メモ

駅だった場所が跡形もなくなっている現場写真も、国土交通省が東北地方の鉄道網復旧状況を公開


国土交通省が東北地方太平洋沖地震で被害を受けた東北地方の鉄道網について、復旧状況をまとめたPDFファイルを公開しています。

いまだ復旧のめどが立っていない路線の1つである大船渡線について、この資料中には震災後の駅舎周辺の様子が多く掲載されていて、元通りに運行するところまで持っていくには長く厳しい戦いが強いられるのも納得できる内容となっています。ちなみに上記の写真は大船渡線・竹駒駅の駅舎を写したものです。


現在復旧している路線を示す図表や、復旧のめどが立っていない大船渡線の各駅の状況は以下から。報道発表資料:鉄道の復旧状況について(平成23年4月5日) - 国土交通省

大船渡線の竹駒駅、陸前高田駅、脇ノ沢駅の位置関係と、震災後の駅舎の様子を写した写真とを組み合わせた図。竹駒駅のみかろうじて駅舎と思われる建物が残っています。


小友駅の駅舎だった場所。


細浦駅の駅舎も跡形もなく、言われなければここが駅だったとは気づけない惨状となってしまっています。


大船渡線・大船渡駅があったとされる場所も、これまで見てきた場所とあまり差が分からない状態です。


津波によって線路が流出した鹿折唐桑駅。線路の上に流されてきたと見られる乗用車が乗り上げています。


橋りょうが流出した陸前矢作~竹駒駅間のある地点。こういった現場写真を見ると、沿岸地域の復旧が非常に困難を極め、いまだめどが立たない路線が多いのもうなずけます……


大船渡線の各駅の位置関係はこのようになっています。


これらの写真を見てから、東北地方の主な旅客鉄道路線の運行状況を色分けした図を見ると、運休を示す黄色で縁取られている太平洋沿岸地域の路線の状況がより生々しく伝わってきます。


一方、旅客鉄道輸送がすでに復旧した、あるいは復旧見込みが立っている路線もあります。新幹線・在来線共に復旧見込みの立っている路線が増えているのが分かります。


地図を色分けして分かりやすく図示した解説が続きます。まずは東北、山形、秋田新幹線の主な復旧状況。現在は東北新幹線の盛岡~新青森間と東京~那須塩原です。青森側に関しては一ノ関~盛岡間が4月7日に復旧予定、逆に東京側の那須塩原~福島間は4月12日に復旧予定となっています。福島~一ノ関間に関しては明確な日付は定まっていないものの、4月下旬までに再開予定とされています。


続いて在来幹線を見ていきます。すでに運行が再開されている路線も多くありますが、すべての路線に関して復旧予定が立っている新幹線に対して、福島第一・第二原発の周辺地域となる常磐線のいわき~亘理間は「被害情報収集中」となっていて、「立入調査ができない区域があり被害の全容判明には時間がかかる見込み」とされ、明確な復旧時期は未定となっています。


4月5日の会見で、JR東日本の清野智社長は、大船渡線をはじめとした運転再開の見通しの立っていない在来線について、「地元自治体と一緒に、復旧の在り方を検討したい。すぐに工事にはかかれず、時間がかかるかもしれないが、復旧に全力を挙げたい」と発表し、責任を持って復旧させる考えを強調しています。震災前の状態への復旧を目指すのか、あるいは都市計画ごとあらたにやり直すのかはまだ分かりませんが、復旧予定を立てるには確かにまだ時間が必要となりそうです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
気象庁が東北地方太平洋沖地震をM9.0に修正、20世紀以降に起きた世界の地震でも最大規模であることが判明 - GIGAZINE

東北地方太平洋沖地震の起きる前と起きた後の衛星画像を日本スペースイメージングが緊急撮影して公開中 - GIGAZINE

「東北地方太平洋沖地震」の様子を撮影したムービーいろいろ - GIGAZINE

遠くからでもできること、すべきでないこと、被災地の人々に迷惑をかけず助けとなるための行動法まとめ - GIGAZINE

in メモ, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.