ハードウェア

買い替え時期到来か、古いブラウン管テレビの発火事故が相次ぐ


政府のエコポイント発行や2011年7月24日に控えた地上デジタル放送への完全移行によって、ブラウン管テレビから液晶テレビなどへの買い換えが進んでいますが、なんと古いブラウン管テレビの発火事故が相次いでいることが明らかになりました。

どうやら長期にわたって使用すればするほど事故の危険性が増すようなので、古いブラウン管テレビを使用している人は買い替えについて考えてみるのもいいかもしれません。

詳細は以下から。
(PDFファイル)ブラウン管テレビの経年劣化による事故防止について(注意喚起)

独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)が発表した資料によると、平成8~20年度までに調査を終了した重大製品事故情報および非重大製品事故情報2万5322件のうち、経年劣化が原因と推定される製品事故698件を分析したところ、ブラウン管テレビの事故が最も多く、全体の約15%(105件)を占めたそうです。


これは扇風機(62件)や風呂釜(55件)、石油給湯器(33件)、ガス給湯器(30件)を大きく上回るもので、以下のような事故が起きているとのこと。

平成19年10月7日(福岡県)
(事故内容)
視聴中のテレビから突然煙が上がり、火花が出た。
(事故原因)
長期使用(約20年)により、フライバックトランスの高圧コイル部に絶縁劣化が生じて層状に巻かれたコイルの巻線同士がショート(短らく)し、発熱して絶縁樹脂が気化し、フライバックトランスの内圧が上昇して外郭ケースに亀裂を生じ、内部に発生したガスが噴出したものと推定される。

平成19年12月23日(愛知県)
(事故内容)
当該製品のスイッチを付けたら音がして、発煙し、中を覗いたら炎が見えたので消火した。
(事故原因)
事故原因は、長期使用により高圧部品(フライバックトランス)の劣化と製品内部にホコリが堆積したことによって、発煙・発火に至ったものと推定される。

平成17年6月30日(愛知県)
(事故内容)
居間のテレビから発煙し、テレビ台の一部が焦げた。
(事故原因)
長期使用(約14年)により基板のはんだ割れ等が生じて放電し、基板の一部が炭化して焼損に至ったものと推定される。

そしてブラウン管テレビの経年劣化が原因であると推定される105件の事故のうち、約70%にあたる73件が「フライバックトランス」と呼ばれる部品の故障によるもので、経年劣化したフライバックトランスによる製品事故は使用開始から10年を超えたころから増加するとのこと。

この分析結果を受けてNITEは「ブラウン管テレビは経年劣化によって発火事故を引き起こす可能性があります」とした上で、長期間ブラウン管テレビを利用している消費者は事故防止のため、以下のような症状がみられる場合は電源スイッチを切り、コンセントから電源プラグを抜いて、購入した販売店またはメーカーに連絡することを薦めています。

電源スイッチを入れても、映像や音が出ない。
電源スイッチを切っても、映像や音が消えない。
上下、または左右の画像が欠けて映る。
映像が連続してチラついたり、揺れたりする。
変なにおいがしたり、煙が出たりする。
ジージー、パチパチなどの異常な音がする。
内部に水や異物が入った。
電源コードに傷や破れがある。

つまり長期間使用しているブラウン管テレビの映りがおかしくなったり異変を感じたりした場合、無理に使い続けようとはせずに買い替えた方が無難であるということなのでしょうか…?

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
ついに総務省が「アナログ放送終了リハーサル」を実施、一時的にアナログ放送が視聴不能に - GIGAZINE

地デジ普及の遅れを受けて、2011年7月24日以降もアナログ放送が受信可能に - GIGAZINE

2009年末には32インチの液晶テレビが3万円台まで値下がりか - GIGAZINE

ついに40インチを超える大型有機ELパネルの製造装置が開発される - GIGAZINE

in メモ,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.