大阪高裁、ファイル共有ソフト「Winny」の開発者に無罪判決


2002年に公開されたファイル共有ソフト「Winny」による著作権侵害を巡る裁判で、元東京大学助手で開発者の"47氏"こと金子勇被告が著作権法違反ほう助の罪に問われていましたが、大阪高裁は無罪を言い渡しました。2006年12月の京都地裁判決では「著作権侵害に使用されていることを知りながらWinnyの公開を続けたことは著作権侵害のほう助にあたる」と判断され、罰金150万円の有罪判決が下りましたが、これが破棄された形。

詳細は以下から。
ウィニー開発者に逆転無罪 大阪高裁、一審は罰金150万円  - 47NEWS(よんななニュース)

「Winny」では、発売日前に入手したマンガ雑誌の内容や、放送されたばかりのアニメを配信したとして複数名が逮捕されているほか、勝手にファイルが配信されているウイルスに感染したことで官公庁や警察、学校の資料などが流出するなどの事件も発生しました。

金子被告は判決前に「1審判決は何が違法なのかを明確に示しておらず、このままでは開発者が萎縮してしまう。高裁に納得のいく基準を示してほしい」という会見を開いており、「多くの技術者に影響を与える裁判。私が悪いことをしていないことは高裁に理解されたと思う」と述べていました。

ウィニー開発者会見「納得いく基準を」…2審判決前に : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

1審判決後、弁護側は「幇助罪適用の範囲が広すぎる」と無罪を主張、検察側は「罰金刑は軽すぎる」として、それぞれ控訴していましたが、完全に弁護側の主張が容れられた形になりました。

14:18追記
判決要旨は以下。Winnyについては「技術は著作権侵害に特化したものではない」「多様な情報交換の通信の秘密を保持しつつ、効率的に可能にする有用性があるとともに、著作権の侵害にも用い得るという価値中立のソフトである」と判断し、ほう助罪についても「どの程度の割合の利用状況によってほう助犯の成立に至るかや、主観的意図がネット上において明らかにされることが必要かどうかの基準も判然としない」ため一審判決の基準は相当ではないとしています。

【資料】 ウィニー裁判・判決要旨 - 47トピックス

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in ソフトウェア, Posted by logc_nt