取材

ビジネス構造が変容を迎えつつある「日本のアニメーション産業の現状と未来」を動画協会理事長が語る


東京国際アニメ祭2010秋ではいくつかのシンポジウムが行われましたが、その中で主催者による特別講演が「日本のアニメーション産業の現状と未来」というテーマで行われました。

パネリストは一般社団法人日本動画協会理事長の布川郁司さん、モデレーターは専修大学ネットワーク情報学部教授の福富忠和さん。布川さんは「BLEACH」や「NARUTO-ナルト-」を制作しているstudioぴえろの社長でもあります。

現在の製作委員会方式を中心と知るビジネスの事情や、海外市場の現状など、様々なアニメ産業の現状と未来が語られたシンポジウムの内容は以下から。
日本動画協会作成の「アニメ産業レポート」のデータなどを使いつつ、アニメ産業の現状分析が行われました。左に座っているのが福富さん、右に座っているのが布川さん。


◆アニメのビジネスモデル
これは日本動画協会会員対象に行われた売上アンケート結果。2006年をピークとして下がってきているように見えますが、これについて布川さんは、アニメ制作会社はその90%以上がテレビの仕事を生業としており、テレビというメディアの行き先に対しての不安感、具体的にはテレビシリーズの本数の落ち込みが反映されているのではないかと分析しました。


福富さんによると、アニメ産業の構造はテレビアニメ+ビデオグラムのビジネス形態で2006年まで伸びてきていたが、それ以降はマーチャンダイジングと配信ビジネスが伸びるようになっており、また、音楽CDが売れない中でアニソンについてはむしろ伸びており、業界の構造が変化しているのではないか、とのことで、これには布川さんも頷いていました。

もともとのビジネスモデルは一社がスポンサーについて番組を成立させるというスタイルで、枠代、製作費全てスポンサーが払うという形でしたが、だんだんとそのモデルが減少し、今はテレビシリーズでは2~3割ほど。残り7~8割は製作委員会方式になっているのだとか。


アニメといっても、「サザエさん」「ドラえもん」「アンパンマン」のような超ロング市場のものから深夜に放送されている「萌え系」まで様々なジャンルがあり、一つの切り口でまとめるのは不可能。たとえば、「サザエさん」などはホームドラマのような感じで放送されており、昔のマーチャンダイジングとの連動ができたジャンルになっています。また、「NARUTO-ナルト-」「BLEACH」などコミック連動のジャンルでは、連載時のデータをもとに視聴率を計算したり、スポンサーがこうつくだろうといういろいろなビジネスのスキームが加わって成立しているそうです。

制作会社は、テレビをベースにマーチャンダイジング、ビデオグラム、国内盤、海外盤版とどう二次使用を広げていけるかと考え、いかに制作費をペイライン(損益分岐点)に抑えるか、どう二次使用につないでいくか、というモデルでやってきましたが、最近はこれが変化し、マーチャンダイジングも子ども向けジャンルから広がってきています。

これが商品化二次利用の売上データ。日本動画協会会員社のデータでは、2009年が史上最高の売上になっているそうです。布川さんは、子どもだけのデータではこの数字にはなり得ず、若者文化の中でのマーチャンダイジングが伸びていった結果だろうと考えを述べました。


アニメの制作本数は2006年がピークながら、そんなには増減していないのですが、総本数としては減少しているのだそうです。現在深夜に放送されている作品は製作委員会方式が多く、この製作委員会の中ではビデオ関係会社からの出資が多いのですが、現在はビデオ関係は商業的に冷えた状態にあり、なかなかシリーズとして半年で26本、1年で52本という制作本数が整わず、1クール(3ヶ月)13本、ヘタすると6本というシリーズが増えているとのこと。そのため、全体の本数はさほど変わらなくてもシリーズ総本数で見ると激減しているのだとか。プロダクションとしては、シリーズを作るときには数百人のスタッフが絡むため、ロングシリーズほどコストが下がる一方、シリーズがころころ変わるとコストが苦しいのだそうです。

この「製作委員会方式」をテレビで導入したのは95~96年の「新世紀エヴァンゲリオン」だと言われています。布川さんによると、スポンサーが全出資するモデルだとスポンサーがつかなければ番組が成立せず、また、スポンサーが直前に決定して制作がオンエアに間に合わないような厳しい状況での制作を強いられることもあるのだそうで、企画にOKが出た時点で制作を始められるというメリットが製作委員会方式にはあるとのことでしたが、投資効果としてはリスク減少の代わりに収益はそれほどよくもないのだとか……。

◆劇場用アニメ、アニメ配信
劇場用アニメは2008年の興行収入が低く、2009年はかなり回復して338億円。このうち「崖の上のポニョ」が150億円という圧倒的な数字を出しましたが、これを抜いて183億円としても、前年比60%増という好成績だったそうです。


ここ数年、邦画が洋画を興行で上回っているという状況が続いているようですが、その大きな下支えになっているのはアニメーションだろうと布川さんは自負を見せました。実際、ヱヴァンゲリヲンが40億円、サマーウォーズが16億円と、かなりのヒットを飛ばしています。

他の市場では、配信がかなり伸びてきており、動画協会のアンケートではだいたい57億円市場になっているそうです。見渡すと小さな市場ながらも、10年前にはほぼゼロだったのでかなり伸びたと福富さんは成果を認めました。また、モバイルコンテンツフォーラムのデータによると携帯電話市場も112億円に至っており、おそらく半分はアニメではないかとのこと。動画協会やプロダクションはインフラ側ではなくコンテンツ制作側なので、テレビがどのように変化していくのか、その他のインフラがどう変化していくのかを注視しているようです。

福富さんによると、携帯電話の数字が伸びているのは昨年からiPhoneを始めとするスマートフォンが登場し、動画を携帯電話で受信するっていうのが比較的普通のことになってきたのも追い風になっているのではないかとのこと。


◆音楽業界の中のアニメ
音楽はここ10年で30%くらい数字を下げているのですが、アニメサントラは2009年データでいうと前年比113%と、全体の中でそうとう重要な位置になっているそうです。


新譜売上でも、他ジャンルがかなり上下するのに対してアニメは非常に堅調に推移。数は少ないものの、確実に売上を伸ばしているようです。音楽業界では今は音楽CDよりもライブで回収する方向になっているそうですが、これももう半分ぐらいは声優コンサートを始めとするアニメ系だといわれているとのこと。


◆海外とのビジネス
福富さんによると、海外で日本のアニメーションやゲームの評価が高い(いわゆる「クールジャパン」)のに、だんだんとアメリカ国内のアニメーションへの投資効果が出てきて日本のアニメに頼らなくなってきているという状況があるそうで、「NARUTO-ナルト-」や「幽☆遊☆白書」といったコンテンツを持つぴえろでもかなりの被害を受けたそうです。

日本映画の海外興行収入データによると、アメリカでの歴代興行収入ベスト10には実写映画はソニーピクチャーズ版「ゴジラ」と「影武者」しかなく、他はポケモンや遊戯王、NARUTOなどのアニメ映画だったそうです。そんな日本のアニメが減るというのは、アメリカはかなりの距離に感じているのではないかと福富さんは分析。一方で、ハリウッドのプロデューサーと会うこともあるという布川さんは、半端じゃないぐらいの興味を示してはいるがテレビについては壁が厚いのだと語りました。しかし、映画についてはいろいろな話があるそうで、「将来的のことを考えれば、いろんな面白いことができるんじゃないかな」と期待しているそうです。

布川さんはアニメの違法ダウンロード問題にも触れました。これは、どの国でも日本のアニメを知っているというプラス面と、お金にならないというマイナス面を持っており、いかにしてビジネスにしていくかを真剣に考えなければならないと語りました。福富さんは、中国での日本の海賊コンテンツは一兆円ぐらいあるので、これを全部回収できれば状況が変わるのではないか、と付け足しました。

国内のコンテンツの市場規模は13兆円ぐらいで頭打ちになるため、これを増やすためには海外で売るしかないのですが、福富さんが産業データを調べたところ、かなり新しい国とのビジネスが増えているのだそうです。


布川さんによると、最初に日本のアニメーションが買われていったのはアジア近郊とヨーロッパが多かったとのこと。昔、日本がテレビ草創期にアメリカのアニメやホームドラマを仕入れていたように、日本のアニメーションがいろんな国で放送されていき、今やヨーロッパのアニメ世代の人たちは第3世代ぐらい。

10年ぐらい前に布川さんがヨーロッパにいたときは日本のアニメはボロクソに言われていて、特に知らない人がいないほどの名作文学であるハイジを、日本では「おてもやん」みたいなキャラクターでアニメ化しており、これがヨーロッパに来たときには偉い児童文学者がカンカンに怒ったそうです。しかし、ヨーロッパの子どもたちもあのハイジで涙を流し、やがてハイジの顔が定着したそうです。フランスでドラゴンボールがヒットしたときに「日本のアニメは子どもに害をもたらす」と輸入量を減らされた時期もあったそうで、それでも日本のアニメーションはここまで生き残り、面白さや楽しさを他の国に広げています。

地上波放送しかないときは海外から入ってくるメディアにとても敏感なので、日本のアニメが入らない国も多かったそうですが、今は衛星放送やケーブルテレビなどの普及で日本のアニメーションがいろんな国に入っており、近年はサンマリノやナウル、アイルランドなどとも作品契約をしています。しかし、作品契約数の割には海外収益は増えていないのではないかという話もあるようです。布川さんは、娯楽に飢えた人々が日本のアニメに飛びついたところで、まだビジネスにするのはこれからだと分析。著作権に対価を払うという考えがもっと広がればと、苦労を打ち明けました。

◆日本のアニメのオリジナリティ
著作権に絡めて、福富さんはタイで見かけたドラえもんのコピー作品「サイドモン」(?)を紹介。猫ではなくトラなのですが、見るだけでどれがどのキャラクターに対応しているかすぐに分かり、中身もストーリーも同じながらも設定だけはタイ、しかも3Dアニメーションだったそうです。これだけ作れるのに、なぜキャラクターと物語が作れないのか?と疑問に思ったそうです。

制作者側である布川さんは、日本のアニメのすごさは単純に流行り物だけじゃなく、周到な準備をして、キャラクター設定をきちんと起こして、全部調べ上げて作っているところにあると解説。予算の関係上、絵の枚数の限りがあったりしてフルアニメーションみたいなものは作れないものの、コミック連動作品も多いことから、ストーリーやキャラクター作りに関しては相当細かく、他の国にはちょっと真似できないレベルで作っていると語りました。

過去、玩具会社のマーチャンダイジングとの連動でガンダムが生まれたり、ヤッターマンが生まれたりしてきましたが、今はオリジナルが生まれるバックがないため、オリジナルを出したくても出せないという現状があるそうです。決してアニメ界にオリジナリティがないわけではないので、そういうメディア、場をどうやって作っていくのかが我々の責任なのかも知れない、と布川さんは締めくくりました。

◆質疑応答
秋山:
デジタルハリウッドの秋山です。今日使った数字は基本的に日本動画協会の数字がベースになっているが、動画協会のアニメ産業に占める比率はどれぐらいなのでしょうか?

福富:
会員者数ですか?

秋山:
今日の数字にどれくらい上乗せした数字が「日本のアニメ産業」と考えたらいいのでしょうか?

布川:
これは非常に難しい質問です。一つは、我々アニメーションの業界だけの売上げなのか、DVDやらなにやら売ったという数字まで入れた全体の売上げなのかという点で、それも含めると何兆円規模だなんて聞きますが、「えー、何兆円規模も我々の業界にあるのか?」とはなはだ疑問な数字でもあるので……。正確な数字というのは我々の業界内だけで積み上げたっていう数字なんで、ここにどれくらい周りの売上げを加味するかっていうのは……。

福富:
動画協会会員者外のアニメ産業さんの売上げは、この数字にどれくらい増やして考えればいいのかってことだと思うんですね。

布川:
それはよくわからないね。

秋山:
いろいろなお話を聞いていると、日本のアニメーションはすごく勢いがあって結構市場もあるっていう話なんですけれども、実際に動画協会さんとかのデータが出てくると、そんなに大きくない。その乖離状態がどこから出ているのかなと。

福富
大きくはないといっても1000億とかは超えるわけで、小さくはないですよね。あとは、会員外の方も……これはアニメの制作っていうところでのカウントなので、テレビとか別のところでカウントされてるわけですね。コンテンツ産業としてはそれほど誤差はないとおもいます。

秋山:
わかりました。いずれにしてもこういう数字っていうのは見方が難しいですよね。
アニメーションが受ける、受けないっていうのは、技術じゃない、作画主義じゃないってことは分かってるんですけれども、ワールドワイドの流れの中で、日本のお家芸である2Dに対して3Dアニメが力をつけてきてると思うんです。3Dのアニメの中で日本が戦っても勝ち目がないというか、あんまり旨味がないと思うんですけれども、そういう状況の中で、今後日本のお家芸であるところの2Dのアニメを拡大させていく要素、あるいは3Dというものにも手を出していかなきゃいけないのかなっていうところ、その辺のお考えはいかがでしょうか?

布川:
これについては、この間当社で一本苦労した作品がようやくできあがって試写をやりました。来年のゴールデンウィークに公開する映画で「鬼神伝」というタイトルなんですが、7年近くかかりました。これはもうほとんどオール手描き、現場で描いた枚数は20万枚近いと言ってましたけれど、これだけの大変さをこれからも続けられるのかなっていう不安感は非常にあります。やっぱり手描きがもつ良さっていうのは日本のアニメーションの、3Dでできない味を出すという極めた部分でもあるんですけれども、これも人間の手に負えないことが圧倒的に多いものですから、そういうアニメーター、クリエイターの人たちが確実に育っているのか、というと非常にこころもとないといのも一方で我々アニメーションのひとつの現状としてあります。
デジタルハリウッドさんからのご質問なので、学ぶ場ともお互いがどう知恵を出し合いながら人を育てていくべきなのかっていうことで言えば、なかなかプロダクションの中は人を育てていくコストをそこまでかけられないっていうのもあるし、我々の側からすると、そこまでのレベルの人たちはなんとか学びの場で勝ち取ってほしいという意見もあるので、アニメ産業界と教育界がちょっと離れたスタンスにいたんじゃないかなっていう気持ちもあります。私の希望からすると、もっとそれを深めていかなければ、学ぶ場のほうも人も来なくなってくるし、我々の業界も人材が育たなくなっていく。そういう悪しきものになってくるような気もするんで、お願いとすれば、やはりこの業界をもっともっと活性化させるために、3Dでも2Dでも同じことなんですけれども、技術者を、クリエイターをどう育てていくかっていうのを課題にしたいなぁと思っています。

秋山:
はい。ありがとうございました。

伊藤:
ブラザー工業の伊藤と申します。これからは携帯電話とか、配信も主流になっていくと思うんですけれど、メディア、インフラがそういう風に変わってきたとき、コンテンツの現場として、クオリティとか作り方とか、どのようなものにしていくのか、どのように展開していくのか、そういうことのお考えがあればお聞きしたいと思います。

布川:
先ほどお話ししたように、モバイルであろうとテレビであろうと、アニメーションを作ること自体はなんら変わっていないし、それを作るための面白さとかアイデアとかっていっぱい出ますけど、それをどう使われようかっていうインフラまでは考えませんから、そういうことはどんどんどんどん我々に提案していただきたい。で、お金をいっぱい落としてほしい(笑)。

福富:
制作方法として、たとえばFlashアニメーションのような比較的軽量で、ネットに特化した作り方も一部行われていますよね。

布川:
それはもうなんらこだわるものではなくて、それはひとつのものを作る手段ですから。Flashにしてもね。ただおそらく、プロのプロダクションはやらないんじゃないですかね?

伊藤:
そうなるとたとえば、プロじゃない方がFlashアニメを作ると、そうなったときの差っていうのは、やっぱりクオリティとかの差になるわけですね。

布川:
そうですね。

町田:
CCCの町田と申します。今、日本でアニメーション作られる時に、だいたい原作がアニメ化されるという流れがあると思うんですけれども、原作の枯渇化、今で言うとライトノベルが原作という位置づけになっていますが、今後アニメを制作する上で、制作サイドから原作に頼らないという考え方はあるのかな、と。

福富:
オリジナルアニメ、ということですね。テレビではあんまりないですかね?

布川:
もちろん我々もすべてを否定しているわけではなくて、当社で言えば数年前、NHKで「十二国記」っていうのをやったんですけれども、あの作品は漫画じゃないですね。ノベライズからアニメーションにしました。テレビで作品を成立させるというのはそんなに簡単じゃないです。ハイコストがかかって、番組を制作していく上で相当苦難の道を歩むので、その中でこういうことが絶対にできますよ、というのは言い切れないんですけれども、我々プロダクションとしてはいろんなとこに目配り、気配りをして、番組を面白く作れたらという試行錯誤をしてるんで……いろいろご助言ありがとうございました(笑)。

福富:
フジテレビさんだとか、NHKさんのように、あえてオリジナルアニメを作ろうとしている向きもありますよね。それからゲーム会社さん発で委員会を組んでるようなケースもあると思うんで、増えてきてるとは思うんですよね。ただやっぱり漫画の本数っていうのはすごく多いんで、そこに頼ってるっていうのはしょうがないと思いますね。

町田:
ありがとうございます。

中沢:
ジャックインザボックスの中沢と申します。さきほど原作つきというお話があったんですけども、最近、ゲーム原作、それも深夜アニメとかだとアダルトゲーム原作のアニメとかが最近多いと思うんですけれども、その反面ですね、特にレーティング、特にコミックだと二次元関係の規制とかが世の中うるさくなってきたのかな、と思うんですけれども、今後アニメについてアダルトゲーム原作であったりとか、きわどいシーンがあるアニメとかっていうものが増えていくのか減っていくのか、現状のままなのか、その辺をちょっとお聞かせ願えればありがたいな、と。

布川:
私もちょっとその辺はわからないんですが、どうなんでしょうか、その辺は?

福富:
アダルトゲーム原作であっても、テレビになるとゲームとは違うものになってますよね? テレビにかかるような内容になってますよね。

中沢:
そうですね、まったくそういうもの抜きになってるわけですけれど、タイトルはそのままじゃないですか。

福富:
それはスピンオフということなんだと思うんですよね。動画協会としては基本的に規制には賛成はしていないと思うので(笑)。ですよね?

布川:
一時、いわゆるアダルト系ビデオの制作販売をした時にちょっといかがなものかというようなことがありました。それが放送に来てるんですかね?テレビでやってる以上は基本的には報道の自由なわけだし表現の自由もあるので、テレビでかけたものを協会でダメだっていうことはないだろうからね、それはちょっと答えづらい質問ですね。

福富:
それでアダルトが増えていくってことじゃないと思いますけどね。よろしいですか?

中沢:
ありがとうございます。

松岡:
ライターの松岡です。さきほどタイのお話がありましたけれど、中国でもやはり国策としてアニメをバンバン作ってるわけですが、タイと事情は同じで、キャラクターとか物語というのが作れなくて、作った物がドラえもんのコピーだったり、というのが現状なんですけれど、そこが成熟して、10年20年後に物語を作れる、キャラクターを作れるようになった時、日本の脅威となると思うんですけれど、そのあたりはいかがお考えでしょう?

布川:
脅威になるかは分かりませんけども、合作はなかなかできないですね。今まで、いろんなプロダクションが何度かチャレンジもしてるんですけれど、なかなか上手くいったっていう話は聞かない。ただ、それは非常に技術的なレベルの話で、例えば中国のある一部分のプロダクションであるとか、韓国のあるプロダクションから3Dのテレビシリーズについてのプレゼンテーションを受けたとき、すごいクオリティが高くて、制作予算を聞いたら「この値段でできるの!?」みたいな情報も入っているので、企画とかビジネスにしていくっていう力は日本のほうが長けてるんじゃないかと思います。だから、うまくそういう技術とタイアップするっていうのは遠い話じゃないな、という感じは受けてます。前から比べればその壁がずいぶん少なくなってきたなっていう感じを受けますし、特に韓国なんかは非常に近しい文化性を持ってますし、ある部分、日本のものをモデルとして学んだっていうのが、いろんなものの壁がようやく溶けていろんなことがやれる感じがしてますんでね。そういうひとつのきっかけ、モデルを早く作りたいなと思ってます。

福富:
脅威っていうように考えるよりは、むしろ一緒にやっていこうよってことですよね。

布川:
ええ。

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in 取材,   アニメ, Posted by logc_nt

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