アート

内戦で赤く染まったコンゴを表現するかのような美麗な赤外線写真


以前GIGAZINEでは、廃墟となった宮殿に米軍が駐留するイラクの不思議な光景をとらえたRichard Mosse氏による写真を紹介したことがありますが、その写真家Richard Mosse氏の新作「QUICK」は、コンゴ民主共和国東部の風景や人々をとらえた赤外線写真のシリーズ。

肉眼に映る光景とは違った色彩を写すことができる赤外線写真は芸術的表現の手段として用いられることもありますが、木々の緑が赤く写るタイプの赤外線フィルムを使用したこれらの写真は、幻想的で美しい光景でありながら、コンゴの紛争で流された「血」を表現しているようでもあります。

詳細は以下から。Richard Mosse | Photography

「Trouble With Classicists」と題された写真は2010年にキンシャサからブカヴへ向かう飛行機の機内から撮影。一見普通の写真のようにも見えますが、雲の下に広がる森林地帯が赤く写っています。


「Another Green World」はキサンガニからブカヴへ向かう機内から撮影。これらの写真はコダックのエアロクロームという赤外線フィルムで撮影されているのですが、植物を写すと葉が反射する光で健康度合いが分かり、波長変換により不健康な葉はマゼンタに、健康な葉は赤く写るそうです。


「Everything Merges With the Night」はキンシャサへ向け降下する機内から。


「Battleground Bambou」は、Ituri conflictと呼ばれる争乱が続くイトゥリ州で。


「The Road To Hell Is Paved With Good Intentions」(2010年)、イトゥリ州。


「Better The Devil You Know」は北キヴ州で撮影。タイトルは「まだ見ぬ悪魔よりは知っている悪魔の方がまし」という意味の慣用句から。


「We Hate It When Our Friends Become Successful」(2010年)、北キヴ州。


「General Janvier」(2010年)、北キヴ州。


「Tutsi Town」(2010年)、北キヴ州。


「Colonel Soleil's Boys」(2010年)、北キヴ州。


「Blues March」(2010年)、北キヴ州。


「Nowhere To Run」(2010年)、北キヴ州。


「The Blue Mask」(2010年)は南キヴ州とルワンダ西部にまたがるキブ湖をとらえた写真。周囲を山々に囲まれた美しい景観から、将来的には観光産業の発展も期待されているキブ湖ですが、コンゴ側、ルワンダ側ともに湖岸は紛争地帯となっています。


このほかにもRichard Mosse氏の作品は以下のサイトから見ることができます。

Richard Mosse | Photography

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in アート, Posted by darkhorse_log

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