取材

大阪のド真ん中で女神が見守るジェットコースター付き廃墟「フェスティバルゲート」~後編・廃墟探検~


先ほどの「前編・周辺探索」では主に周辺をぐるぐると回ってみたわけですが、次はいよいよこの廃墟「フェスティバルゲート」の中へ潜入します。

コンセプトとしてはどうやら海底とかそのあたりをイメージして作られたようで、あちこちに海底神殿っぽい雰囲気の意匠が施されまくり、これでもかこれでもかというぐらい徹底してゴテゴテと神秘的な装飾がされており、さらには朽ち果てた古代神殿っぽい雰囲気を出すためにわざとあちこちが崩されるなど、かなり凝っているのですが、今となっては本物の廃墟となっているため、余計に何が何だかわからないカオス空間へと変貌を遂げています。

「後編・廃墟探検」のフォト&ムービー詳細は以下から。正面玄関の階段。


両サイドがミラーになっている


妙に奥行きがあるように錯覚しやすい仕掛け


階段を上るとプールのようなものが見えてきます。


水は入っていません。噴水の跡のように見えますが、読者の方からのタレコミによると、これはメリーゴーランドの撤去された跡とのことです。馬の代わりにイルカなどに乗るタイプのメリーゴーランドだったそうです。


頭上を見上げてみると……


ジェットコースターのレールが縦横無尽に走っているのが見えます。


かつてはここをコースターが走り回っていたわけですね


広角で撮れないのが残念ですが、階段を上るところから噴水(メリーゴーランド跡)広場までを撮影してみました。一振りでパノラマ撮影ができるサイバーショット「DSC-HX1」などがあればよかったのですが……。


よく見てみると、いたるところに貝殻やヤシの木のモチーフが。


照明になっているものとそうでないものがあるようです。これは照明っぽい。


こっちは偽物っぽい。


なぜか2本もオベリスクが立っています。


何か召喚できそうな雰囲気。


南国風な雰囲気の中に混じってます


あと、このようにしてクレーンのような物があちこちにあったのですが、何かつるしていたのでしょうか?


入り口左手のインフォメーション。当然閉まっています。


「そらもう、遊びまくりや」がコピーだったようです。ポスターの撮影日時は97年10月7日とのこと。


ここも立ち入り禁止です。


上の方が人の顔みたいに見える。


あらゆる所に「防犯カメラ設置」「警備中」「禁煙」などの注意書きが。


ゴミが放置されているあたり、今のフェスティバルゲートがどうなっているかを表しています。


一応、モニターで監視されているらしい。


この階(2階)より上への階段はすべて封鎖されていました。


ここだけかなり徹底的に防衛されていたので、過去に何かあったのではないかと。

取り残されたゴミ箱。


上の階には映画館などもあったようです。6階の「ラボ・フェスタ」が気になる。


不気味なほど静まりかえったエレベーターホール。この扉が開くことはない。


「休止」中の文字のみが点灯し続けており、ホラーっぽい。


天井の吹き抜け部分はふさがれていました。


エレベーターホールから見ると中庭の明るさが際立ちますが、それぐらいこっち側は薄暗い。


通天閣方面へ通り抜ける方向へ向かうと、頭上に巨大な船のようなものが。


一瞬バイキングのアトラクションかと思いましたが、単なる装飾のようです。


よく見ると目や尾があって、魚をモチーフとした船になっているようです。こっちが目。


こっちが尻尾。


船の下には「FESTIVAL GATE」の文字。


真ん中でひび割れているのは仕様です。今は本物の廃墟になってしまっているので笑えない。


随所にこういった壊れかけのような意匠が。


ここも崩落しているという演出


こっちは本物のヒビ


このようにして修復されています。なんとなく悲しい。


船のあたりから振り返ってメリーゴーランド跡の方向を撮影。


イルカがいました。


がんばって支えていたのにそれももう今は昔。


船の上には二体の像が。


ズームイン


左右でデザインが違います。左側にいる女神像には何か鳥っぽいものがくっついてます。


右側の方の女神像は胸がはだけています


船の下をくぐってさらに先へ進みます


このあたりはかなり重層的になっており、入り組んでいます


近くで見ると結構迫力があります


逆サイドからの船の全体像。魚っぽさがわかりやすい。ちなみに読者の方からのタレコミによると、この船は中が階段になっている渡り廊下だったそうです。


青いガラス張りの塔のように見えているこれは中が透けて見えており、エレベーターのようです。


今は利用できなくなっています


あちこちに立っているこのランプは海藻モチーフでしょうか。


そして目に飛び込んでくる異様な光景。ここからさらに非日常的雰囲気が増幅されていきます。


手前にある柱の重厚感とは逆に、寂れた商店街のような雰囲気。


統一感があるような、ないような。


この打ち付けてある木にはもしかすると当時はちゃんと何か書いてあったのかもしれず。今となってはよくわかりません。


上の方にあった看板は外されてしまい、中身がむき出しに。


完全閉店


シャッターには踊る人々が描かれていますが、余計に周囲にシュールな雰囲気をばらまいています


ピアノを弾く人も。


何もかもが終わった後


この円錐モチーフもあちこちでしつこく繰り返されていました。


ずっしり、どっしり


使われなくなったステージを発見


ぼろぼろ


粗大ゴミ置き場状態


かつてこのステージの上ではいろいろと繰り広げられていたはず


イベントガイドに「防犯カメラ設置」と書いてあります


あれはなんでしょう?


レストランの前にある食品模型のケースのように見えます。


この半魚人のようなキャラクターがマスコットのようです。


ロゴはこんな感じ。


この先からスパワールドへ通り抜けられるようになっています。


滅びてしまってフェスティバルゲートと違い、スパワールドはがんばって営業中


さすが世界の大温泉、死角なし


再びフェスティバルゲートに目を向けましょう。3階の店も当然閉じています。


さびた手すり。


こうやって文明は滅びていくのか……


ここにもクレーン。


ここから見上げると……。


こんな感じ


ジェットコースターのレールはここから屋内に引き込まれているように見えます。


ひときわ目を引く巨大な塔が登場


塔の根本の側に何か書いてあります


どうやら「テオスの塔」というアトラクション。高さ45メートルぐらいまで上昇するパラシュートタワーだったらしい。


「テオスの塔」の上には女神が。


接近


神々しすぎる


これが「テオスの塔」を撮影したムービー


その右にはジェットコースターが突き抜ける時計塔のようなものが。


ここから一気に滑り始めていたわけですね、当時は。


ジェットコースターのコースの根本に何かあります


黄道十二宮?


写真ではなかなか全容がつかみにくいかもしれないので、このあたりをぐるぐる歩き回って動画で撮影しておきました。


奥へ進むと通天閣方面へ向かう出口があります。


エスカレーターは止まっています。


この上につるしてある飾りも船をテーマにしているようです。ガレー船でしょうか。


窓のような絵。


階段をおりて右手が出口です。外は明るい。


ここにもタバコの吸い殻などがたまっていました。


ジェットコースターは「デルピス・ザ・コースター」という名前だったようです。ちなみにフェスティバルゲート倒産後も動いていたこのコースターは2007年5月5日に起きたエキスポランドのジェットコースター事故を受けて運転を中止したとのこと。


階段を降りたところ。明かりがついているので、赤いコーンやゴミがなければ一見営業しているように見えるかもしれません。


ドーム状の天井。


出たところ。


これが出口、というか通天閣側の入り口です。


出るとすぐ左に通天閣が見え、いかにも大阪らしい光景。


通天閣側からフェスティバルゲートを見るとこんな感じ。これは気付かない観光客も多いかもしれません。


なお、このフェスティバルゲート、1997年7月18日に第3セクターのフェスティバルゲート株式会社により開業し、2004年2月に倒産、2007年7月末までに営業を終了しており、その経緯についてはWikipediaが詳しいので、このフェスティバルゲートを一度探索してみたい人は読んでおくといいかも。

交通アクセスの良さにもかかわらず、総工費500億円を費やしたフェスティバルゲートがこのような運命をたどった主な理由としては、そもそも新世界エリアは中高年層向けの街(関東で言うところの浅草や上野のようなポジション)であり、ターゲットとされる若年層と合わなかったこと、当時は近隣の天王寺公園一帯を中心とした周辺地域にホームレスのテントが密集していたほか、暴動の影響などもあってマイナスイメージを持たれがちな西成区あいりん地区と隣接していることが考えられます。

また、そもそもフェスティバルゲート自体が魅力に欠けていた(目玉がジェットコースターだけなので遊園地としてみると貧相、さらにテナントや周辺にある店舗なども若年層への訴求性が低かった)ことに加えて、2001年春に強力なライバルとなる大型レジャー施設「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」が開業したことも挙げられるのではないでしょうか。

ちなみに、倒産後はオリックスにより「大阪市交通記念館」として全面改装するという計画も持ち上がったのですが、複雑な経過を経て最終的にマルハンが落札、ボウリング場などの複合施設として2013年6月に再オープン予定とのことなので、廃墟っぽさを体感したい人は早めに行ってみた方がよさそうです。観光ルートとして考えるなら、駅からフェスティバルゲートを通り抜けて新世界へ向かい通天閣を見て名物の串カツを食べるのがオススメです。

なお、フェスティバルゲートの営業当時のアトラクションの様子は以下のサイトから見ることができます。

フェスティバルゲート

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in 取材,   動画, Posted by darkhorse_log

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