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ファイルがダウンロードされればされるほどアップロードしたユーザーが儲かるオンラインストレージサイトまとめ



「ぬらりひょんの孫」「SKET DANCE」「エデンの檻」などを「MEGAUPLOAD」で公開していた18歳の男子学生を逮捕」という記事中で「MEGAUPLOADはダウンロードされた数に応じて報酬が支払われる方式」というように書きましたが、昨年あたりから海外のオンラインストレージ界隈ではこの動きが加速しています。

最初はRapidShareやMEGAUPLOADがオンラインストレージではシェアが大きかったのですが、そこへHotfileがダウンロードされればされるほどポイントがたまり、それを現金化できるという仕組みを導入して一気に追い上げてシェアを拡大、それを模倣して他サイトも次々と同じような仕組みを導入、現在のようなとんでもない状況になっている、というわけです。


というわけで、現時点で日本からの利用者が多いオンラインストレージサイトについて、どういう仕組みを提供しているかをざっとまとめてみました。

まず日本での利用者数が多いオンラインストレージサイトを調べるに当たって利用したのは下記のデータです。

ファイル共有ソフトの「現在利用者」は5.8%~利用実態のアンケート調査結果まとまる~
http://www.coda-cj.jp/news110204.html(Internet Archive)

上記サイトからダウンロードできるPDFファイル「ファイル共有ソフトの利用に関する調査報告書(速報版)」には、実際によく利用されているファイル共有ソフト名や、ファイル共有ソフトごとに共有されているファイルに傾向があること、さらにはオンラインストレージサイトでどのようなサイトがよく利用されているかなどについて具体的にサイト名を出してデータを公開しており、かなり参考になります。


これによると、日本からよく利用されているオンラインストレージサイトのトップ10は以下のようになります。

1位:MEGAUPLOAD
2位:Easy Share
3位:MediaFire
4位:RapidShare
5位:FileServe
6位:uploader.jp
7位:Hotfile
8位:FileFactory
9位:BADONGO
10位:Zippyshare


それぞれについて見ていくとこうなっています。

MEGAUPLOAD


・まず有料会員にならないと現金化は不可、ただし非有料会員でもポイントを集めて有料会員になればOKになる
・1回のダウンロードに付き1ポイント獲得
・1ポイントのカウントは一日にファイル1つ、IPアドレス1つに付き1回のダウンロード
・100MB以上のファイルは対象外
・対象になる国リストはこのページにあり
・報酬は以下のようになっています。
10000ポイント:プレミアム会員1ヶ月(9.99ユーロ相当)=約1120円
50000ポイント:プレミアム会員6ヶ月(39.98ユーロ相当)=約4483円
100000ポイント:プレミアム会員1年(59.99ユーロ相当、約6727円)+100ドル(約8225円)=約1万4952円
500000ポイント:終身プラチナ(199.99ユーロ相当、約2万2427円)+500ドル(約4万1128円)=約6万3555円
1000000ポイント:1500ドル=約12万3385円
10000000ポイント:10000ドル=約82万2571円
・報酬はPayPal経由で10日以内に行われるか、銀行振り込みを選択

Easy Share


・儲ける方法は全部で5種類あり、現在はそのうちの1つが廃止され、4種類が稼働しています
・1種類目は「ペイ・パー・ダウンロード・プログラム」、アメリカやイギリスから1000ファイルダウンロードされる度に20ドル(約1645円)、それ以外の国、たとえば日本などからの場合は1000ファイルダウンロードされる度に10ドル(約822円)。さらにファイルをダウンロードした人が有料会員にどれだけなったかでStandardとProfessionalにアカウントが分かれ、報酬に差が出ます。
・2種類目は「レベニュー・シェアリング・プログラム」、アップロードしたファイルのあるページから有料会員が出れば最低でも35%、月間のプレミアム会員数の申込数に応じてさらに0%~10%をボーナスで上積み、さらにダウンロード数と有料会員数とのバランスの質によって0%か5%のボーナスを加算という感じです。つまり、最大で35%+10%+5%=50%が収益になります。
有料のプレミアム会員は3つのコースがあり、30日間なら11.95ドル(約982円)、3ヶ月なら29.95ドル(約2463円)、1年間なら58.95ドル(約4849円)となっています。
・3種類目は「アドバタイズ・プレミアム・メンバーシップ」、会員になるとクーポンコードの発行が可能で、30日以内にその割引クーポンコードを使ってプレミアム会員になってくれたユーザーの支払った料金から35%が収益になるというもの。
・4種類目は「リファラー・プログラム」、会員になると自サイトからEasy Shareへのリンクコードが発行され、このリンク経由で誰かがプレミアム会員になると、ユーザーの支払った料金から20%が収益になるというもの。
・報酬はPayPal/WebMoney経由で10ドル(約822円)から、銀行振り込みは500ドル(約4万1128円)から(手数料50ドル、約4112円)

MediaFire

・ダウンロードされると収益になるというプログラムは特になし

RapidShare

・ダウンロードされると収益になるというプログラムは特になし

FileServe


・1000ダウンロードされる度に25ドル(約2056円)
・すべての国や地域からのダウンロードをカウントする
・どの国のユーザーからダウンロードされるかによってA/B/C/Dの4ランクに分かれ、さらにファイルサイズによって5段階に分かれる。

・「A」はアメリカ/イギリス/カナダ、日本は「C」
・アップロードしたファイルを公開しているページ経由で有料アカウントを申し込んでもらう度に25%の収益
・登録した自サイトからのリンクで申し込んでもらう度に5%の収益
有料アカウントは1日だけのお試しが4.99ドル(約410円)、30日間が9.99ドル(約821円)、180日間が34.99ドル(約2878円)、365日間が59.99ドル(約4934円)、730日間が99.99ドル(約8224円)
・報酬はPayPal/WebMoney/AlertPayで、20ドルから

uploader

・ダウンロードされると収益になるというプログラムは特になし

Hotfile


・無料会員登録してログインし、「マイアカウント」から「マイ紹介者」を選ぶと収益プログラムが表示される。
・紹介用のURLが生成され、このリンクURL経由で有料プレミアムアカウントを申し込まれると20%の収益になる
・さらに「マイサイト」から自サイトを登録すると、登録した自サイトからの有料プレミアムアカウントの申し込みのうち5%が収益になり、直近30日での売り上げが50ドル(約4112円)を超える度に1%ずつ上昇、最大15%までアップする。
・有料のプレミアムアカウントは1ヶ月で9ドル(約740円)、6ヶ月で35ドル(約2878円)、1年で55ドル(約4524円)。
・報酬の支払いの詳細は不明だが、おそらくPayPal/WebMoney/AlertPay経由、最低金額不明

FileFactory


・ダウンロードページ経由でプレミアムアカウントの申し込みがあった際には20%の収益
・プレミアムアカウントは30日間で1000円、90日間で2500円、180日間で4000円、365日間で8000円
・新しくアップロードするユーザーをFileFactoryに紹介して会員にする度に、その自分が誘った会員の収益の20%が自分の収益に。
・1000ファイルダウンロードされる度にファイルサイズとダウンロードするユーザーの国によって支払額が決まる

・「A」はアメリカのみ、日本は「C」
・カウントは無料会員と会員登録していないゲストの場合は24時間ごとにファイル1つ、IPアドレス1つに付き1回のダウンロード。有料のプレミアム会員からの場合はいくつファイルをダウンロードされても24時間で1つのダウンロード扱い。これは有料プレミアム会員だとたくさんダウンロードしまくるため。
・5MB以下のファイルはカウントしない
・報酬は20ドル(約1645円)から支払いで、PayPal/Moneybookers/Amazonギフト券を使用
・こんな報酬プログラムの紹介宣伝ムービーがYouTubeの公式アカウントで公開されています。


BADONGO

・ダウンロードされると収益になるというプログラムは特になし

Zippyshare

・ダウンロードされると収益になるというプログラムは特になし

こうやって見ていくと、それぞれいろいろと工夫して激烈な競争を行っているのがよくわかりますが、このシステムで儲けるのはちょっと合法的手段では無理なのでは……。

2011/02/09 14:49追記
個人で創作した何かを配布する際に利用すれば、それはそれで成立するかもしれないのですが、「ちょっと合法的手段では無理」と書いて結論づけたのには理由があります。

なぜこれらのファイルストレージサイトで金を払ってプレミアム会員になるユーザーが増えるのかというと、有料会員でない場合、ダウンロードするために30秒から1分以上、場合によっては25分ぐらい待たされるため。これを回避するためには有料アカウントである必要性があるわけです。

また、有料会員以外はダウンロード速度が制限されていたり、24時間当たりにダウンロードできる件数に制限を加えられていたりするため、だんだんといらいらしてきたユーザーが有料のプレミアム会員になる、というわけ。

そのため、一人のユーザーが一つのファイルをダウンロードするモデルというよりも、一人のユーザーが大量のファイルをダウンロードしまくろうと思うことによって初めて成立するのがこの「ダウンロードすればするほど儲かる」システムの肝ともいえる部分なわけです。

合法的に配布できるファイルだけだとおそらくこのモデルはなかなか成立しがたく、なおかつファイル容量の多いファイルであればあるほど収益分配が増えているのもこういう理由によるためです。

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in レビュー,   ネットサービス, Posted by darkhorse

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