安全性の問題から販売中止となった花王の機能性食用油「エコナ」、まもなく再販売か


人間の生活と食事は切り離せませんが、何でも好き勝手に食べていると健康を損ねてしまいます。油を摂りすぎると脂肪がついてしまう、ということで油を控えた食事にしているという人もいるのではないでしょうか。

花王の食用油「エコナ」は主成分がジアシルグリセロール(DAG)という物質で、これは一般の食用油に比べて体に脂肪がつきにくいとされているもの。特定保健用食品の適用も受け、多くのコマーシャルも流れていましたが、2009年9月に人体に悪影響を及ぼす物質が含まれているという指摘を受けて製造・販売が中止されていました。

しかし、花王は研究を重ねてこの問題を克服、再発売へ向けて取り組みを始めたそうです。

詳細は以下から。
販売中止に至った経緯 | 特集2 エコナについて | CSR/サステナビリティ レポート 2010 | 花王株式会社

エコナは1999年に登場。体に脂肪がつきにくいということで、食用油で初めて特定保健用食品を取得しました。エコナは花王が長らく研究開発してきた知見を生かし、生活習慣病などの予防に役立つ商品として発売したもので、消費者からは好評を得ていました。

しかし、2009年にドイツの研究機関が食用油の中に微量に含まれる「グリシドール脂肪酸エステル」が人体に影響を与える可能性があることを示唆。「グリシドール脂肪酸エステル」は、これ自体には発がん性や安全性への懸念はないとされているのですが、体内で分解されると発がん性のあるグリシドールに変化する可能性があります。


「エコナ」は本当に安全だったのか?販売自粛の原因である「グリシドール脂肪酸エステル」とは? - GIGAZINE

花王がエコナを調べたところ、グリシドール脂肪酸エステルが精製工程の中で生成され、一般の食用油よりも含有量が多いと判明。含有量低減のため、製造と販売を一時中止しましたが、それが消費者の不安を煽る結果となり、製造・販売中止の発表から1日で16万件の問い合わせ(従来の1年分に相当)があったそうです。その結果、混乱を招いてしまい、責任を取るような形で10月に特保許可の失効届けを提出することになりました。

花王は食用油中のグリシドール脂肪酸エステルを低減させるべく、食用油中のグリシドール脂肪酸エステルを直接分析する方法を新開発。一般の食用油と同程度までグリシドール脂肪酸エステル含有量を減らす目処がついたそうで、これから再発売に向けて取り組みを進めていくとのことです。

「グリシドール脂肪酸エステル」自体の安全性が確かめられればいいのですが、こちらの研究は進んでいないのでしょうか。

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in , Posted by logc_nt

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