生き物

アザラシは潜水中に落ち葉のように落ちながら眠り休息することを北海道大学が解明


キタゾウアザラシは回遊中に上陸せず、水面に滞在する時間も短いが、一体いつ休んでいるのか?という疑問を3Dデータロガーによって3次元で潜水行動を再現した結果、アザラシはお腹を上にして落ち葉が落ちるように螺旋を描きながらゆっくりと潜降して休息していることが、北海道大学北方生物圏フィールド科学センター 助教 三谷曜子氏が率いる研究グループによって昨年明らかとなり、注目を集めているそうです。

詳細は以下から。
(PDFファイル)アザラシは潜水中,落ち葉のように落ちながら眠る 北方生物圏フィールド科学センター 助教 三谷 曜子

イルカやアシカは半分の脳を交互に休ませることによって周囲を警戒しながら睡眠することが可能となっていますが、アザラシではそのような脳の機能は報告されていません。にも関わらず、キタゾウアザラシは2~8ヶ月の回遊中にまったく上陸せず、水面に連続して滞在するのも数分間となっており、一体いつ休息しているのかは大きな謎だったそうです。


そこでアザラシの休息行動を解明するため、3Dデータロガー(3軸加速度・3軸地磁気・速度・深度・温度を計測)をキタゾウアザラシの未成熟個体に装着し、体軸角度や3次元の潜水経路を再現したとのこと。

北海道大学北方生物圏フィールド科学センターのニュースレターNo.05(2009年 3月)(PDFファイル)に収録されていた実際の写真。2000年に南極のマクマード基地での調査において、今まさにウェッデルアザラシを捕まえようとしているところだそうです。


その結果、アザラシの潜水には仰向けで規則的に揺れながら大きな円を描くように、つまり落ち葉が落ちるように潜降するパターンがあることが明らかとなったそうです。つまり、アザラシは捕食者を避けるため、150メートル以上の深さから仰向けになって眠り始め、捕食者のいない水深で休息することができると考えられているそうです。

資料に画像などがなかったので推測ですが、勝手なイメージとしては、こんな感じでしょうか。


なお、同じ海棲哺乳類でも半球睡眠を行うイルカ・アシカ類と、全球睡眠を行うアザラシ類がおり、睡眠の進化と潜水行動との関係は非常に興味深いものであるため、今後はデータロガーを用いた研究が海洋生物の謎をさらに解明できるものと期待しているそうです。

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in 生き物, Posted by darkhorse

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