生き物

ウィスコンシン州で発生した200頭のウシの突然死、原因解明


アメリカのウィスコンシン州にある農家で1月14日、200頭ものウシが死亡しているのが発見されました。

農家は首をひねり、陰謀論者は胸をときめかせ、マヤ文明の長期暦にもとづく2012年人類滅亡説に結びつけて騒ぎ立てる終末論者まで出てきたそうですが、ウィスコンシン大学マディソン校の獣医学者たちによりその謎が解明されました。犯人はサツマイモとのこと。

詳細は以下から。Study: Cows done in by bad spuds (Jan. 28, 2011)

ウィスコンシン州Portage郡Stocktonの雪に覆われた農家で、2011年1月14日、200頭のウシが死亡しているのが発見されました。


ウシたちは肺炎のような症状を見せていたため、呼吸器系の疾患を起こすようなウィルス性の病原菌が疑われたのですが、ウィスコンシン大学マディソン校付属のウィスコンシン獣医学診断研究所による検査では、牛ヘルペスウイルス牛ウイルス性下痢ウイルス牛RSウイルス(牛呼吸器合胞体ウイルス)・コロナウイルスを始めとし、そのような病原体は発見されなかったとのこと。

では、何が原因だったのかというと、今回のウシの大量死は「カビの生えたイモを食べたこと」で説明できるそうです。飼料のサンプルからイポメアノールというマイコトキシン(カビの二次代謝産物として産生される毒)が検出され、ウシの臨床的症状や解剖結果、ウィスコンシン獣医学診断研究所やほかの研究機関での検査結果から、大量死発生時の飼料の大部分を占めていたサツマイモが原因と結論されています。

農業では、人間が食べるには古くなりすぎた食べ物や、カビの生えてしまった食べ物を動物の飼料にするということは珍しくないそうです。今回のカビの生えたサツマイモも、人間の食用には流通していなかったので、人間の健康被害はないだろうとのこと。

カビが生えイポメアノールが生成されたサツマイモは表面に黒い斑ができ、切ると斑の下は緑がかった黒に変色しているそうです。強烈な苦味があり、人間が気付かずに食べるということはまず無いそうですが、サツマイモにはカビを生やさないように保管には注意してください。

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in 生き物, Posted by darkhorse_log

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