メモ

マイクロソフトの考える屋根がない衝撃的な第4世代型データセンター構想


サーバやそれを収納するラックのことを考えた場合、最も気になるのはその密度。データセンター自体の面積に制限がある以上、可能な限り密度を高めるべく、ブレードサーバやサーバの仮想化など、様々な方式がこれまで考えられてきました。が、それらを入れる「建物」から根本的に変えるべきだとマイクロソフトは考えているらしく、なんと、屋根がなく工期も短いデータセンターを構想しているようです。

これは過去30年間にわたるデータセンターの歴史において、一種のパラダイム的出来事であるとしています。

一体どのようなデータセンターを作るつもりなのか、その全容をCGでわかりやすく解説したコンセプトムービーの再生は以下から。
Our Vision for Generation 4 Modular Data Centers - One way of Getting it just right . . . << LooseBolts

これがそのムービー、「Microsoft Generation 4.0 Data Center Vision」


このデータセンターはサーバやラックだけでなくそれらを収納する建築物自体がモジュール化されており、マイクロソフトは次の5年間においてクラウドのデータセンターについてこの方式を採用する予定。まずサーバを収納する建物を「コンテナ」に変更しており、このコンテナには電気関連やセキュリティ関連のすべての必要な部材が統一された規格で組み込まれています。


この方式の優秀な点は先行投資がそれほど必要ではないということ。基本的にあらかじめ同じ規格で統一されたコンテナを運んでくるだけなので、建設に伴う作業員の人件費などが節約でき、ムービーを見ればわかるように、コンテナを持ってきて置くだけなので工期は劇的に短縮され、コストが下がるというわけ。


このコンテナに必要な部品も含めてすべて工場で生産され、それらを現地に持ってきて組み合わせる感じです。マイクロソフトではこれを自動車メーカーであるフォードの「流れ作業方式」になぞらえており、同じような方式で世界中の自動車や飛行機が作られているので、サーバを格納するデータセンター自体も同じように製造できるとしています。

データセンター全体の消費電力をサーバなどの消費電力で割った値である「PUE」によってエネルギー効率を測定した場合、一般的なデータセンターは2.3~2.5、Googleは1.21、この第4世代型データセンターは2012年までに1.125かそれ以下の数値にまで減らすことが可能なようです。つまり、非常に効率的であり、省エネも可能で環境に優しく、ランニングコストも割と低いということになります。


しかも、さらにサーバが必要になった場合にはコンテナを持ってきて増設するだけで済むため、スケーラビリティも確保されているというわけ。


土地がまだいっぱいあるアメリカならではの発想に思えるのですが、こういった小さな面積を使った拠点を各所に作り、それらをインフラで接続していくことでスケーラビリティを確保していくことも可能なようです。つまり、コンテナを置くことができるだけの面積があれば、それらを相互に接続することで仮想的に大きなデータセンターを作ることも可能というわけ。

ちなみにマイクロソフトはこれらをさらに押し進めた第5世代型データセンターも構想しているようで、その中身が気になるところです。

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in メモ, Posted by darkhorse

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