サイエンス

好き嫌いは舌が敏感すぎるせい?自分が「超味覚」の持ち主かどうかチェックする方法

by dolanh

苦手な食材が多く、食べるものを自分で選べない子どものころは家庭での食事の時間や学校での給食の時間が苦痛だったという人や、外で食べると何を食べても「甘すぎる」「脂っこすぎる」「味が濃すぎる」などと感じるため外食を避けるようにしているという人は、実は「わがまま」でも「ぜいたく」でも「しつけがなっていない」のでもなく、舌が敏感なため同じ物を食べてもほかの人より味を強く感じているのかもしれません。

味蕾(みらい)の数が通常より多く味を強く感じるため食べ物の好き嫌いが激しい傾向があるという「Supertaster(スーパーテイスター)」は人口の25%ほど存在するといわれるのですが、自分もその1人なのかどうか簡単にチェックする方法を紹介します。

詳細は以下から。How to Tell if You are a Supertaster

プロピルチオウラシル(PROP)という試薬を使った味覚テストでは、人口の約25%はこの試薬の味を感じることができない「Nontaster(ノンテイスター)」で、残り75%は程度に差はあれ苦味を感じることができるのですが、その苦味を感じることができる人のうち25%が、さらに敏感な「スーパーテイスター」に分類されるそうです。男性より女性の方がスーパーテイスターである割合が高く(女性35%・男性15%)、人種的にはヨーロッパ系よりアジア・アフリカ系でスーパーテイスター率が高いとのこと。

スーパーテイスターは平均的な味覚の持ち主より3倍ほど強く味を感じると推測されています。このため、ホウレンソウやケール、キャベツなどの緑の野菜が嫌いだったり、グレープフルーツジュースや緑茶、コーヒー、炭酸が強い飲み物が嫌いだったりする傾向があるとのこと。必ずしもすべてのスーパーテイスターがこれらの食品を嫌うわけではありませんが、スーパーテイスターの集団とそうでない集団を比較すると「嫌われがち・避けられがち」な傾向が確認されています。


味を感じる味蕾の大多数は、舌の表面にある乳頭と呼ばれる突起に付いているのですが、スーパーテイスターではこの乳頭の数が多いので、厳密とは言えませんが乳頭を数えることにより自宅で簡単に自分がスーパーテイスターかどうかチェックすることができます。用意するものは、青い食品用着色料・直径7mmの穴を開けた紙・鏡・虫眼鏡となっています。

まず、青い食品用着色料を指または綿棒などにとり、舌を青く染めましょう。


鏡で見たときに、青く染まらずピンクに残っている丸い小さな突起が、茸状乳頭(Fungiform papilla)です。この茸状乳頭を数えることによって自分がスーパーテイスターかどうか判断できます。


具体的には直径7mmの範囲に茸状乳頭が35個以上程度でスーパーテイスターに分類されるとのことなので、直径7mmの穴を開けた紙を舌にあて、虫眼鏡を使って数えればOK。市販のパンチの穴の直径は6mm~8mmなので、うまく利用するとよいかもしれません。また、そこまでしなくても鏡で舌を観察するだけでも、味蕾が多い方か少ない方かはある程度判断できそうです。大まかには、直径7mmの範囲に茸状乳頭15個~35個程度が「標準的」、それより多いのが「スーパーテイスター」、それより少ないのが「ノンテイスター」と分類できるとのこと。

背が高い人と低い人、目が茶色い人と青い人などがいるように、「スーパーテイスター」や「ノンテイスター」は病気でも何でもなく、体質の違いに過ぎないので、特に治療の必要も気に病む必要もありません。スーパーテイスターは脂っぽい食品を嫌う傾向から、肥満や心臓血管病のリスクは低いそうですが、野菜嫌いな傾向から大腸癌などの癌のリスクは高いとのことなので、「味蕾が多い」「ホウレンソウが嫌い」「脂っこいものが苦手」などと思い当たるふしがあった人は、食べやすい調理法などを工夫してできるだけ緑の野菜をとるよう心がけるとよいかもしれません。

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in サイエンス,   , Posted by darkhorse_log

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