16世紀に描かれたエリザベス1世の肖像画に秘められたヘビが姿を現す


16世紀、テューダー朝のイングランドの絶対君主エリザベス1世といえば、肖像画に影(=しわ)を入れないよう命じたためしわの入った肖像画は残されていないという逸話もありますが、今から約400年前、エリザベス1世が50~60歳のころに描かれたとされる1枚の肖像画に塗り込められていたヘビの姿が、絵画の経年劣化とともに浮かび上がってきて謎を呼んでいます。

詳細は以下から。Mysterious image of snake appears on 400-year-old painting of Queen Elizabeth I | Mail Online

肖像画は1580年代~1590年代前半に描かれたもので、画家の名前はわかっていません。ロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリー所蔵で、1921年以来展示されたことはなかったとのことですが、このヘビが現れたことを受けて「Concealed and Revealed: The Changing Faces of Elizabeth I」という企画展の目玉として2010年3月13日から9月26日まで展示されるそうです。


ヘビはエリザベス1世が手にした花々の下から浮かび上がってきました。当初は女王の手にからみつくようにヘビを描いた画家が、ヘビが象徴するものを悪い意味にとられることを恐れて愛らしい花束で上描きしたようです。


手の部分の赤外線写真。


写真をもとに描かれた、ヘビが塗りつぶされる前の姿の再現図。


ナショナル・ポートレート・ギャラリーの発表によると、ヘビは全体的に黒色で、緑がかった青色のウロコを持っていて、ほぼ確実に写生でなく想像で描かれたものであるとのことです。

ヘビは英知や分別、道理にかなった判断などの象徴として描かれることもありますが、同時にキリスト教ではサタン原罪への結びつきもあります。このアレゴリーの多義性が、ヘビが肖像画から消されることとなった理由だと考えられるそうです。

また、エリザベス1世の肖像は別の女性の未完成の肖像の上に描かれていて、この女性が誰であるかは不明ですが、女王の肖像画の作者とは別の画家によるものだと考えられるそうです。当時は絵画の素材がリサイクルされることは珍しくなかったとのことで、塗りつぶされた女性に関しては特に深い意味はないようです。

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