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ソニー、植物のぶどう糖で発電するバイオ電池を開発


ソニーが、生物の植物に含まれる栄養源である炭水化物(ぶどう糖)を酵素で分解して活動エネルギーを取り出すしくみを応用して、活動エネルギーのかわりに電気エネルギーを取り出して発電する「バイオ電池」を開発したそうです。

今回試作したバイオ電池は50mWという世界最高出力を達成しているほか、試作したバイオ電池を使って、ウォークマンによる音楽再生も実現したとのこと。

詳細は以下の通り。
今回ソニーが開発したバイオ電池の構造は、ぶどう糖を分解する酵素と電子伝達物質を固定化した電極(負極)と、酸素を還元する酵素と電子伝達物質を固定化した電極(正極)で、セパレーターを挟んだものになっているそうです。

そして負極側で外部からぶどう糖の水溶液を取り込み、ぶどう糖を酵素で酸化分解する際に電子と水素イオンを取り出します。すると水素イオンはセパレーターを介して負極側から正極側に移動を行い、正極側で取り込んだ空気中の酸素と水素イオン、電子の還元反応が起きることによって水が生成されます。その一連の電気化学反応を通じて、電気エネルギーが取り出されるとのこと。

図にするとこんな感じ。


以下のリンクにバイオ電池でウォークマンを使っているムービーがあります。

Sony Japan|プレスリリース | ぶどう糖で発電するバイオ電池を開発

なお、ぶどう糖は太陽光を受けた植物が光合成によって合成する物質の1つで、地球上に豊富に存在する再生可能なエネルギー源であることから、ぶどう糖で発電するバイオ電池は環境にやさしい将来のエネルギーデバイスとして期待されるそうです。そのためソニーはこれからも酵素固定化方法や電極材料の開発による発電性能や耐久性の向上など、様々な要素技術の研究開発を行い、将来の実用化を目指していくとしています。

なんだか環境に優しいだけでなく、とても安全そうな電池ですねこれは。

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in ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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