における研究者や技術者のコミュニティによる改善改良が期待でき、将来のNHKでの利用や放送技術の発展につながるものと考えます。ソースコードの公開は、公共放送の研究所として広く社会に研究開発成果を還元することであり、公共サービスの一つです。今後も適宜公開できるソースプログラムを提供してゆく考えです」とのことです。

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in ソフトウェア,  ネットサービス, Posted by darkhorse