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凧を使った発電や、フライホイールで電力を貯蔵する仕組みなど、さらにエコを追求した発電方法


環境への配慮も当然ながら、あと10年で石油供給はピークに達するのではないかという見解からも「脱石油」を急がねばならない発電所。しかし、おそらく次代を担うであろう原子力発電所はなかなか数を増やすことができず、火力発電以外への転換はお世辞にも順調とは言えない状況です。

そんな中、世界では凧を使った発電や、「鋼の花」による発電、さらに余剰電力を蓄えるシステムなど、ちょっと変わったアイデアで電気を作る試みが行われています。

詳細は以下から。
巨大凧発電
イタリアのKiteGen社は、凧の動きを電気に変えられないかという研究をしています。凧といっても正月にあげるような小さなものではなく、200平方フィート(約61平方メートル)の凧を高さ2600フィート(約800m)まであげるというもの。この高度だと、地上に比べて4倍の風を受けることができるそうです。凧の動きが風車の羽根の代わりとなって40キロワットのタービンを動かす仕組みになっており、さらに2011年までには1500平方フィート(約460m)の凧を揚げて3メガワット(9000軒の家をカバーできる量)を発電できるよう目指しているとのこと。

以下に実際に凧を使って仕組みを説明しているムービーがあります。
YouTube - kitegen stem

コレが凧による風力発電を行うシステム。超巨大ブランコか逆バンジー装置に見えなくもない……。


ブランコ状だった部分が凧になっており、これを揚げて動かすことで発電するというわけですね。


「鋼の花」を使った太陽熱発電
イスラエルのエネルギー会社AORAが、イスラエル南部の砂漠に作っているのがまるで鋼鉄製の花のような発電所。30枚1組のミラーが高さ98フィート(約30m)のチューリップ型タワーを中心に配置されており、ミラーはタワーのてっぺんにある鋼の芽に向けて太陽光を集めます。芽の中で太陽光エネルギーは華氏1800度(摂氏約1000度)にまでなり、100キロワットのタービンを動かします。夜や曇り空でも一定量の供給が可能なよう、火力発電も併設されるそうです。

砂漠の真ん中に突き出た花のつぼみか魔法のステッキみたいな感じ。


ミラーで光を集め、熱を発生させます。


電力貯蔵システム
電気というのは溜めておくのが難しいもので、発電所は需要より多く発電してしまうことがあるのですがその余った分はどこかで消えてしまいます。Beacon Power社ではエネルギー貯蔵プラントを作り、余剰電力でフライホイールを回しています。顧客が追加で電力が必要になったとき、このフライホイールの回転を止めて減速させることで運動エネルギーを電気に変換するというシステムになっているようです。Beacon Power社では。オーバーヒートせずに連続稼働できるよう設計されたフライホイールを10基追加、マサチューセッツから必要に応じて電気を流せる2メガワットの設備を整えています。次はニューヨーク州に20メガワット級のプラントを建設予定で、完成すれば年間3万3000バレルの石油が節約できると謳っています。

密閉容器の中にフライホイールが収められています。

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in 動画, Posted by logc_nt

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