インタビュー

最新ニュースを次々と送り出す「livedoor ニュース」に行ってきました


今回はライブドアの中でも非常にアクセス数の多い「livedoor ニュース」のインタビュー記事です。

livedoor ニュースといえば、パブリック・ジャーナリスト、略してPJを実行していることで有名ですが、それ以外にも様々な工夫をしており、今回は「ニュースサイト」の運営という方向から迫ってみたいと思います。

GIGAZINEを読んでいる人の中には個人でニュースサイトの運営などをしたいと思っている人もいるっぽいので、その参考になるかも。
◆社内の様子

というわけで、六本木ヒルズに到着


入り口はあっち


ここから中に入り、受付で手続きを済ませ、ライブドアのあるフロアへ移動


受付の前で待機……


裏手には新聞を読むスペースが!前はこんなの無かったのに、新しく作ったようです


一応これが打ち合わせのスペース


いっぱいあります。電源と有線LANをどの打ち合わせスペースでも利用できます。


というわけで会議室に通され、取材スタート


◆動画ニュースやそれぞれの各種livedoorコンテンツとの連携は?

GIGAZINE(以下、Gと省略):
livedoor ニュースの特徴である現在のPJの状況はどうなっているのですかね?

livedoor ニュース(以下、Lと省略):
ある程度書ける状態になっている人は400名くらい。一番稼いでいるPJの人がライブドアポイントで月間数万もらっています。

G:
すごいですね

L:
しょぼいブログでアフィリエイトやってるよりも結構儲かると思うんですよ。食えるほどじゃないんだけれども、小遣いとしては美味しいんじゃないかな。トップは一人じゃなくて三人か五人います。最高一本1万いくんですよ。中身が5000、アクセスが5000という感じで。

G:
すごいですねそれは。

L:
だから結構投稿数増えてます。そのせいか、面白いけれども「釣りっぽい」感じの、アクセスはいくのだけれども過激に走ってる記事もチラホラ。それはそれで面白いかな。あくまでPJというのはlivedoorニュース全体でいうと「刺身のわさび」みたいなものだけれども、オーマイニュースなんかは全部を市民記者でやっているので「シャリが全部わさび」みたいになってしまっている。あくまでうちはスパイス。全体の1~2割程度ですね、PJは。

G:
PJの中でも特にオピニオンと書いてあるのは、あれは何でしょうか?

L:
オピニオンというのは主観によるその人の主張ですね。

G:
だからオピニオンの方がすごいことがいろいろ書いてあるのですね。

◆livedoor ニュースの戦略

G:
ところで、ファンキー通信というのが別個に分けられているじゃないですか。あれはいつ始まったのでしょうか。

L:
去年の五月くらいですね。

G:
始まった理由は?

L:
独自のコンテンツがないと来てもらえないよね、ってことで固い真面目な話題以外の部分を、ということで始めた形です。

G:
週刊誌のゴシップ記事みたいなものの延長線上でlivedoorニュース自体のモノが欲しかったということでしょうか。

L:
そうです。

G:
あとたくさんニュース提供元があるじゃないですか。「~新聞」みたいな。全部でどれくらいあるんですか?

L:
多分40強……くらいです。数えていませんが。

G:
一覧が出ているページはあるんですか?

L:
記事の「提供元一覧」を押すと出てきます。現在はこれで全部です。50くらいありますね、これ(笑)
今はその中にGIGAZINEさんも加わりますし、結構な数とレパートリーだと思います。
やっぱりポータルサイトって普通は、結局Yahoo!とかMSN毎日とかasahi.comなんかからの記事しかないわけですけれども、うちは右も左も、立派なのからくだらないものまで上下左右どっちでも色々なものがあって、ここにきたらその中の「おいしいところが見れる」っていうのが一番キモだと思っているので。

G:
王道を行くポータルという感じですからね。

L:
王道と言うよりはもうちょっと邪道ですけど(苦笑)さっきのでいうと一番工夫しているのは、たとえば亀田兄弟の話でも、こうやって関連リンクを貼っているわけです。リンク先は、ただのブログの「対戦相手が世界ランカーなんてちゃんちゃらおかしいぜ」だったり、YouTubeの動画にまでリンクを貼ったりとか「かゆいところにリンクがどう届くようにするか」みたいな。いちいち検索するの面倒じゃないですか。検索してどれが当たりかなって見に行くのって。そこをたとえ五分かかったとしてもうちが肩代わりしてやっておけば、その検索結果を何千人何万人何十万人の人が利用できるわけなんで。そこを肩代わりして気を利かせてあげることこそが付加価値かなと。なので、関連リンクの充実をすごくやっています。

G:
手動で入れているんですか?

L:
入れています。例えば「組閣」ってキーワードを入れると、ニュースとその人の名前と、その人が分かる公式サイトとか、そういうのを全部リンクしたので。安倍内閣の各ポストと、どんな人であるかとか……。
いわば「おもてなしの心」ですね。例えばどこかの新聞社の記事の内容をYahoo!で読もうがライブドアで読もうが一緒じゃないですか。でも、ただ出来合わせの料理であっても、皿に盛ってパセリを盛るかどうかで、美味しそうに見えるかどうかは違ってくる。それがあるかないかでユーザーさん的にはだいぶん違うだろう、と。

G:
最初から用意されているのと自分で調べるのとは全然違いますからね、確かに。あと、動画ニュースなんかとの連携はどうなっていますか。

L:
動画ニュースはですね、基本的には二重構造になっていて、サイトとしてのlivedoor ニュースというのはlivedoor ニュース発の記事とか、動画ニュース発の記事だとかも含めて一コンテンツとして見て、面白ければ載せるというワンオブゼムの立場を貫いている。その中の一つとして動画ニュースがあります。

G:
完全にコンテンツで取捨選択を行っていると。

L:
そうです。

G:
言われたから載せるというのではなく、livedoor ニュースの方で取捨選択したものを載せると。あと、それぞれのコンテンツは独立性は保ち続けていると?

L:
そうですね。独立性というほど立派なものでもありませんが。

◆大体スタッフは全部で何人いるのか(記者、システム関連、デザイナー、バイト含む)

G:
PJを除いたスタッフはだいたい何人くらいいますかね?

L:
30人くらいですね。記者が13人くらい。動画が7人くらい。これがコンテンツを作っている方で、後はそれを載せたり取捨選択したりサイトを運用したりしている方で10人くらいです。365日ずっと人がはり付いています。特にサイトを運用する方は。
ニュースって常に24時間入ってくるわけですよ。50くらいあるところで、その中から面白いニュースを人力で拾ってきて、見出しを書き換えてという作業を3交代で24時間やっていることになります。

G:
24時間常に編集部に誰かがいる?

L:
そうですね。

G:
本当に新聞みたいですね。

L:
例えば夜中に地震が起こればとか。最近何があるかわからないので(笑)

G:
人数的には夜とか昼と関わらず均等ですか?

L:
夜は少ないです。一人。

G:
私がライブドアに入っていたときは、今夜の担当は誰それだというのが社内メーリングリストでいつも来ていたのですけれども、アレは今も?

L:
続いていますよ。その時誰がやっているのかわかれば、地震が起きたときに「横浜で橋が落ちました!」とか電話連絡することもできますよね。今誰が入っているのかわからないと、こういうことはできないので。

G:
記者さんの方の一日のスケジュールって、だいたい一体どうなっていますかね?

L:
記者はだいたい朝9:00に出てきて取材に行って、スケジュールによって一件、二件の場合もある。夕方3時や4時に戻ってきて、記事を一本か二本上げて帰るという形です。

G:
編集会議などは?

L:
毎日夕方5時半ごろにやっています。それと別にトピックス担当と呼ばれる、さっき言った365日24時間運用している人間は、朝会と夕会といって、看護士さんみたいに申し送りをしています。

◆昼食などはどうしているのか?(外食する割合、コンビニで済ませる割合、など)

G:
外に行く記者さんはともかく、中にいる場合のお昼ご飯はどうしていますか?

L:
まさに運用ではり付いて朝会も夕会も仕切ったり、早番と遅番の管理をしないといけないので、ちょっと外に食べに行く時間がなくて……。あと、昼がゴールデンタイムなんですよ。12時から13時が。だから一番かき入れ時ですね、食べに出るとかできない(笑)

G:
昼食の時間は前倒しなのか後回しなのかどうなっていますか?

L:
交代です。お昼に買いに行って、席で食べるというスタイル。買いに行くのも面倒なので作って持ってくることもあります。とにかく動かないようにはしてます。

◆1日のおおまかな一般的スケジュール(出勤はフレックスタイム、午前は打ち合わせ、午後は取材など)

G:
一日の一般的スケジュールはライブドア自体のフレックスタイムに準拠しているわけですか、一応は?

L:
そうですね。トピックスの担当は3交代で早番遅番夜勤。早番は朝7時から昼15時。遅番は14時30分から22時30分。夜勤は22時30分から朝7時まで。

G:
大変ですね本当に。その3交代制は最初から?

L:
いえ、完全三交代制にしたのは私が入った去年の4月か5月くらいからです。それまでは記者とトピックスを編集する側の人間が分かれていなかったんです。だから「俺が書いた記事だから長く載せちゃえ」みたいな。それを一番最初に改めないといけなかったんだけど。

G:
なるほど。それの改善という意味でも、3交代制にしたんでしょうかね?

L:
それでもちょっと長時間労働で休憩もあまり行けないので、実際どうなんだろうというところもありますけど、なんとか今は皆さん頑張ってやってもらっている感じです。

G:
だいたい月火水木金土日祝関係無くという形ですよね?

L:
そうですね。なんとか人が増えたので土日も固定で入ってみたいとかバイトさんに言われましたけど。
あと、管理画面からアクセスはほぼリアルタイムで1分ごとに見られるので、それをリロードしまくって、伸びる記事はずっと伸ばすし、見出しを変えてみたり、ダメな記事は降ろしたり。だいたい5分か10分見ているといける記事かどうか分かるので、半分デイトレードみたいな感覚ではあります。

G:
ものすごくリアルタイムにページは変えているというわけですか?

L:
その辺はなんともいえないアナログな人間の勘がありまして(苦笑)
「激怒」って入れると引きがいい、とか。「喜怒哀楽」の中で一番「怒」に反応するんですよ。「哀」か「怒」ですね。悲しい話かざまあみろ!みたいな話がいい感じです(笑)

G:
記事を一回あげてみて、リアルタイムの数字を見て、だめっぽいと思ったらそのあたりのフレーズを入れてみたりとか、ずっとやっているのでしょうかね?

L:
そうですそうです。

G:
なるほど。livedoor コンピューターでも似たようなことをやっていましたけど、そこまではやっていませんでしたからね(笑)

L:
かなり特殊な仕事だとは思うのですけどね。

G:
普通は入れたらそこで終わりですからね。そこから後も続くのはニュースサイトとしては確かに特異ですね。
その辺りも悪戦苦闘していたのですか?いつぐらいからコツが?個人差とかあります?

L:
難しいのは、常に3交代で5~6人いるのでレベルを揃えるというのが難しいですね。見出しとかはどうしても最終的にセンスの部分があるので。

G:
質を揃えるにあたって何かやったのですかね?

L:
最初はてんでバラバラだったところを引き受けて、レベルを均一化しろというミッションを仰せつかって、今やっているところなのです……。

G:
現在進行形なんですね

L:
担当ごとに分かりやすく目標を一次管理していて、目標のPVがあるんですよ。それで「この担当者は96%だった」「この担当者は105%」だったとか。それで月間MVPを決めて金一封を出したり、逆にノウハウの共有会を月一回やったり。

G:
金一封というのは具体的にはおいくらほどで?

L:
一万円です

G:
本当に金一封ですね(笑)
これは一番PVを稼いだ人に贈呈するわけですか?

L:
数字だけだとあれなので、なかなか良いキーワードを付けたとか、掘り出し物の記事を当てたとかでも決めますね。

◆編集部の自慢(他のニュースサイトにここは負けないというアピールポイント、あるいはGoogleのように食べ放題飲み放題などオフィス環境の自慢話など)

G:
さっきのトピックスがリアルタイムで変わるという以外に、他のニュースサイトに負けないというアピールポイントはありますかね?

L:
さっきの関連リンクのマニアック度合いですね。

G:
どれがクリックされたとかは編集側から分かるようにはなっているのでしょうか?

L:
仕込んでおけば分かります。あと、実際にはですね、例えば昔、ある芸能人が入れ込んでるホストの名前が伏せ字で他社では「R」ってなってたんですけど、それが新宿のとある店だったので、そのサイトのアドレスを貼っておいたらアクセスが上がるかなと思って付けておいたのですけど、だいたい一時間で5000クリックくらいされちゃって。答えをちょっと書いておくと結構来る。

G:
じゃあライブドア本体の環境の自慢とかってありますかね?

L:
会社の中で、ですかね。

G:
そういうことです。

L:
えーっと、今はですね、粛々とやっているカンジですね。粛々と自分の仕事を淡々とやっているカンジです。

G:
オフィス環境的には福利厚生的なことは考えていないのですかね?ある程度経ったらもうちょっと整えるという話は?

L:
環境的にはもう既に整ってはいるんですよ。人事も今動いている状態ですし。働きやすい環境にはなっていますね。

G:
特に奇をてらったようなことはないと。

L:
そうですね。かなり整ってきたので、もう本当に粛々とやってます(笑)

G:
逆に何か整っていなかった部分はありましたかね?

L:
整っていなかったというよりは、成果主義的なところがありまして、みなさん自分の仕事を最優先といったカンジでしたけね、当初は。

G:
ということは、それを改善するために何かやったことがある、と?

L:
そうですね、会社のビジョンとしてCGMというのを前面に押し出してやっているので。それに向けて皆さん動いているといった形ですね。

G:
なるほど。あと、会社で入れていたグループウェアというのはこれも以前の通りですか?それとも入れ替えました?

L:
入れ替えましたね。desknet's(デスクネッツ) というのになりました。イントラの方は内側も整備されてきました。

◆記事作成や取材で苦労したエピソードや伝説のエピソード

G:
記事作成や取材で苦労したことや伝説のエピソードみたいなのはありますか?
今聞いていると全てが苦労の連続みたいに聞こえますけど(笑)

L:
どちらかというと私の仕事は運用とかコンテンツを作る仕事じゃないですけど、記事の編集も私がやっているので、とにかく「引きがいい」というか、読者に受けるネタが変わってきているのに対応するのに苦労していますね。ファンキー通信だと昨年までは「萌え」記事が引いていたんですけど、その萌えが最近引かなくなっちゃって。

G:
冥王星を擬人化して萌えるネタとか書いてありましたよね、そういえば。

L:
あれはあれで引きましたけど、もうちょっと萌えじゃなくて、次に引きがいいのはなんだろう?と模索した結果、次は「腐女子」にきましたね。ああいう記事は本当にいろいろな人がブログに書いてくれるので、見知らぬ人が流入するきっかけにもなりますね。
あと、変なアダルトサイトから来ていることもありますね。リファラであまり見たくないようなURLに貼られていたりするんですけど、基本的にはブログでネタにして貰えると伸びる感じです。

G:
アクセス解析を見て考えながら入れ替えている、そんなカンジですかね?あと、ある程度傾向とかありますか?

L:
先ほども言ったように、とりあえず基本的には「ブチギレ」とか「激怒」とかも引きますし、最近はいろいろとGIGAZINEさんからも記事をいただいているのですが、普通のニュースだけだとどこでも同じなので、できれば他と違って毛色の違う記事を出してくれるところを一生懸命、提供元として月に一、二本増やせるようにしていますね。
だから、マイニュースジャパンさんとか、それから企業スキャンダル系の記事もかなり引きがいいですね。さっき言っていたファンキー通信も「オフィス雑学」みたいなものが引きました。「お先に」って言いづらい環境になっている、とかそういう内容なのですけどね。
意外と濃いユーザーよりも薄いというか、普通の人も読まれるようになって、それでいて話のネタになりやすいものがいい傾向を示します。あと店内のサイン放送ってあるじゃないですか。あれは何だ?という記事をやったときも、かなりいい反応が返ってきました。あんなマニアックな記事が当たるのかな?と思っていたので、こちらも驚きましたね、あれは。

G:
ということは記事を書いたときには「これどうかなぁ?」というカンジのものも多いわけですか?

L:
そんなにいかないと思っていたのだけど、実際にはアクセスが伸びるというのが結構あります。あと伸びやすいのは恋愛記事系統が多いですね。あれはもうすごい人気があって。けど、あまり恋愛ファンキー通信でも「脈アリ女の見分け方」ってのを出したんですけど、いちいち出したら非モテ君も考えなくなっちゃうなって思って、逆に「脈のない人の見分け方」になっちゃったという場合もあります。

◆こんな読者の方に読んでもらいたいという想定している読者層

G:
livedoor ニュースの人達はどういう読者層を想定して記事を作っているのでしょうか?

L:
一応、20~30代の若手サラリーマンに読んでもらいたいです。一応ネットに対してリテラシーが高いユーザーを狙っているわけです。あと女性のユーザーが少ないので、独身女性の葛藤をまじめに明るく扱う「独女通信」を立ち上げました。

G:
実際、読者の中に女性は少ないんですか?

L:
割合は男性と女性が7:3ぐらいです。ファイナンスの影響で株価情報を見てからうちに来るという影響で男の人が多いのかなって言われていたのですけど、そうはいっても女の人がSPA!を読んだりする時代なので。女の人が読んでも面白いニュース記事をってことで、今はその方向も目指してます。
私達自身が「女の人ってどういうものをニュースに求めるんだろう」って考えています。
だから、本音とまではいきませんけど、生態を垣間見ることができれば面白いのかなと。最近は独身女性が増えていて、そういう方はキャリアがあったりして。だからネットに触れる機会も多いのかなと。
また、そういう女性は会社でも面白い企画に携わっていたりして、リテラシーも高い人が多いのかなと予想してます。

◆サイト閲覧のコツ(注目して欲しいポイントや特集など)

G:
特に、ここを見て欲しいところはありますかね?

L:
トピックスですね。めちゃめちゃ力入れてます、あそこは。そこを押して記事全文じゃなくサマリーに飛ぶようになっていますけど、そこの関連リンクもかなりオススメです。読めば読むほどすごい細かくなるようにしてます。
これはですね、なぜかスタッフがその記事のニュース検索をする前に本当によく知ってることが多いんですよ。だから、他の所では載せないマニアックなところや、これを知りたいというところを入れることが可能になるわけです。

G:
2ちゃんねるのまとめサイトみたいなカンジですね。

L:
そういうカンジです。それが初心者用になっている、と。どこかのブログにも「検索する手間が省けた。こういう情報が知りたかった」とか書かれていて。
リンクを作成したり集めたりすることはアナログですけどね(笑)

◆こんなシステムで運営してます

G:
あと、こんなシステムで運用しています、というのはどうなのでしょうね?あれだけのPVを支えているのだから、大規模な構成だとは思いますけど。

L:
正確な数が分からないですけれども、十数台あるはずです。ある程度、余裕を持ったサーバ構成になってます。

◆今後の方針(こんな感じの展開を予定しています、など)

G:
今後の方針はどんなものなのでしょうね。

L:
アサヒコムやよみうりオンラインやMSN毎日というのは新聞社の出島であって、それ以上でも以下でもないわけですよ。Yahoo!はYahoo!で関連リンクのトピックスは頑張ってるし、よくできていると思うのですけど、逆に自分が積極的に価値判断をしないところが徹頭徹尾している考え方なので、そうでもないだろうとうちは考えてます。
あと、livedoor ニュースは自分達も裸なので、ある意味「王様は裸だ」って言いまくれるポジションなんですよ。それに対して、確かにあれは裸だよね、と思い出し始めた人が増えている。優秀なブロガーのエントリを見る方が新聞記事を読むよりよほど分かりますよ。そこの架け橋になるのがlivedoor ニュースかなと。

G:
そのあたりの方針転換というのは、いつ頃から?

L:
だんだんどこがツボなのかをアクセス見ながらやっていくうちに分かってきて、この半年くらいは自信を深めてきました。何が受けるのかというと、要するに「テレビで言わないこと」なんですよ。ジャニーズ批判とか、トヨタのリコール問題とか。

G:
今後もそういうちょっと尖った方針でいくようなカンジですか?

L:
そうですね。それが存在意義だと。livedoor ニュース自体は一日でユニークユーザーが50万くらいで、PVでだいたい400万弱。なので、いろんなコンテンツをニュースの中に入れていって、グルグル回したほうがいいだろうと。
ニュースの中の一カテゴリみたいな形で、横移動とかいった形でやっていった方が独立した形よりもPVは取れるだろうという判断です。livedoor ニュースとしても、今はよみうりオンラインを抜いてアサヒコムに肉薄しているんですよ。

G:
すごいですね、肉薄しているというのは。可能性を感じます、非常に素晴らしいですね。ということは、究極の目標的には一体どのあたりまでを目指しているんですかね?日本で一番?

L:
やる以上は日本一を目指したいです。多分5年~10年くらいのスパンで見ると、新聞やテレビのキー局制が崩れていくと思うのですよね。その時みんながニュースを収集する手段ってネットしかないんですよ。多分「これが今世の中のミニマムですよ」と共通項の括りを設定するのがポータルサイトのニュースコーナーの位置付けかなぁと。

G:
本当に「ニュースサイト」という感じですね。

L:そうなっていきたいなと。その時に「Yahoo!しかない」っていうのって、おかしいと思うのですよね。それでいいのかと。

G:
ということは、やはりライバル視しているのは「Yahoo!ニュース」になるのでしょうか?

L:
最終的にはそうですね。

G:
Googleニュースなどの完全自動生成型ニュースサイトはどういう風に見ていますか?

L:
検索でどれがページランク高いのかというのは過去に遡ってフィードバックできると思うのですよ。今のトピックスの見出しのように「これが今世の中的にどれくらい既知のものなのか」という線引きみたいなものは、相当先までロボットやアルゴリズムでは判断できないんじゃないかという気がしています。だから朝9時15分からやっているのも、その日の朝のワイドショーで誰がどう言った、かとか、電車の中吊り広告で「ああこうなんだ」と見た上でやることができるようにするためです。ネットの中だけをどんなにロボットが巡回しても、結果に映し出されるのはごく一部じゃないですか。
なので、時間がないときにlivedoor ニュースのトピックス7本を見ておけば安心、という信頼性をいかに人で担保できるかってところなんです。辛いですけど、当面負ける気はしないですね。ただ、最大公約数的なものなので、パーソナライズはRSSリーダーの選別機能の役目であると思います。でもRSSだけだと視野が狭まるので、世の中的には知っておかないとだめなことというのがやはりいろいろあって、そういうのに対して人を介し、レコメンドすることは必要だと思います。
そこで言うと、livedoorニュースは割と良い勝負ができている気はします。あとはYouTubeへのリンクとか怪しいブログへのリンクとかを含めて、よそがレギュレーション的にやれないことを突いていきたいですね。

G:
なかなか高度なことをしていく感じですが、そうなると人材募集についてはどうなっているのでしょう?

L:
体力と情報に対する感度がある人、検索スキル高い人、雑学多い人がいいです。芸能から国際問題まで。あと、記事の見出しは本質が分かっていないと書けないです。なので、知的なだけでなく、体力的にも優れた人ができればいいですね。それから、数字的な目標達成力が強い人。あと、うちで働くととにかく、どの芸能人が旬なのか、どういう見出しが人を惹きつけるのか、そういうセンスは非常に鍛えられますね。常に100本ノックを浴びてる状態です。


次回、「SEMを得意とするネット広告代理店「アイレップ」に行ってきました」…乞うご期待。

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in インタビュー, Posted by darkhorse_log

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