メモ

製品やサービスの値段を決めるために知っておくべき「8つの価格戦略」


ネット経由で物を売ることは以前よりも簡単になり、例えばiPhoneアプリなどの形で個人でも商品の値付けをする機会が増えてきましたが、どれぐらいの価格にするのが一番ベストなのかというのはかなり迷うところ。Appleのような会社であっても価格決定には非常に慎重で、自社製品の価格を決定する際に細心の注意を払い、そのためだけに専門の会社、つまり最適な価格を決定することが仕事という会社に依頼していたほどです。

今回は個人レベルでも今すぐ簡単にできる方法として、「The Art of Pricing」という書籍中で触れられている顧客心理に基づく8つの価格決定戦略を参考にしてみましょう。どれもこれも身に覚えのあるような価格決定方法ばかりなのですが、改めて整理してみることによって、自分の商品についてどういう戦略で値付けをすればいいかがわかりやすくなるはずです。

8つの価格戦略の詳細は以下から。
Pricing strategies to get more profits | Small Business Trends

その1:「9」と「0」の効果

By flatworldsedge

ユーザーは「9」を「お買い得」という感覚と結びつけ、「0」を「品質の高さ」と結びつけます。例えばファーストフードのチェーン店と、高級レストランの価格表を見比べるとそのことがよりはっきりと理解できます。極端な話、9999円と10000円とでは、前者は「お買い得っぽい価格、安い価格」というイメージを与え、後者は「1万円という価格相当の品質」をイメージさせやすい、ということです。わずかな差ですが、それによってどういうメッセージをユーザーに与えるかが決まります。自分の提供する商品やサービスはお買い得っぽさを出してお値打ち価格であるという安売りの印象の方がマッチしているのか、それともちょっと高級な価格っぽくして品質を得られるという点を重視した方がいいのか、どちらを選ぶかによって価格が違ってくるわけです。

その2:満足度を上げる支払い方法


例えば運動不足なのでスポーツジムに通い始めるとして、段々と行く気がなくなっていって2ヶ月目あたりでやめてしまう、という現象がありますが、これがまさに「満足度」と「支払い方法」の関係の一端を示しています。例えば年払いとして一括でまとめて支払ってしまうと、その1年間は使おうが使うまいがもう同じなので、満足度はその1回の支払の時だけに限定されます。対して製品やサービスについてその度ごとに支払っていると、1回だけ支払うよりもより多くの満足度を得る機会が増えていきます。買い物症候群と同じような理屈で、お金を使って何かを得る度に満足を得ることができるので、1回ぽっきりの支払よりも毎月払いのようなものの方が実は全体的な満足度は高くなる、というわけです。買う側としては一見すると1回でまとめて払う方が良さそうな気はするのですが、「何回満足度を与えるか」「顧客満足度を上げるにはどうすればいいか」という売る側の視点に立って価格を考えると話はまったく違ってくる、ということです。

その3:価格によるブランド効果


より高い価格はより高い品質を暗示していることになります。いわゆる高級ブランドはこの戦略を行っています。これはスターバックスのような店でも行われており、例えば「ラテ」とカテゴリ分けすることによって、通常の喫茶店でコーヒーを頼んでクリームが付いてくるよりも高級なイメージを醸し出しています。これはそれだけの高い価格を納得させるだけの製品の外観・パッケージング・配達方法・保証契約を改善することによって、ブランドを確立するという戦略です。

その4:アンカー・プライシング

By Eole

アンカーとは船についている「錨(いかり)」のことで、船が波によってどこかに漂流してしまうのをガッチリ防ぐ役目があります。それと同じで、要するに心の支え、よりどころになるもの、そういう価格戦略のことです。例えば顧客がその製品に慣れていない場合、アンカーとしてカテゴリー内の最も高価なモデルを使用する傾向があります。また、スーパーマーケットのプライベートブランドはこの戦略のよい例で、あまり解説されることはないのですが、もともとのブランドとほぼ同等のものを親しみのあるスーパーマーケットのブランドにすることによって、消費者が選びやすくするという隠れた効果もあるわけです(どれを選べばいいかわからないときにスーパーマーケットの名前やプライベートブランド自体をブランド化してアンカーとして消費者を安心させる)。

その5:量を暗示させる価格

By sea turtle

例えば「5本入り500円」のような感じで、量と価格を示すとその価格を消費者は受け入れやすくなります。その価格を支払うことによって、いかにたくさんのものを手に入れることができるかというポイントをわかりやすく示すことによって、その価格の妥当性を理解しやすくする、というわけです。

その6:「大きい」損失よりも「小さい」損失


お金を払うということがそのまま満足感に直結する場合もありますが、あまりにも金額が大きい場合は満足度よりも「損失」と感じる方が大きくなってしまい、お金を払ってくれなくなります。この壁を乗り越えるためには、より少ない金額を何回か払うという方法、要するに分割払いを提案するべきです。例えば4万円のものであれば、毎月1万円ずつ支払う、というような感じです。これにはさらにもうひとつの効果として「その2:満足度を上げる支払い方法」で触れたように、支払回数を増やすことで満足度を引き上げるという側面もあります。より低い価格を知覚することによって、損失が抑えられた気になり、さらにお金を払う回数が増えるので満足度も上昇する、というわけです。

その7:価値を示すためにバンドルして増量する

By captcreate

バンドルというのは例えばパソコンのハードウェアなどでよく行われている手法で、Blu-rayドライブを購入するとBlu-rayの再生ソフト・BD-Rに記録するソフト・映像編集ソフト・バックアップソフト・ブランクメディアなどがおまけでたくさん付いてくる、というような手法です。1つの商品の中にたくさんいろいろな物が入っていれば入っているほど、そのことを知ることによって消費者は「たくさんあるからお買い得だ」と思うようになる、というわけです。オマケをたくさん付けてさらに多少値引きすることによってさらにこの感覚は加速することが可能です。

その8:みんな安売りが好き

By meiburgin

大幅な値引き、例えばバーゲンであるとかディスカウントであるとか、そういうセールを告知すると売上が増えます。この安売りを好む客には2種類あります。

パターン1:たくさん支払うだけのお金を持っていないので価格に敏感(=そもそもお金がない)
パターン2:バーゲン自体が好きでいつも探し回っておりあまり多くのお金を払いたくないので価格に敏感(=お金はあるが使いたくない)


そして両者ともに「たくさんゲットできた」ということを感じたい、という共通点があります。

これら8つの基本的な戦略を駆使し、あるいは組み合わせることによって、隠れている収益を浮かび上がらせることができる、というわけです。自分が売りたいと思うもの、誰に売りたいのかというターゲット、どういうものを顧客に経験して欲しいのかというユーザー体験などによっていろいろと変わってきますが、そのための根本としてこれらの戦略を知っておくと役に立つはずです。

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in メモ, Posted by darkhorse