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なぜ路上で生活するホームレスになることを選んだのかという知られざる10の理由


昨今の急激な経済状態の変化による景気の悪化によって、ホームレスになる人々が全世界で増加しているわけですが、中にはホームレス用のシェルター(野宿生活者一時宿泊施設のこと)など、いろいろな救済策があるにもかかわらずそういうものを利用せず、あえて路上で生活する「ホームレス」であることを選択するというケースもあります。つまり、一時宿泊施設に入るよりは路上にいた方がまだマシだという考えを持つホームレスが少なからずいるわけです。

一体彼らはどのような理由によって、路上ホームレスでいることを選択し続けているのでしょうか?

米国の路上ホームレス事情の詳細は以下から。日本の路上生活者事情とも一部通じるところがあります。
10 Reasons Why Homeless People Choose Homelessness | Homeless Tales

その1:安全性


意外かもしれませんが、一時宿泊施設などに入所するよりもホームレスでいる方が安全な場合があるとのこと。というのも、一時宿泊施設を運営しているのはプロフェッショナルではなく、いわゆるボランティアであり、暴力的な行為などに対する処置をすることによって個人の安全を守ってくれるわけではありません。凶悪な犯罪者、麻薬常用者、精神的に不安定な人が同じ部屋を共有して眠る場合、個人の安全は保証されません。それならホームレスとして路上にいる方がまだマシ、というわけです。

その2:所持品


ホームレスの人々は身軽です。あまり多くのモノを持っていません。しかし、それでもなお所持しているモノについては、非常に貴重で大事なモノということであり、それらはホームレスによっては高価なモノであったりします。ホームレスの人々はそういう数少ない貴重品については死守しようとします。ですが、一時宿泊施設などではそういった持ち物を安全に保管する場所はありません。個人的な所持品は寝ている間に盗まれることになるわけです。

その3:ペット


ホームレスの人々は社会的から除外されています。一般の人々から話しかけられるようなことはまずありません。そのため、ホームレスの人々の中には数週間から数ヶ月、あるいは数年間も誰とも話さず、孤独に過ごす場合があります。この孤独はホームレスになった場合に直面する困難な事象の一つです。そのため、貴重な食料を分け合ってでもペットとともに過ごすわけです。そのため、ペットを放棄したくないという気持ちは理解しやすい感情ですが、一時宿泊施設などの施設にはこのようなペットの世話ができる設備を備えるものはほとんどありません。

その4:健康上の危険


死とホームレスの間には密接な関係があります。米国のホームレスの平均寿命は41歳、生活の状態と比例しています。ホームレスの人々は医療サービスを受けることが大変難しい状態にあります。貧弱な食事と、常に外にいて晒されているという状態とは比較的軽傷な場合や軽い病気でさえ致命的になるケースがあるということです。一時宿泊施設では狭い部屋に多数の人々が寝泊まりするため、感染するリスクは激増します。健康を害しても誰も助けてくれませんから、リスクを最低限に保つのは自己責任です。

その5:コントロール


一時宿泊施設で生活するということは、すべてについて時間が決められているということです。何時に寝て、何時に起きるのか、何時に食べるのかといったことまで当然ですが、決められています。体を洗うための施設についてもいつ利用できるかということが限定されています。本質的に自由は制限され、そして生活はもはや自分自身のものではなくなってしまうわけです。生きていられるならどのような状態でも良いというのであれば、むしろ自分の好きに生活できる分だけ、一時宿泊施設でなくとも路上でかまわない、というわけです。

その6:昼間の時間


ほとんどの一時宿泊施設は夜間のみです。つまり、早朝には施設の外に出なくてはならない、ということです。雨であろうが雪であろうがみぞれであろうが、とにかく施設を朝になれば去らなくてはならないわけです。夜になって施設がもう一度オープンするまで戻ることはできないが、オープンする頃には戻っていなければなりません。もし戻ってくるのが遅れると、その日の夜に寝泊まりする場所はなくなります。そして当然ですが、普段から路上で生活して自分の生活場所を確保していなければ、一時宿泊施設の外に出ても寝泊まりする場所はありません。つまり、一時宿泊施設をときどき利用するなどという選択肢はなく、一度でも一時宿泊施設を利用すればそれまで自分が路上で生活していた場所は消え去ってしまう、ということを意味しています。

その7:中毒


ホームレスの人々がみな麻薬常用者とアルコール中患患者であるという紋切り型の偏見は真実ではありませんが、それらの中毒に苦しんでいる人の割合が多いというのは重要な点です。彼らの多くはそれらの中毒をやめようと必死になっていることがあります。中毒を断ち切るためには、同じような中毒者と離れている必要があります。そして、一時宿泊施設から離れるということは、中毒から離れると言うことをも意味しているのです。

その8:プライバシー


人々は自分だけの空間を必要とします。一時宿泊施設にとどまるということは、50人程度の他の居住者達と寝室を共有するということであり、食事する部屋を共有するということであり、バスルームを共有するということでもあります。50人程度の人間がしゃべったり、笑ったり、咳をしたり、いびきをかいたりしている部屋で安眠することは簡単なことでしょうか?道路で寝るよりは暖かいかもしれませんが、より多くの睡眠を得ることができるだろうということを必ずしも意味しません。

その9:秘密の暴露


こういった一時宿泊施設などを利用する場合には一定のルールがあり、非常に個人的な情報を提供しなくてはならない場合がほとんどです。例えば、個人的な履歴、家族背景、警察での逮捕歴、医療記録、借金の履歴などなどです。誰でも余計なことまで詮索されたくないはずですが、そうはいかないわけです。というのも、行方不明者の中にはホームレスになっている人がいると広く信じられているため、このように非常に個人的な情報の提供が求められている、ということになっています。

その10:信仰の強制


ホームレス保護施設として大きな割合を占めているのは「宗教」への入会を伴っています。食糧の配給と一時宿泊施設の利用と引換に、礼拝などを要求してくるのです。もしそういった宗教を信じたくない人にとって、これは非常に問題となります。

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in メモ, Posted by darkhorse

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