デザイン

降り注ぐ水でメッセージを描き出す「Aquascript」を使った印象的なビルボード広告


パリに設置された、間欠的に降る水のカーテンを使って文字を描き出す「Aquascript」を使ったビルボードの動画を紹介します。

上部に横長に並んだ噴水口から1滴単位でコンピュータ制御された水を落とし、下部に設置された受け皿でキャッチするという、非常に単純な原理の装置なのですが、はっきりと読むことができるテキストを表示し、道行く人が思わず足を止めて見入ってしまう、広告効果の高いものとなっています。

動画の再生は以下から。Solidarité on Vimeo


広告が設置されたのはパリの中心部、パレ・ロワイヤル=ミュゼ・デュ・ルーヴル駅出口付近。


パレ・ロワイヤルの正面に設置された「Aquascript」のビルボード。


噴水口。無色透明の水を媒介とした広告は、夜になってライトアップされたとき効果を発揮します。


メッセージが表示され始めました。「I KILL……」


「MORE」


「THAN」


「……CANCER」。というわけで、最初の一文は「I kill more than cancer」(わたしはガンよりたくさん人を殺す)。


次の文は「I kill more than AIDS」(わたしはエイズより多く殺す)。


通行人も思わず足を止めて見入っています。


「I kill more than war」(わたしは戦争より多く殺す)


降り注ぐ爆弾。


「I kill 15 people every minute」(わたしは毎分15人の人を殺す)。


無数の十字架。図形などもはっきりと表示できます。


真剣に見入る人々。ガンよりエイズより戦争より多くの人を殺す、毎分15人を殺す「わたし」とは一体何なのか、かなり気になってきたのではないでしょうか。


ここで「I am」と、いよいよ「わたし」の正体が明らかになるのかと思ったのですが……


「I am the leading cause of death in the world」(わたしは世界の死因の1位である)とのことです。


再び「I AM(わたしは)」で始まる文章。今度こそ「わたし」の正体が明かされるのでしょうか……


「UNSAFE(危険な)」


「DRINKING」、ということは無謀な飲酒が原因で死亡する人は戦争やガンで亡くなる人より多いということなのでしょうか?


……と思いきや、「I am unsafe drinking water」とのことで、毎分15人に死をもたらす「わたし」の正体は「安全でない飲み水」であると明かされました。水を使った文字の表示方法も印象的ですが、メッセージ自体も、見る人に意外性のある事実を強く焼き付ける、非常によくできた構成なのではないでしょうか。このビルボードに使われている水も飲用には適さない思われるので、「わたし=安全でない飲み水」は見る人の目の前にあるという点もウィットがあります。


この広告は世界水の日にNGO「Solidarities International」により設置されたもので、広告代理店BDDP&Fils、アート・ディレクターDavid 
Derouet氏、デザイナーEmmanuel 
de 
Dieuleveult


氏によるもの。世界では年間800万人の人々が汚染された飲み水が原因で亡くなっているそうです。

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in 動画,   デザイン, Posted by darkhorse_log

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