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厚生労働省がYouTubeに公開しているムービーが新型インフルエンザ対策としてかなり参考になる


咳やくしゃみで飛沫が約2メートル飛ぶ実験の様子、マスクを着用しても完全には防ぐことができない様子、30秒以上かけて手を洗う正しい方法、消毒のミスをしやすい場所のマップ、症状のリスト、ドアノブや手すりなどからの接触感染の可能性などが網羅されており、かなり簡潔にわかりやすくまとまっているムービーを厚生労働省がYouTubeにて公開しています。

特にテレビの番組やニュースをほとんど見ない人にとってはおそらく初めて見るであろう映像も多く含まれており、かなり参考になります。

というわけで、再生は以下から。
YouTube - 私たちにもできる新型インフルエンザの身近な予防策


上記ムービーはなんと15分36秒もあるわけですが、基本的な事項はすべて押さえており、非常にわかりやすいです。

案内してくれるのは国立感染症研究所感染症情報センターの主任研究官である安井良則さん


国内で新型インフルエンザが発生した場合の対策が解説されています


主な感染経路は「飛沫感染」と「接触感染」の2種類。「飛沫感染」とは、感染した人の咳・くしゃみ・つばなどとともに放出されたウイルスを吸い込むことによって感染するというパターン。もうひとつの「接触感染」とは、感染した人がくしゃみや咳を手で押さえた後や鼻水を手でぬぐった後に他のもの(机、ドアノブ、つり革、スイッチなど)に触ることによってウイルスが付着し、その付着したウイルスに別の人が触れた後に目・鼻・口に再び触れると、粘膜・結膜などを通じて感染するというパターンです。


飛沫感染の例として、咳やくしゃみで実際にどれぐらい拡散するかという実験を見ることができます。


感染者の咳やくしゃみによって拡散した飛沫が免疫を持たない人の手などに付着し、そのまま手で目をこすったり、手で触ったものを口や鼻の中などに運ぶことによって感染する危険性が増大するというわけです。そのため、接触感染というのは基本的に飛沫が手に付着してそれが目や鼻、口などの粘膜に触れて感染すると言うことであるというのがわかります。


マスクをしている場合でも見ればわかるのですが完全に感染者からの飛沫感染を防ぐことはできません。しかし、マスクをしていない場合に競べるとその飛距離は雲泥の差です。つまり、マスクを付けるのは感染防止と言うよりも、すでに感染している人からさらに感染が拡大するのを防止するという役割の方がより重要であるということがわかります。事実、厚生労働省のページでは「マスクだけでは感染を完全に防ぐことはできませんので、お互いに距離をとるなど、他の感染防止の方法も行いましょう」と書かれています。


この流れだと、もしもマスクをしていない感染者が咳やくしゃみをして、その飛沫が髪の毛や衣服に付着し、さらにその飛沫を手で触ってしまった場合などにも同じ接触感染が発生する可能性があるというのがわかります。そのため、こういった不織布のマスクをするのが重要だということです。


要するに飛沫感染および接触感染のポイントは「手」になってくるので、「手をよく洗う」というのもかなり重要です。そしてこの手の洗い方が通常の洗い方とは違います。


イメージとしてはこのように、手に新型インフルエンザのウイルスが付着していると考えます。


このまま手を洗わずに目や鼻などをこすったり、口に触れると、体内に新型インフルエンザウイルスが侵入するというわけ。


自分の手には常にウイルスが付着していると思って手洗いを習慣づけるのが大事


正しい手洗いの仕方


流水で手をぬらした後に石けんをつけ、泡立てながら手のひらでこすり合わせます


手の甲をこすり洗いします


指の間を洗います


親指と手のひらをねじり洗いします


手のひらに爪の先を押し当てるような感じで指先と爪の間を洗います


さらに手首も洗います


ここまで徹底した手洗いをする理由がこれ。消毒のミスをしやすい場所がこのようになっており、指先や親指、指の間が最も不十分になりやすいというのがわかります。今までの普通の手洗いとは意味が違うというわけです。


そして最後にタオルか使い捨てのペーパータオルなどを使用して手の水分を拭き取ります


このように、手洗いを徹底するのはかなりキツいので、手を消毒するというのが割と簡単でおすすめ


その際にも手を洗うのと同じような感じで行います


手指衛生用の消毒用アルコールなどで消毒するわけですが、確認した限りでは薬局以外に100円均一ショップやホームセンターなどにも置いてあります。殺菌されるタイミングは、アルコールが蒸発するタイミングです。


ちなみにこれが新型インフルエンザA型H1N1ウイルス


弱毒性と言っても症状はインフルエンザそのもの。下痢や嘔吐を伴うケースが多いのが特徴。もちろん、感染はしているが発症せずにそのまま治ってしまうというケースも当然あるため、完全な封じ込めというのは厳密には不可能です。しかし、急激な感染拡大が始まると、妊婦や抵抗力の落ちている人の場合、症状が重篤化してしまうため、感染拡大を防ぐ努力は必要である、というわけです。


また、家庭内で感染者が出た場合、感染者の触れたドアノブや手すりなどから接触感染する可能性があるため、これもアルコールなどで消毒する必要があります。よくよく考えると外出時なども素手で触れる可能性があるため、同様にして手を手袋などで保護する必要性があるはずなのですが、そのあたりは今回は触れられていません。


さらに席やくしゃみをする場合にはティッシュやハンカチで口を覆い、ほかの人から顔をそらすことが求められており、使ったティッシュは直ちにゴミ箱へ捨てること、となっています。あと、そのゴミ箱をあとでまとめて捨てる場合は細心の注意が必要なはずです。


ほかにも多数のポイントが解説されているので、なかなかいいまとめムービーになっています。

なお、2009年5月18日の21時48分頃に厚生労働省が公式サイトで発表した情報によると、「患者や濃厚接触者が活動した地域等」の範囲は以下のようになっています。


兵庫県神戸市(東灘区、灘区、中央区、兵庫区、長田区、北区の区域に限る)、兵庫県芦屋市の全域、大阪府豊中市の全域、大阪府池田市の全域、大阪府吹田市の全域、大阪府高槻市の全域、大阪府茨木市の全域、大阪府八尾市の全域、大阪府箕面市の全域、大阪府三島郡島本町の全域

この地域が今後広がるのか、あるいは抑え込まれるのかはまだわかりませんが、いずれにせよ今後のこと(秋以降の動向、また強毒性と言われる鳥インフルエンザの今後の動き)を考えると、今一度新型インフルエンザ対策を頭にたたき込んでおく必要があるので、覚えておけば必ず役に立つと思われます。

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in 動画, Posted by darkhorse

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