お前のしょうゆの色は何色だ!「ヤマサ 鮮度の一滴」をお刺身用に使ってみました


何にでもマヨネーズをかけるマヨラーがいるように、古来から日本にはあらゆるものにしょうゆをかけて食べないと気が済まないという人種が確実に存在しています。個人的にはステーキにしょうゆというのは至高の組み合わせだと思っていたのですが、その割には近所のスーパーで買ってくるしょうゆで満足していたのも事実。

で、今日たまたまスーパーに行って昼食の買い出しをしていたところ、何やら見慣れない容器の変わったしょうゆ「ヤマサ 鮮度の一滴」なるものを発見。なんだか変わった容器だな、この妙ちくりんな容器がウリなのか?と思って説明を読んでみると、どうやら空気が入らない設計になっているので鮮度がウリらしい。

というわけで、どれほどの実力なのか実際に買って来てお刺身と一緒に使ってみました。詳細は以下から。
ヤマサ鮮度の一滴コミュニティサイト:トップ |
http://sendo.yamasa.com/

『ヤマサ 鮮度の一滴 特選しょうゆ』500mlパウチ 【ヤマサ醤油株式会社】

今回用意したのはこんな感じ。しょうゆ&刺身。


これが「ヤマサ 鮮度の一滴」。2009年8月24日(月)より東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、群馬、栃木といった首都圏だけで発売されていたものの、本日から全国発売されており、限定ホルダーが付いて持ちやすくなっています。このホルダーは再利用可能。


中身は500ml。


こんな感じで使うらしいのですが、詰め替え用洗剤に似ている……。


側面から見るとこうなってます


裏面


ホルダーなし状態の裏面


上から。


裏面


ヤマサ醤油のサイト説明によると、開封後は空気に触れることで酸化が進み、開封から1ヵ月程度で、色が濃くなり風味もどんどん劣化していくそうですが、この新容器だと注ぎ口部分に使用した特殊な薄いフィルムが逆止弁の役割を果たし、しょうゆを注ぎだす際にも空気が入らず、開封後もほぼ真空状態を保つことが可能になっているとのこと。


確かにただの二重化ではないように見えます


いつも使っていて2010年5月に賞味期限切れとなる本醸造醤油(100ml)と比べてみました。


左から、本醸造醤油(100ml)・限定ホルダー・そして「ヤマサ 鮮度の一滴」


開封の手順はこんな感じ


というわけで、まずはここを持って真横に引っ張り、中の袋は破らないようにして取り外します。


できた。これはカンタン。


次、ここを真下に切り取ればいいらしい。切り込みとかミシン目がないように見えるのですが、大丈夫なのだろうか……中途半端で切れないまま「びろーん」となってしまう悪夢的体験がよみがえりますが、勇気を出して開封。


できた!


切れているように見えませんが、これが開封状態。


ホルダーなしでも直立可能


本当に切れているのだろうか……


というわけで、実際に注いでみました。

YouTube - 「ヤマサ 鮮度の一滴」をお刺身用に使ってみました


左が「ヤマサ 鮮度の一滴」、右がいつも使っている本醸造醤油。「ヤマサ 鮮度の一滴」は赤くて透き通っています。本醸造醤油は真っ黒になっています。


「ヤマサ 鮮度の一滴」の場合。食器の底の模様まで見えています。


一方、本醸造醤油の方は真っ黒になって何も見えません……。というか、しょうゆってのは黒いのが通常だと思い込んでいたのですが、ここまで違うとは。


では実際に試食してみましょう。イカ・タイ・とびうおで試してみます。


まずはオマーン産の紋甲イカ


空気に触れまくって真っ黒になった本醸造醤油でイカを食べてみる……うん、普通のしょうゆ味。


「ヤマサ 鮮度の一滴」でイカを食べてみると……おお、これはすごい。しょうゆの香りが違うのがまずわかります。あと、味がそんなに塩辛くないのにちゃんとしょうゆの味がするのが驚愕。なんというか、しょうゆを食べている感覚。


次は愛媛産 活本鯛です。


空気に触れまくって真っ黒になった本醸造醤油でタイを食べてみる……さっき「ヤマサ 鮮度の一滴」を味わったせいで、やたら塩辛く感じます。というかタイの風味が吹っ飛んでいるのでは……。


気を取り直して「ヤマサ 鮮度の一滴」でタイを食べてみると、タイ自体の持ち味がしょうゆとともにわかる感じ。決してこのしょうゆが薄味なのではなく、むしろ味と香りの相乗効果で「濃いしょうゆ」として認識可能なのですが、妙な塩辛さやえぐみが無くなっているのがよくわかります。実に刺身向きの味わい。


ラスト、鹿児島県産のとびうお。


空気に触れまくって真っ黒になった本醸造醤油でトビウオを食べてみると……もうお話にならない感じ。おそらくこのしょうゆも最初はいい味をしていたはずなのですが、空気に触れまくって酸化した結果、こんなことになってしまったらしい。


そして「ヤマサ 鮮度の一滴」でトビウオを食べてみると、改めて「素材の持ち味」を引き出すタイプの実によいしょうゆなのだなぁというのがわかります。なんというか、飲めるわけもないのに、しょうゆを飲み干したい気分。


で、この「ヤマサ 鮮度の一滴」はサイト上に開発秘話がちゃんと掲載されており、なかなか興味深い内容になっています。

ヤマサ鮮度の一滴コミュニティサイト:鮮度の一適ニュース |開発のきっかけ

 私たちは醤油メーカーの人間ですので、毎日会社で接しているしょうゆはいつも鮮度の良い「赤い」しょうゆです。でも家に帰ると「黒い」しょうゆが待っています。家では使い切るまでに酸化が進み、色は黒くなり、また風味も劣化してしまっているのです。
 元々ヤマサしょうゆは透明感のある鮮やかな赤み、香り立ちの良さ、後切れの良い味が特徴で、業務用(特に和食)の分野では高い評価をいただいています。板前さんからも、ヤマサで煮物を炊くと色がきれいに仕上がるとか、鮨にはヤマサがぴったり合うというお話を良くいただきます。

ヤマサの調査では状態が悪いと1週間強で酸化した黒いしょうゆに変化します。冷蔵庫で保管しても使っている間に酸化は進み、1ヶ月経つとやはり黒いしょうゆになってしまいます。ですので、一般のご家庭では鮮度の良いしょうゆと接するより、酸化した黒いしょうゆと接する機会の方が多くなってしまうのが当たり前になっています。

これを端的に鉄に例えて「錆びてない」として、以下のような公式ムービーがYouTubeに公開されています。

YouTube - サビテナイ?


さらにこの一風変わった容器についても、以下のように書かれています。

ヤマサ鮮度の一滴コミュニティサイト:鮮度の一適ニュース |開発のきっかけ(2)

 このPID(パウチ イン ディスペンサー)という容器に出会ったのは今から約5年前、まだ当時はPIC(パウチ イン カートン)という名前でした。
実はヤマサでは更にそれよりさかのぼること2年、つまり7年前から、しょうゆの酸化抑止容器について考えていました。その容器の原理は簡単で、1Lペットボトルの中に「落としぶた」を浮かせるというもので、実験したところそこそこ効果がありました。
しかし思いも寄らない欠点が・・・!ペットボトルでしたので、この落としぶたをペット樹脂で作り直したところ、何としょうゆの上に浮かばずに沈んでしまうではありませんか!ペット樹脂は比重が重く(1.29)、しょうゆの比重は1.18ですので沈むわけです。ポリエチレンやポリプロピレンでしたら比重が1以下ですので浮くのですが、しょうゆのペットボトルはリサイクル対象でしたので、やはり使うのならペット樹脂しかないと考えました。すると業者さんが、ペット樹脂を2枚重ねてその間に空気を入れて「浮き袋」のようにすれば良いというアイデアを考えてくれ、早速試作してもらったところ大成功!しかし、今度はかさ張るのでボトルに入れるのが難しい、異物が入っているような誤解を受ける、かなりコスト高になる・・・といった点で結局断念することになりました。しかし、この実験をしてくれた本社の醤油研究室のメンバーがこの課題を覚えてくれていて、その2年後に業界誌に「PIC」に関する論文が載るとすぐにこの情報を教えてくれました。

ヤマサ鮮度の一滴コミュニティサイト:鮮度の一適ニュース |開発秘話(1)--開発のきっかけ(2)の続きです

 そしてようやく具体的な商品化に突き進むことになったわけですが、最初からヤマサ1社が商品化を検討していたわけではありませんでした。様々なメーカーが既にこの新容器に目を付けており、ヤマサはやや出遅れていたかも知れない状況でした。ただ幸いなことに、ライバルは皆とりあえずテスト販売を目論んでいたことでした。そこで、そこから必至の巻き返しを図るために、次のロジックでヤマサの熱意を伝えました。「通常テスト販売ですと、十分なマーケティング支援ができないので、この容器の良さを伝えることは難しいと思います=ヤマサは最初から正式販売をめざし、発売当初からTVCMや売り場展開等きちんとしたマーケティング展開を図ります」。
 この熱意&説得が効いたかどうかはわかりませんが、一番の追い風は、この容器は元々「しょうゆ容器」として発明されたことでした。何と言っても、二瀬社長は大のしょうゆ好きで、大好物の「おひたし」に、酸化して黒くなったしょうゆをかけてしまうと洗い流したいと思うほどで、だから「酸化しない容器」を発明したそうですから!

ヤマサ鮮度の一滴コミュニティサイト:鮮度の一適ニュース |開発秘話(2)

 次に最低限必要な機能については、十分議論を尽くしました。やはり「開封後も鮮度が保持されること」がPIDの決定的なベネフィット(効用)であることは皆で一致し、その機能を満たして最もコストを抑えられる包装形態を皆で考えました。そしてたどり着いたのが、現在の2重袋スタイルでした。しかし、「倒してもこぼれないようにハード的なキャップ機構」、「強く掴んでも中味が出ないようにする」という機能を付けるかどうかで熱い議論が繰り広げられました。
まず「倒してもこぼれない」については、少し使ってもらえれば(残りが2/3程度)になれば倒してもこぼれないこと、たとえ満量の場合倒しても一気に出てしまうことがないこと、500mlPETボトルより重心が下にあるので倒れにくいことから、除外してもいいのではないか?という意見になり、最終的には消費者テストを実施して検証することになりました。
次の「強く掴んでも中味が出ない」については、紙の飲料容器(ブリックパック)も当初は強く掴んで中味が出てしまう事態があったようだが、普及するにつれ、皆使い方に慣れていったことが上げられ、PIDでも普及すれば優しく持ってもらえるのではないかという意見がありましたが、なるべく外装を固くしたり、中袋に余裕を持たせる工夫で少しでも回避することを検討することにしました。

 また、これらの機能は、専用ハードケースを開発し、それを使っていただくことで解消することも決定しました。当初から専用ハードケースが必要な商品として開発すると、トライアルする際の価格が相当高くなってしまうことや、使い方を説明するのが難しくなってしまうことから、お客様にPIDの良さ(開封後もいつでも鮮度の良いおいしいしょうゆを味わってもらえる体験)を十分にわかっていただいた後に出すことになりました。

というわけで、スーパーで売っているレベルのしょうゆとして、現時点では確実にダントツのクオリティを保っていると言っても過言ではない味わい深さでした。これだけのクオリティのしょうゆをそこそこ長い期間、家庭で安価に使えるようになるとは……まさに技術の勝利と言った感じです。

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in 試食,  動画, Posted by darkhorse