2010年02月26日 17時45分映画

戸田奈津子が吹替版監修に初挑戦、4月9日から映画「シャッターアイランド」超日本語吹替版の公開が決定

マーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオ主演のミステリー映画「シャッターアイランド」が4月9日(金)から公開となります。

ミステリー映画を観ているとき、字幕を追いかけながら謎を解き明かしていくのは少しハードルが高く、字幕に集中しすぎると映像の方を見逃してしまうこともあります。一挙手一投足がヒントになり得る中で、これは致命傷。この映画ではそんなことが起こらないように、ただの吹替版ではない「超日本語吹替版」が公開されることになったそうです。なんと、翻訳家として有名な戸田奈津子さんが吹替版の監修に初挑戦するとのこと。

詳細は以下から。
映画『シャッターアイランド』公式サイト || 4月9日(金) 謎解きに参加せよ！
http://www.s-island.jp/

謎解き映画を楽しむための「超日本語吹替版」登場！

ボストン沖合の孤島には、精神を患った犯罪者を収容するアッシュクリフ病院があった。ある日、我が子を溺死させた罪でこの島に送られていた女性患者の姿が消えてしまう。この謎を調べるため、連邦保安官のテディ(レオナルド・ディカプリオ)は相棒のチャック(マーク・ラファロ)とともに島へやってきた。二人は、彼女の部屋で「4の法則」と題された暗号の紙切れを見つける。この失踪事件はなんとか解決するが、テディには妻を殺した人間がこの病院に収容されているので制裁を加えたいという真の目的があった。しかし、やがてテディは自分がこの島から出られなくなっていることに気付く……。

「シャッターアイランド」のあらすじは上記の通りで、映画を観ていると「なんだかおかしいぞ？」と感じるシーンが沢山用意されています。これはじっと映像に注目していないとわからないぐらい微妙だそうですが、ラストの謎が解けたときにはこの「？」が「!!」に変わるように仕組まれています。しかし、字幕の内容を理解しつつ映像を細かく見ていくというのはちょっとハードルが高く、できれば字幕を気にせずじっくりと観たいところ。そこで制作されたのがこの超日本語吹替版なのだそうです。

最近は「24」をはじめとする海外ドラマのヒットや、字幕と吹替を自由に切り替えられるDVDの普及で、吹替に慣れ親しんでいる人も増えていますが、「俳優と声優の声のイメージが違いすぎる」「タレントの起用は下手すぎて耐えられない」「オリジナル言語のニュアンスが伝わっていない気がする」「違和感のある翻訳・不自然な日本語」というネガティブな意見は少なくありません。

超日本語吹替版では「字幕・吹替の微妙なズレをなくす」「プロの声優だけを使う」「翻訳的な言い回しを避け、違和感のない話言葉にする」「役名を表記する」「大人の吹替版を目指す」ということで、不満点を解消しているとしています。

監修を担当するのは、これが吹替監修は初だという戸田奈津子さん。1979年のフランシス・フォード・コッポラ監督作品「地獄の黙示録」で監督自らの推薦もあって字幕を担当、それ以来字幕翻訳家として1週間に1本のペースで字幕翻訳をしているそうです。字幕の文字数には制約があるということもあり、特徴的な意訳や台詞回しが行われているケースが目立つほか、大きな誤訳・名詞間違いがあると指摘されている戸田さんですが、吹替であれば文字数の制限はないので、そのあたりは無用の心配かもしれません。

現時点では、試写は全てこの超日本語吹替版で行われており、劇場公開時の字幕・吹替比率はまだ未定だとのことです。「シャッターアイランド」の公開は4月9日(金)から。