コカインと間違えて遺灰を盗み吸入した若者たち
by eqqman
ある女性が自宅に保管していた父親の遺灰と飼い犬2頭の遺灰が、縁もゆかりもない10代の若者たちによって盗まれるという不可解な事件が起きたのですが、その後の捜査により遺灰はコカインかヘロインだと勘違いされて盗まれたことが明らかになっています。
遺灰を鼻から吸い込み舌でなめた窃盗犯たちは、「何か違う」と気付いたものの「セメントだろう」という結論に至り、事件についての新聞報道により初めて遺灰だったことを知らされたそうです。
詳細は以下から。Police: Teens Snorted Ashes of Man, 2 Dogs Mistaken for Cocaine
フロリダ州Silver Springs Shoresの女性が2010年12月15日に帰宅したところ、空き巣に入られた形跡を発見し、宝石や家電製品のほか、父親と飼い犬のグレートデーン2頭の遺灰がなくなっていることに気付いたそうです。
若者たちを知る女性が、盗難された品目に遺灰が含まれると知って保安官事務所に情報提供したため、5人の10代の男性が容疑者として特定され、その後の取調べで今回の事件を含む複数の窃盗について自白したそうです。
左からWaldo Soroa容疑者(19歳)、Matrix Andaluz容疑者(18歳)、Jose David Diaz Marrero容疑者(19歳)。残り2人の容疑者は18歳未満のため名前などは明かされていませんが、20件の未解決の盗難事件に関与した疑いがあるとされ、全員が拘留中とのことです。
供述によると、容疑者たちはプラスチック袋に入れられつぼと木箱に保管されていた遺灰をコカインかヘロインだろうと考えて盗み、吸入したり舌で味を確かめてみたところ「コカインでもヘロインでもないようだ」と気付いたそうですが、友人のところへ持って行くと「セメントだろう」と言われたため、捨てずにとっておいたそうです。
空き巣事件が新聞で報道され、遺灰を盗んでしまったことに気付いた容疑者たちは「はじめは良心の呵責(かしゃく)を感じ、遺灰を返却することも考えたが、捕まるリスクが高すぎるので犬の遺灰は近くの湖に捨てた」と保安官に語っています。
供述を受け保安官事務所のダイバーが湖へ潜り、一時間ほどの捜索で犬の遺灰の入っていた木箱2つを発見することができました。一方、被害者の父親の遺灰が入っていたつぼは湖には投げ込まれなかったそうですが、捨てられた正確な場所がわからず現在も捜索中とのこと。
しかし、湖から発見された2つの木箱を調べてみると、1つは犬の遺灰、もう1つは人間の遺灰が入っていたそうです。容疑者たちは「コカインかヘロインだろう」と期待して遺灰を扱っているうちに、知らずにつぼに入っていた袋と木箱に入っていた袋を入れ替えてしまったようで、被害者の父親の遺灰と飼い犬のうち1頭の遺灰が湖に投げ入れられ、まだ発見されていないつぼの方にはもう1頭の犬の遺灰が入っているということになります。
湖から回収された遺灰はプラスチック袋に入れられ木箱に収められた状態で、水につかってはいるものの、火葬施設などで乾燥させることができるだろう、と保安官事務所のスポークスマンは語っています。
アメリカでは遺灰が薬物と間違えられ盗難されたケースはこれが初めてではなく、過去にはオレゴン州でひったくりにあった女性のハンドバッグが発見されたとき、持ち歩いていた犬の遺灰を入れた4つの封筒だけが消えていたという事件もあったとのことで、これもひったくり犯が遺灰を薬物と勘違いしてのことだろうと見られています。
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