トラやホッキョクグマも絶滅の危機に、WWFが発表した「2010年に見守るべき動物10種」


WWF(世界自然保護基金)はワシントンD.C.で現地時間の12月2日、数ある絶滅危惧(きぐ)種の中でも注目すべき10の動物をピックアップした「Ten to Watch in 2010(2010年に見守るべき10種)」リストを発表しました。

リストにはトラやホッキョクグマなど誰もが知っている動物や、比較的知名度の低い希少なチョウやカメも含まれていて、「トラやホッキョクグマ、パンダの存在する世界に住んでいたい人は、絶滅の危機にひんしたこれらの驚くべき動物たちを、手遅れにならないうちに救うことを新年の誓いに含めるべきです」とWWFでは呼びかけています。

詳細は以下から。WWF - Press Release - Tigers, Polar Bears and Blue Fin Tuna Among the Most Threatened Species in 2010, Says World Wildlife Fund

「2010年に見守るべき10の動物」リストは以下。なお、順位はついていません。

トラ


最近の研究では世界に野生のトラはわずか3200頭ほどしか残っていないことが示唆されています。生息域は最盛時の7%、この10年で40%も減っているとのことで、森林破壊や密猟により現生するいくつかの亜種も絶滅したバリトラジャワトラと同じ運命をたどるかもしれないとされています。トラは漢方薬となる骨や、装飾品となる毛皮のために密猟されているほか、温暖化による水位の上昇によりトラの生息地となっているインドやバングラデシュのシュンドルボン(マングローブの群生地)も脅かされているそうです。2010年は寅年ということで、トラ保護の取り組みも活発になるかもしません。

ホッキョクグマ


ホッキョクグマは温暖化により生息地が脅かされる動物の代表格。アメリカの「絶滅の危機に瀕する種の保存に関する法律」で保護を要する絶滅危惧種として指定されています。現在のペースで北極圏の温暖化が進めば、今後100年のうちに絶滅してしまうかもしれないようです。

タイヘイヨウセイウチ


タイヘイヨウセイウチはベーリング海チュクチ海に生息し、最近になって温暖化の影響を深刻に受けていることが明らかになりました。今年9月、チュクチ海に面したアラスカ北西岸で200頭のタイヘイヨウセイウチの死体が観測されました。流氷の上で眠ったり、出産・育児をしたり、外敵(天敵であるシャチなど)をやり過ごしたりするセイウチは、北極圏の氷が解けることにより生息地を失いつつあり、「絶滅の危機に瀕する種の保存に関する法律」の保護動物へ追加される予定であることが合衆国魚類野生生物局により発表されています。

マゼランペンギン

photo by longhorndave

過去には主に石油流出によって脅かされていた南米のマゼランペンギンにとって、現在は海温の上昇や海流の変化によりエサとなる魚の漁場が海岸から遠ざかっていくことが最大の問題となっています。昨年にはリオデジャネイロ付近の海岸に数百頭のペンギンが流れ着き、その多くは飢餓状態にあるか餓死していました。現在17種いるペンギンのうち12種に急激な生息数の減少が見られ、マゼランペンギンもそのうちの1つです。

オサガメ


甲の長さが2.5mほどになるオサガメはウミガメで最大、現生する最大級のハ虫類で、オサガメ1種のみでオサガメ科オサガメ属を形成する非常にユニークな動物です。英語で「Leatherback Turtle」というその名の通り、甲羅は発達せず、背中は皮膚で覆われています。1億年以上もの歴史を持つこの太古のカメが、現在絶滅の危機にひんしています。特に太平洋ではメスの個体数が2300体ほどにまで減少していて、太平洋のオサガメは世界のウミガメ全体の中で最も危機に面していると言えるそうです。大西洋の個体数は比較的安定していますが、混獲によって減少しているそうです。また、温暖化の影響も現れ始めています。卵から生まれるカメの性別は巣の温度に大きく左右されるのですが、すでに産卵場の温度の上昇によりオスの割合が減少しているそうです。

タイセイヨウクロマグロ


大西洋と地中海に分布する回遊魚のタイセイヨウクロマグロは食用のために乱獲され、成長率が低く成熟が遅いこともあり、この30年ほどで個体数が90%も減少しているそうです。漁獲されたものの多くは日本で消費されているとのこと。WWFはタイセイヨウクロマグロの個体数が回復の兆しを見せるまで、飲食店や小売店、調理人や消費者に、タイセイヨウクロマグロの提供・売買・食用を避けることを呼びかけています。

Mountain Gorilla(ゴリラ属ヒガシゴリラ種マウンテンゴリラ亜種)


野生で720頭ほどの個体のうち、200頭ほどがコンゴ東部、ルワンダとウガンダとの国境近くのヴィルンガ国立公園に生息し、内戦の影響を受けています。保護活動によりヴィルンガでの生息数は過去12年間で14%、マウンテンゴリラのもう一つの生息地ブウィンディ原生国立公園(ウガンダ)で過去10年間に12%回復したものの、いまだ絶滅の危機を脱したとは言えないようで、今後も更なる保護努力が要されます。

オオカバマダラ


北アメリカからメキシコへと、渡り鳥のように移動して越冬するオオカバマダラですが、このチョウの「渡り」という生物学的に貴重な現象が環境破壊により脅かされているそうです。越冬場であるメキシコの高地のマツ・モミの森林の保全と、繁殖場所となるカナダ・アメリカでの環境保全努力が必要とされます。

ジャワサイ


最大25cmになる角が工芸品とされるほか、角を含む全身が漢方薬として珍重され、乱獲や開発による生息地の破壊等により生息数が激減しています。野生では個体数は60頭未満と推測され、大型のほ乳類では現在最も危機に瀕した種とされます。

ジャイアントパンダ


WWFのロゴにもなっているジャイアントパンダは、動物園などで見たことがある人も多いと思いますが、野生では個体数は2500体未満になっています。生息地である中国南西部の山林が分断されることにより、小さな孤立した集団が形成され、近親交配が進むことも懸念されるようです。

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in 生き物, Posted by darkhorse_log