インタビュー

毎日新聞の新サイト「毎日jp」の発表会でさらし者にされてみました


10月1日にオープンする毎日新聞の新総合情報サイト「毎日jp」の発表会に招待されたので行ってきました。

毎日新聞と言えば、2007年元旦の一面から「ネット君臨」と題して大々的に2ちゃんねるを猛烈に批判する偏向記事と言われても仕方ないような記事を掲載、結論ありきの取材であったことも判明し、その後もネットのネガティブな側面を強調しまくり、ついには「既存メディアがいかにインターネットを脅威としてとらえているか」という事実を露骨に白日の下にさらけ出し、既存マスコミが世論をリードして啓蒙するという時代が終わる予感を感じさせてくれました。

今回の発表会はメディア各社に限らず、ネット上で活躍中のブロガー、ジャーナリストなどにも広く案内されているらしいのですが、果たして通常の記者以外の人種は平日日中にもかかわらず来ているのでしょうか?あれだけ猛烈にネットを批判した毎日新聞は一体、どのようなニュースサイトをネット上に作り出していくつもりなのでしょうか?

というわけで、テレビなどでは報道されない気になる詳細は以下の通り。
まずは前提知識、毎日新聞はもともと1995年8月からニュースサイトを開設しており、さらに2004年の4月5日からマイクロソフトと手を組み、「Mainichi INTERACTIVE」と「MSNニュース」を統合した「MSN毎日インタラクティブ」というのを運営していました。

ところがマイクロソフトと産経新聞が「Sankei Web」とMSNを統合した新サイト「MSN産経ニュース」を10月1日に開設すると発表。マイクロソフトと提携を解消した毎日新聞は自分だけでニュースサイトを運営することになったというわけです。

で、これが現場の様子。まずは入り口。毎日新聞ホールですね。


みなさん慌ただしく動いてます


後ろの方にはテレビカメラが待機。マスコミがマスコミを取材するという奇妙な図。


まだあまり来ていないのですが、大体こんなものです


受付には「ブロガー」と「報道関係者」の2つがあり、どっちにGIGAZINEは分類されたのかと思ったら、「ブロガー」でした。どうやら今回はブロガーという立場で呼ばれたらしい。

で、案内されたのがココ。なんとさらし者席が用意されていました。ここに座ると、もれなく既存メディアの方々から「こいつらがブロガーなる生き物か、どれどれ……」と好奇の視線を送られます。負けじとにらみ返しておきました。じろりろり。


そして「ブロガー」に渡される資料と専用パス。これを首から提げることで、席を離れても各社の記者からロックオンされ続けます。なんということ、これは間違いなく罠。にげてにげてー。


しかしやはりこれだけの待遇だけだとまずいと思ったのか、紙袋をごそごそ探ると「おみやげ」が出てきました。通常の発表会などでも割とこういうのをくれる場合が多いので、これ自体は珍しくない。


おみやげをくれる発表会と言えば、今までで一番びっくりしたのは初代iPod shuffleのときで、あの何もくれないことで有名なアップルがiPod shuffleの512MB版をその場に居合わせた人全員に無償でくれました。後にも先にもあのときだけですが、かなり印象的です。

なお、今回はすべてこの壇上で行われるそうです


で、12時45分頃から記者発表会の段取りを説明。今まで来た発表会で最も丁寧かも。さすがに普段は取材する側だけのことはあり、このあたりはかなり綿密に練ってきている感じがします。やはりメディアがメディア向けに発表するということでかなり気合いが入っており、進行役の方に伺ってもかなりしっかりした受け答え。あらゆることが仕組まれているという感じ。

この時点で本来は会場からこの記事を更新する予定だったのですが、ウィルコムの電波が入らないことが判明。どうやら電波が遮断されている模様。残念無念。次回からは電波がちゃんと受信できる場所で開催して欲しいかも。アップルなどは発表会において会場からウェブサイトを更新できるように、あるいはメールでやりとりできるようにわざわざ通信できるようにしているらしいというもっぱらのウワサなので、それ相応のことをしてもらえると非常にウレシイかも。このあたりは次回の課題か?(次回があるのであればの話)

そして開始直前、13時前。かなり増えた


この時点でGIGAZINE以外で来ていたのは以下のような面々。やはり平日の日中にやること自体が無謀か。

ガ島通信 - 「毎日jp」の記者発表会に行ってきました。

「毎日jp」記者発表会に行ってきた。-Parsleyの「添え物は添え物らしく」

シロクマ日報 [ITmedia オルタナティブ・ブログ]

[の] のまのしわざ

歌田明弘の『地球村の事件簿』

2007/09/18 13:00
予定通り開始。常務取締役である朝比奈豊氏の挨拶。信頼できるオープンサイトを目指しており、新聞の殻の中に閉じこもらず、読者の方々と双方向で「開かれた新聞」を作ろうと言うことを30年前から実行しているらしい。偏らないでいろんな人の意見を紙面で展開し、社論を展開しながら、偏見にとらわれない新聞を目指してきたそうです。元旦の記事とまったく違う方針のようですが……理念が末端まで行き届いていないのかな?

2007/09/18 13:08
次はオールアバウト代表取締役社長兼CEOである江幡哲也氏からあいさつ。応援団の1人として来たらしい。誰でも発信できるということでブログについて触れるが、その一方で情報が氾濫してどの情報を信頼すればいいかわからないという声が読者からよく来るそうで。それはオールアバウトの自社サイト内で情報が氾濫して鮮度が古く、さらに更新されない情報が多いために信頼していいかどうかわからないという意味なのではないかと思うのですが……そのあたりは華麗にスルー。

2007/09/18 13:13
で、次は株式会社毎日新聞デジタル代表取締役社長である荒井健治氏から、これまでの経緯について説明。新聞社系ニュースサイトでページビューがナンバーワンだという説明も。しかし、現状では編成権や事業展開の自由がなく、その点を不満に感じていたのでサイトコンセプトを新しくすることにしたそうです。開かれた新聞・論争のある新聞・役に立つ展開の3つのブランドイメージをネットに持っていき、オープンサイトということでリニューアルすることにした、と。詳細はほとんどプレゼンテーション資料の通りなので割愛。

以下がその資料。もう面倒なので全部掲載。記者発表会だと大体こういうのがもらえるので、記者はこういうのを元にして、あとは書かれていないスピーチ内容をまとめるのがこういう発表会におけるメインのお仕事です。


2007/09/18 13:23
毎日デイリーニューズの編集長が登場。いろいろな説明。

2007/09/18 13:25
記者発表会の進行台本を発見。やはりかなり入念に準備されてるらしい。


2007/09/18 13:26
つづいて、毎日新聞社常務執行役員デジタルメディア局長の長谷川篤氏が登場


情報の信頼性について、それは新聞社がすべきことであると主張。新聞記事の横流しはやめろという自虐的なCMについて触れ、MSNとの提携に最初は不安があったが実際にやってみると手応えを感じたとのこと。現在、毎日新聞の記者はざっと2000人いて、一人前に育てるのに10年かかる、しかし10年かかって初めて事実をどうやってまとめて伝えるかがわかる程度、と。また、情報を商品にするには手間暇がかかるとも主張。さらに携帯電話の方では既にある程度の成功を毎日新聞は収めており、情報をフルテキストで出しているが、コレが他社との決定的な差。他社からは「フルテキストで出してもまどろっこしいだけで売れませんよ」と言われたが、月間1400万アクセスを稼ぎ出している。しかし2000人の記者は社会や経済の面を向いており、これ以外の生活情報などを含めて、軟派も硬派もどちらもやりたい、と意気込みを語っていました。また、昨年8月にネット上の記事で初めて訂正記事を出したが、これは新聞社が信頼できる情報を発信するという側面では、是非ともやるべきだと考えているそうです。言っていることはかなりまともでした。

2007/09/18 13:32
で、質疑応答開始。

Q.時事通信から「ページビューについて」「広告収入など、ビジネス上の目標は?」「業界初の試みは?」との質問
A.8月がピークで3億と4億の間を行ったり来たりしている。展開のマイクロソフトと離れてどれだけページビューを見込んでいるか、マイクロソフトの玄関から入ってくる人が減るには確実なので、2億ぐらいに減るかもしれない。しかし2年後にはピークを越えて、3年後にはさらに超えることを目指しており、広告収入もそれに伴って増えると予想している。信頼できる情報をどう作っていくか、それが課題となると思っている。

Q.某ブロガーから、オープン化と言うことで著名アルファブロガーとあったが、一体誰を選ぶつもりなのか?との質問
A.信頼とオープン性は相反しない。「某社」のように世の中の憲法をある方向に導くということは嫌われる。だからそういうことはしない。また、双方向性については正直、遅れていると感じている、そういうことをできる方でブログをやっている方、そして的確な情報を作り出す支援ができる方であればよいと思っている。

というわけで、GIGAZINEが質問する前に「ここで質疑応答を終了させていただきます」とのアナウンスで質疑応答終了。なんてこったい。約8分間の出来事でありましたとさ。ちなみに質疑応答予定の文章は以下でした。

Q.毎日新聞は元旦の一面から「ネット君臨」と題して、延々とインターネットの負の部分のみを強調し続け、ネットのみならず既存のメディアを含めた各方面から結論ありきの取材方針は問題があるのではないか、あるいは、このような偏向記事の連載は問題があるのではないかと言われ続けてきましたが、今回の毎日jpでは一体、これまでの批判に対してどのような態度と方針を示し、ネット上における双方向性を打ち出していくのでしょうか?どのような読者層を想定しているのかを含めてお答えいただきたいです。

上記質問については今回は時間の都合上尋ねられなかったので、次回の毎日新聞への取材時にぶつける予定です。こうご期待。

2007/09/18 13:40
女優の黒谷友香さんが来た。一斉にカメラを構える報道陣の図。


そのフラッシュしまくり撮影光景をムービー撮影していると進行の黒服が走ってきて止められるGIGAZINE編集部。はうあー。


やはりメディア側にカメラを向けるといやがられるのは健在なのか。あるいは、ただ単に撮影の邪魔になるからなのか、そのあたりの理由は聞く前に逃げられたので不明。しかしまぁ、こういうどうでもいいコーナーを……いや、一応コラムを書くので無関係ではないが……発表会の間に挟むというのはどうなのか。メディアがメディアをなめているとしか思えない。こういう時間を取るぐらいなら、質疑応答の時間をもっと取るべきだろうと思う。質疑応答が2件で終了とか、どれだけ突っ込まれることを恐れているのかが透けて見える気がする。というか質疑応答の時間が短すぎる。だが逆に考えると、質疑応答を最後に持ってこずに真ん中に持ってくることで強制的に切り上げるという、ツッコミ対策と言えなくもない。やはり相当、シナリオを練ってきていると考えるべきだろう。台本もあったことだし。台本自体は珍しいものではないが、厳格にその通りに滞りなく進ませようというこの執着は特筆に値する……。

2007/09/18 13:54
フォトセッションの準備開始。人だらけ。


大体こんな感じです、これも記者発表会ではよくある光景ですが、一般の方にはなじみのない光景だと思うので撮影しておきました。


もはやどうでもいいので、この間に「毎日jp」の中の人などに対して、GIGAZINEから取材依頼をしておきました。そのうち、質疑応答で聞けなかった部分も含めて取材記事を掲載予定です。

以下に書きました。

「毎日jp」を運営している毎日新聞デジタルメディア局にインタビュー - GIGAZINE

類似イベントへの教訓:ブロガー席はいらない、せいぜい腕章か名札ぐらいにとどめてください

なお、今回のイベントを他のネットニュースではどのように掲載しているかを以下に示しておきます。

毎日新聞の新ニュースサイト、ブロガーの協力も受け「オープン化」推進

毎日新聞がMSNから離れて新たな船出、新サイトの概要を発表:ITpro

信頼とオープン性 ? MSNと別れて「毎日jp」が新生オープン | ネット | マイコミジャーナル

ブロガーの力も借りる「毎日jp」 - ITmedia News

MSNを離れる毎日新聞が新サイト・ブロガー連携を強化?インターネット-最新ニュース:IT-PLUS

新サイト「毎日jp」、ヤフー、オールアバウトと提携 : ニュース : ネット&デジタル : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

毎日新聞、新サイト「毎日jp」を発表 - OhmyNews:オーマイニュース “市民みんなが記者だ”

毎日新聞のオンライン版、MSNニュースから「毎日.jp」へ:RBB TODAY (ブロードバンド情報サイト) 2007/09/18

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