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360万円もする超高級「盆栽はさみ」はどうやって作られているのか?


日本の伝統文化のひとつである「盆栽」は、人の手で自然の様子を鉢の上に作り出す芸術のひとつです。そんな盆栽で使われる道具のひとつに、盆栽を剪定するための「盆栽はさみ」があります。はさみ鍛冶が鍛造する最高級の盆栽はさみには360万円もの価格がつくことがありますが、なぜそこまで価値があるのか、はさみ鍛冶とそのはさみを愛用する盆栽作家へのインタビュームービーを、Great Big Storyが公開しています。

Making $35,000 Bonsai Scissors - YouTube


大阪府堺市は昔から刃物の街として有名で、「堺刃物」と呼ばれる伝統的な鍛造技術や刃物製品で知られています。


堺市にある「佐助」は包丁とはさみを扱う鍛冶屋です。


「佐助」の5代目当主、平川康弘さん


平川さんは50年以上、はさみ鍛冶職人としてはさみや包丁を作り続けてきました。


「(はさみは)2つを組み合わせて切れるようにしないとだめだというのが一番難しいと思います」と平川さんは語ります。


平川さんの打つ盆栽ばさみは、まっすぐのはさみを重ねているのではなく、しっかりと切るために刃にプロペラのようなねじれをもたせているとのこと。精密で複雑な形状はハンドメイドだからこそ可能だというわけです。


平川さんは朝起きるとハチマキを絞めて……


炭を起こします。


炉をのぞきこむ平川さんの目は真剣そのもの。平川さんは、はさみを作るために1日10時間、さらに包丁を作るために3~4時間働いているとのこと。


平川さんの打つはさみは普通のもので12万1000円ほどで…


最も高級なレベルのものだと360万円もの値がつきます。


造園家の吉川雅千さんは、平川さんの盆栽はさみを愛用する一人です。吉川さんは盆栽作りの職人で、パリで盆栽のパフォーマンスを披露したこともあります。


パチパチと気持ちのいい音を立てて、吉川さんが盆栽はさみで松の枝葉を整えていきます。


吉川さんにとって、完ぺきな盆栽を作るために重要なのは完ぺきな盆栽はさみだとのこと。


「私は『佐助』さんのところで盆栽はさみを作ってもらうんですけれど、はさみをオーダーするときは『佐助』さんと約1時間くらいのやりとりを行います。『佐助』さんも『私なりに研究するから半年、1年の時間はください』という形でやりとりしています」


「だからできあがったときには最高なんです。(盆栽を作るために)やっぱりいいはさみを使わないとだめだと思います」


「いいはさみであれば、植物を切っても、切り口がスパッといくので植物へのダメージが少ないんです」


吉川さんも昔から平川さんの盆栽はさみの評判を耳にしていたそうですが、まさか自分も平川さんのはさみを使うようになるとは思っておらず、実際に手にすることができた時は感無量だったとのこと。


「平川さんの盆栽はさみを持っていると、いい盆栽を切りたくなる」と吉川さんは語ります。


平川さんにとって、今ようやくスタート地点に立ったばかりとのこと。


「今が最高だとは思いますけれど、50年続けてきて、これからどれだけ自分の仕事が変化していくのかは未定で、考えていてキリがないので楽しみです」

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in 動画, Posted by log1i_yk